表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

少年の話。

始まりの鐘が鳴る。授業が始まる。


教卓に先生は…いない。いや、いないというより実物がない。


この私立魔穂雨学園は、実は教師がいない。代わりに警備員、別名「監視員」がいる。


それもそのはず。


魔法。いわゆる非科学的現象を使えるようになった子供たち。


それは自分の世代で始まったようだ。


少し前まで人類は魔法を使えなかった。しかし、実際自分の世代で使えるようになっている。


前の古い世代の人たちによると、これは人類の進化の過程なのだそうだ。


そして、その子供たちに勉強を教えようとする古い世代の人たちは、魔法という武器を持った子供たちを怖がった。だが、利用する価値はあると考えたらしい。自分たちが捨てられるとは思わなかったのか。


誰も子供たちの教師をやろうとはせず、3Dの立体映像で子供に教育を受けさせることにしたらしい。だから授業中に早弁をしても誰も怒らない。今こうして――あぁ、いやなんでもない。


話がそれたね。今言った通り、僕たちは本物の教師に会ったことがないってわけだ。


それが目の前にいたら―――当然、びっくりするよな?






ガラッ


教室が静まりかえる。


一人の男がはいってきた。何だこいつ。皆が騒ぐ。


明らかに俺たちの世代ではない。俺たちは比較的新しい世代だから。


男の容姿も不思議だ。始めてみるものだった。


黒いジャケットになぜだかシャツがビリビリに破けてしまっている。ついでにジーンズも。


そんなものに意味があるのか?という疑問を口に出せないまま、その男は何も言わず教卓の前まで一歩ずつ近づいてくる。まさか?


「今日から、この魔穂雨学園の教師となりました、柏木啓介でーっす。皆ー、席ついてー。」


…これは悪夢の始まりか、それとも天国への扉か。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ