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時空 まほろ 詩集・言の葉の庭たち

「時計 -時を刻むあなたへ-」

動かない

動きそうで、動かない

わたしの秒針

秒針、短針、長針


あんなに規則正しく動いていたのに

もう

寿命なの?

電池を変えても、動かない


わたしの、亡くなったおばあちゃんから貰った

青いバンドの、

六時の所に犬のマークが入った

腕時計


どこに行くのも一緒だった


おばあちゃんとの、

水族館も、動物園も、遊園地も、

デパートのお出かけも、

いつも一緒だった


おばあちゃんと一緒じゃなくなっても、

時を一緒に過ごしたあなた


デジタルの時計が増えても、

アナログのあなたが大好きだった


大好きだったおばあちゃんが星になった日

徐々に動きを緩めていったあなた


もう、ずっと動かないのかな?


わたしの身体もなかなか思うように動かない


一緒に徐々に止まってしまうのかな


時計と共に、

わたしの人生の時計も止まっていく




……いつか、は、だけれども……



ちょっと、シリアスになりました。

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