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モテたいからだぁぁぁぁあ

「2年生5組赤坂湊くん、壇上に上がってください」


 ゆっくりと全校生徒の前に歩いていく。

 震える足をできる限りの力で抑えながら、マイクを顔に近づける。


「この度、『生徒会長』に立候補させて頂きました2年5組の赤坂湊です。立候補させて頂きました理由は、この学校を変えたいから、などといったテンプレート的なことでは無いです。」


 先輩も後輩も、頭のおかしいやつが来たと感じたのか、眼前ではニタニタと笑った生徒たちで溢れていた。


 俺はその期待に精一杯答えてやろうと思う。



「俺が生徒会長になりたい本当の理由は、モテたいからだぁぁぁぁあ」



 言ってやったという達成感と、やらかしたという絶望感の2つに苛まれた。


「時間です。赤坂くんは壇上から降りてください」


 ピーッというタイマーと同時に、司会進行が終わりを告げる。




 そこからの立候補者は、全員可哀想だった。


 俺の頭の狂った演説のせいで、他の立候補者は明らかに話しづらそうであった。


 生徒会選挙が終わり、教室に戻る。


 俺はと言うと、名前も知らないやつから指をさされて笑われる始末。


 教室に帰ってくると、俺の周りに男子が集まった。


「お前よく言ったな」とか、「見直した!」とか言われたが、肝心の女子からの目線は相当に痛いものであった。


 帰りの用意を済ませ、逃げるように学校を後にした。


 帰り道は平和そのものである。


 公園から聞こえる子供の声に安らぎを感じながら、何も考えずにのんびりと歩くこの時間が好きだ。


 そんな、つかの間の幸せを噛み締めながら足を出そうとしたその時である。


「ドスッ!」


 後ろから抱きつかれた。ふんわりと香る、いかにも女子な香りを漂わせる、茶髪のショートカットが似合う俺の自慢の妹である。


 妹こと、赤坂咲は成績優秀。そして、家事スキルが完璧なのである。


 昔、俺の体操服が破れた時も、ものの5分程で縫い目が分からないぐらい綺麗になり返ってきた。


「どうした咲よ。何かいいことでもあったのか?」

「う〜んとね〜帰り道に兄いが歩いてた!」


 何この可愛い生き物。やっぱモテなくてもいいかも知れないわ。


 明日から生徒会選挙を理由に引きこもるのもアリかもしれない。


 家に着いた俺は、選挙のこともあり疲れてしまい、ベッドに体を沈ませた。





 うるさい。腰の辺りが重たい。

 光が目の中に差し込む。目の前には馬乗り上の妹がこちらを見下ろしている。


「兄い、もう8時回ってるよ」


 焦って時計を見ると、刻一刻と秒針が8時30分へと向かっていた。


「詰んだわーー。てか、もっと早く起こしてくれ、咲」

「え〜でも〜気持ちよさそうに寝てたし。ホラッコレ見て」


 そう言って、おらに俺の寝顔を見せてくる。


「要らんわ!消しとけ!」


 急いで、ベッドから降り、顔を洗い、カバンを背負い、ダッシュで学校へ向かう。

 うちの学校の生徒が誰一人として居ないのが、俺をより焦らせてくる。


 チャイムと同時に教室のドアを凄い勢いで開ける。

 皆が俺を注目し、少しの間が空いたあと、全員から「おめでとう!」と言われた。


 何が何だか分からず、理解するのに時間がかかった。

 そんな時、クラスの中心グループが俺に言った。


「いや〜明日から湊クンが、会長か〜楽しみだね」


 そう、この俺、赤坂湊は昨日の『あの』ふざけた立候補演説で当選してしまったのである。



 これは赤坂湊が、会長として、そして、男として高校生活を楽しく改革する物語である。





初めて、小説を書いてみました。

これから成長していきたいっす!笑

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