第3話:崩壊
書きました!
いぇーい!
はい!
今回も楽しんでいただけたら幸いです!
突然押しかけられ、突然の発言にフェリシアは戸惑っていた。
ペンちゃんがいない事も気がついたがそんな暇もなく兵がフェリシアの手を掴み無理やり引っ張った。
「ふぁっ」
「ど、どういうこと!?」
兵に聞いても無言だった。
部屋を出るとエミリーがいた。
しかし俯いていてこちらを見てはいなかった。
「ねぇ、どういうことなの、エミリー」
俯いたままで返事はしなかった。
ーーーーー
兵は何も言わず処刑場までフェリシアを連れてきた。
台の上に登り首に輪っかのある紐を首にかけられた。
フェリシアの視界には町の人がこちらを見ては何かを言っていた。
魔女、殺人鬼、悪魔。
そんな言葉が聞き取れた。
「さぁ、これからこの者の死刑を行う!」
聞いたことのある声とともに町の人の声は小さくなった。
ベルザルトが後ろから現れた。
「このような悪人には長く苦しませる必要がある為、首吊りを行うことにした!」
その声と共に町の人は歓声をあげた。
フェリシアは周りを見ているとベルザルトの横にエミリーが立っていたことに気がつき、目が合うがエミリーは目を逸らした。
「ねぇ、エミリー」
フェリシアがそういうとエミリーは少し震えていた。
最初は泣いているのかと思っていたが違う事にすぐに気づいた。
「ぷっ……あはははは!」
エミリーは突然笑い出した。
「エミ……リー?」
「ほんと、あなた面白いね! 今まで笑いをこらえるのに凄く苦労したわ!」
フェリシアは信じたくなかった。
「ど、どういうこと?」
「私はあなたの事をどうも思ってないって事、簡単でしょ?」
「貴方はただのコマ、私が生きるためのね!」
そう言い終えるとクスクスと笑い続けていた。
「なんで……」
そしてエミリーの後ろからロニカも現れた。
「ロニカちゃん……」
フェリシアは嫌な予感がした。
「ごめんなさい、私……死にたくなくて、フェリシアさんか私をどちらかが死刑って言われて…………だから、代わりに死んでください」
フェリシアはその言葉に精神が崩壊しそうだった。
「わ、私なにもしてない! なんでこんなことするの!? おかしいよ!!」
フェリシアは死を実感して大声を出した。
しかしそれは町の人の怒りを買った。
「うるせぇ!」
「魔女がさっさと死ね!!」
町の人は石を投げてきた。
その一つがフェリシアの頭に当たりバランスを崩した。
そして台から足が離れ首が吊られた。
「あ゛っ」
必死にもがくがどうすることもできなかった。
町の人の声、エミリーの声、いろんな声が
聞こえてくる。
視界がボヤけ、やがて真っ暗になった。
その瞬間首の圧力が消え地面に当たった。
「ゲホっ!ゲホッ!!」
目を開くとフードを被った人がフェリシアを抱えていた。
「だ……れ?」
ベルザルトは突然の出来事に一瞬固まったがフードの人とフェリシアの方を見て怒鳴った。
「き、貴様は誰だ!!」
その言葉は少し怯えているようだった。
「大丈夫ですよ、フェリシアさん」
フードの影から顔が見えた、ロニカだった。
「ロ……ニカちゃん?」
フェリシアは安心したのか眠ってしまった。
ロニカはフードを深く被りベルザルトの方を見た。
「何をやってる!早く捕まえろ!!」
ベルザルトは慌てながら大声で言う。
ロニカは兵が集まる前に走って逃げた。
ーーーーー
路地裏に逃げたが表はかなり騒がしかった。
そんな中、足音がロニカの方に近づいて来ていた。
「約束どうりの場所と時間ですわね」
ミリアだった。
ミリアの手にはペンちゃんと武器があった。
「ありがとうございます、ミリアさん」
ミリアはため息をついた。
「全くですわ」
ロニカは微笑んだ後にミリアもため息をつきながら微笑んだ。
ミリアはペンちゃんと武器を渡した。
「さぁ、早く行きなさい」
ミリアは振り返って歩いて行った。
「ありがとうございます」
ロニカは呟き、ペンちゃんを頭に乗せて武器を背負い立ち上がった。
「ペンさん、ナビゲートは任せました!」
「キュっ!」
ロニカは走り出した。
ペンちゃんのナビゲートのもと、町から出るとそのまま突き進み森まで走って行った。
「ここまでこれば……」
ロニカはフェリシアを下ろしくつろいだ。
「疲れたぁ……」
ロニカは目を瞑った。
ーーーーー
「う……ん」
ロニカは目を覚まし周りを見渡すとフェリシアは既に立っており、周りを警戒していた。
「あ、おはよ」
フェリシアはロニカに気づきそばに寄った。
「お、おはようございます」
そう言いロニカは立ち上がった。
「そろそろ行きましょう」
ロニカはフェリシアの手を取り歩き始めた。
「え? い、行くって何処に?」
ロニカは立ち止まった。
「そういえば、今の状況言ってませんでしたね」
そう言い、ロニカは語り出した。
ーーーーー
「ロニカ」
エミリーはロニカの肩を掴んだ。
「え、えと、何ですか?」
ロニカは少しアタフタした。
「貴方にお願いがあるの」
ロニカは無言で頷いた。
「明日、恐らくフェリシアは処刑されるわ」
「え!? なんで!!」
ロニカは大きな声で言った。
「しっ! あまり大きな声は出さないで」
エミリーは慌てて注意した。
「ベルザルト、あいつのせいでフェリシアは処刑される、だからそれを止めてほしいの」
ロニカは頷き質問をした。
「どうすればいいんですか?」
エミリーは窓の外を見ながら言った。
「簡単なこと、フェリシアが首を吊られたら助け出す、それだけでいいわ」
ロニカはその後の事が気になり聞こうとした。
「その後ーー」
「その後は、この街を出てエルガンに行って、その後の事は任せるわ」
エミリーはロニカの言葉に被せるように言った。
「わ、わかりました、エミリーさんはどうするのですか?」
ロニカは首を傾げた。
「私は、力にはなれないわ、それ以前に貴方達の邪魔をしてしまうかもしれないの」
「どういうことですか?」
エミリーはロニカの方を見た。
「簡単に言えば、ベルザルトに操られる……と解釈してくれればいいわ」
「じゃあ、おやすみなさい、頼んだわよ」
エミリーは早足で去って行った。
ーーーーー
「て事があったんです」
ロニカはこれまでのことを話し、それを聞いたフェリシアは一息ついた。
そしてペンちゃんはフェリシアの肩に乗り
頬を付ける。
「それを聞いて気持ちが落ち着いたよ、ありがとう」
フェリシアは微笑むとロニカは両手でガッツポーズのような格好をした。
「私達がフェリシアさんに酷いことするはずないじゃないですか!」
「うん」
お互い気持ちが落ち着くとエルガンの方角を向いた。
「いこっか」
「はい」
2人はエルガンを目指して森を歩いて行った。
二人は歩くときに気づいた、ペンちゃんは
寝ていた。
ーーーーー
城の廊下に息を切らした人がいた。
「ふぅぅーー……っく!」
エミリーは胸を押さえて壁にもたれかかった。
「ベル……ザルト、貴方はなんで」
目の色がやや変化しつつあった。
「絶対にさせない、あの時みたいな事は」
ーーーーー
森を出たロニカとフェリシアは広い平原に見とれていた。
「すごい、ファンタジーって感じだね!」
ロニカは強く頷いた。
「です!」
「森は案外早く抜けれたけど、見る感じ
エルガンが目視できないし、結構遠い旅に
なりそうだね。
フェリシアはロニカを見ていうとロニカは
首を横に振った。
「辛いかもしれないですけど、私達なら
きっと大丈夫ですよ!」
フェリシアはその言葉に微笑んだ。
「そうだね」
2人はエルガンを目指して再び歩き出した。
しばらく歩いていると前方から馬車が来ているのがわかった。
「もしかしてエルガンから来た人かな、話聞いてみよっか」
ロニカは頷いた。
「あの、すみません」
フェリシアは少し大きめな声で言うと馬車は止まった。
フェリシアは馬車の中で誰かが話し合っているのに気が付いた。
そして馬車から2人の少女が現れた。
1人は白髪の黒いTシャツに白いフード付きの上着、青色の短パンに黒いニーソックス。
もう1人は青いフード付きのローブをきてい青髪だった。
「……します」
フェリシアはロニカが何かを呟いた気がした。
「え、今何か言ーーー」
フェリシアがロニカに語りかけようとしたが
既にロニカは青髪の少女目掛けて拳を振りに行っていた。
「っ!?」
青髪の少女は手から水を出し、それを杖のような形にして拳を防いだ。
「いきなりご挨拶、だね」
青髪の少女は少し競り負けそうだった。
「ミユ!」
白髪の少女がそう言うとロニカに近寄り手から光る剣を出し、振りかぶった。
ロニカはそれを避け、一度距離をとった。
「いきなりなんなの!」
白髪の少女が言うとロニカは構えた。
「ちょ、ちょっと、ロニカちゃん!」
フェリシアの言葉を無視してロニカは青髪の少女に再び近寄った。
白髪の少女が手を前にかざすと地面から
光る鎖が現れロニカを捉える。
「ロニカちゃーーーっ!?」
助けに行こうと駆け寄ろうとした瞬間
顔前面を埋めるように水玉がフェリシアの
顔に張り付き息ができなくなった。
「んぐぅ!」
剥がそうとしても水な為触らなかった。
「まだ暴れるんだったら彼女の命がないよ」
青髪の少女が言うがロニカはさらに暴れた。
「フェリシアさんを、離せえぇぇー!!」
その声は辛うじてフェリシアの耳にも
入るが意識が朦朧としているなか気にして
いる余裕はなかった。
「残念だよ」
その言葉を最後にフェリシアの意識は途切れた。
ーーーーーーーーーーー
「ごめん……なさい……」
見覚えのある少女は誰かの頭を抱えて
泣きながら静かに謝っていた。
「私なんかの為に……なんで……」
握っている手に力が入る。
「あの人達は……なんで見捨てたの……」
そう呟く少女は涙を流し続けていた。
「今度は……失敗しない……です」
ーーーーーーーーーーー
ガタガタと揺れる床にフェリシアは
ふと目がさめる。
「ここは?」
起き上がり周りを見渡すと馬車の荷台
という事がわかった。
そしてペンちゃんと手足を縛られた
ロニカの姿もそこにあった。
「あ、起きたよ!」
白髪の少女が前から荷台に移動してきた。
「そう、フェリシアって言ったっけ?」
手綱を持つ青髪の少女はこちらをチラリと
見て言う。
「悪いけど、また暴れられたら嫌だから
その子はそのままでお願いできる?」
フェリシアは少し悩んだが頷いた。
「まずは自己紹介しよっか!!」
白髪の少女は笑顔で言うと青髪の少女は
頷き口を開いた。
「私の名前はミレイユ」
青髪の少女はそう言い白髪の少女は手を前に出した。
「私は時音、苗字なのか名前なのか自分自身覚えてないんだけどね」
フェリシアは手を握り握手をした。
「私はフェリシア……です、こっちはロニカちゃんです」
ミレイユは小さな袋をフェリシアに投げた。
その袋が床に落ちるとジャリっと
金属質な音が聞こえた。
「こ、これは?」
フェリシアはミレイユに言う。
「お金だよ、多分貴方達、転移者でしょ?」
フェリシアは確かにお金がなくその事を
きにする時間があまりなかった。
「いいんですか?」
フェリシアはこのお金がどのくらいの価値
なのか全く分からないがおそらく大金
なのだと言うのはわかる。
「まぁ、私達の所持金の半分だけど気にしなくていいよ!」
時音がそう言うと余計に受け取りづらくなった。
「あの、これっていくらぐらいなんですか?」
時音は少し考えて答える。
「多分元の世界のお金としてみると、一千万?」
想像以上に大金だった。
「こんなにもらえないですよ」
フェリシアは言うとミレイユはため息をついた。
「じゃあ、これならいいでしょ、私達はそんな大金いらないから捨てたいの、捨てるくらいならあげた方がいいでしょ?」
その言葉にフェリシアは口を開けなかった。
「あ、もうすぐつくよ、エルガン」
その言葉に前を見るとエスティーユより
やや大きめの街が見えた。
そして空には見たことがない鳥が飛んだり
狼のような生き物が走っていた。
「あれが……」
街にも見惚れたが自然豊かな平原を見て、さらに見惚れていた。
外の景色を見ているとロニカが目を覚ました。
「あぁれ……ここは?」
ロニカは動こうとして手足が上手く
動かせないことに違和感を感じて見た。
「な、何で縛られてるんですか!?」
驚きながら言い解こうとしたが硬く縛られていて全くビクともしなかった。
「あ、貴方は誰ですか!?」
ロニカは混乱していた。
それとともにフェリシアはロニカの言葉的に
覚えていないのではないかと思った。
「私はミレイユ、こっちは時音」
ミレイユは流れるように答えた。
「私の名前はーーーー」
「しってる、ロニカでしょ」
ミレイユはロニカの言葉に被せて言う。
「あわ、はい!」
ロニカは戸惑ったがすぐに頷き返事をした。
ガタガタと揺れる馬車の中、ロニカは
突然周りをキョロキョロし始めた。
その行動にフェリシアはロニカに声をかけた。
「どうしたの?」
「えと、何かに見られてるような……感じが」
フェリシアも周りを見渡してみたが生き物
一匹見えなかった。
「何もいないけど……」
フェリシアは思った、さっきまで生き物が
居たはずなのに何故今はいないのか。
「あの、時音さん、ミレイユさん」
フェリシアは二人に声をかけた。
「何かに狙われてるね」
ミレイユがそう呟くと時音は立ち上がった。
「ガイア」
そう時音が言うと時音の胸辺りから
宙に浮かぶ露出が激しい服のような物を着る薄いベージュのような髪色の女の人が現れた。
「えっ……?」
フェリシアはその女の人に何処と無く
見覚えがあった。
「アリン……?」
何故その名前が出たのか全く分からなかった。
彼女の姿は光の玉だったはずなのに。
「うぅ……」
頭が酷く痛い。フェリシアはこの違和感を
深く考えた。
(頭が、割れそうぅ……)
痛いのに、考えてしまう。
この先にある真実を知りたい。
フェリシアはそう思った。
「シアさん……フェリシアさん!」
ロニカちゃんの声が聞こえる。
でも何も分からない、見えない。
私は何のためにここに来たの?
「あぁああぁ……」
「ミユ! フェリシアさんの様子が」
時音はフェリシアの様子がおかしい事に
気がつきミレイユに声をかけた。
「…………」
ミレイユはその様子を見て考え込んだ。
「フェリシアさん!」
ロニカはフェリシアの側により声をかけ続けた。
「ゲホォ……」
フェリシアは口から大量の血を出した。
「フェリシアさん!?」
ロニカは慌てた。
「そ、そうだ、ペンちゃん!」
ロニカはペンちゃんにフェリシアを回復
させる事は出来ないかと考えペンちゃんを
譲って起こそうとした。
しかし、ペンちゃんは起きなかった。
それどころか、触った時に感じた。
ペンちゃんはまるで抜け殻のようだった。
「なに、これ……どうなってるの??」
ロニカは頭が真っ白になった。
なにも考えれない。
「……っ!?」
この騒ぎの中ミレイユだけが気が付いた。
前方から何かが飛んできていた。
「みんな伏せて!」
その言葉で伏せれたのはミレイユと
時音だけだった。
ロニカは訳が分からなくミレイユの方を見た。
フェリシアは頭を抱え何かを呟いていた。
そして馬車の中に血が飛び散った。
「がはっ……」
その氷柱はフェリシアの腹部に命中していた。
それと同時に何かにヒビが入る音がした。
誰もが氷柱にヒビが入ったのだと思ったが
そうではなかった。
空にヒビが入っていたのだ。
「何が起きてるの!?」
時音は慌てて周りを見渡している。
「フェリシアさん!」
ロニカはフェリシアに声をかけ続けている。
「まさか……くっ、時音! 今すぐ能力を全力で使って! 時を戻して!!」
ガイアは大声で時音に言った。
「えな、なんで?」
時音は何が何だかわからず理由が知りたく質問をしたがガイアは、それを無視して怒鳴った。
「いいから! アレと関わってしまったから!! 急がないと間に合わなくなる!!」
時音は『アレ』の事をフェリシアの事だと理解はできたが、人を物の様に呼ぶのは少し不満があった。
「ミ、ミユ……」
時音はミレイユに目線を向ける。
「よくわからないけど、ガイアの言う通りにして」
時音はミレイユの言葉に少しショックを受けていた。
「でも、全力で戻したら……また」
時音は悩んだ。
「大丈夫、私達なら……きっと」
ミレイユの言葉に時音は決心をした。
「わかった」
そう時音がいうと身体が光り出す。
「なんで光ってるんですか?」
ロニカは首を傾げながら時音を見た。
「ご、ごめんなさい……」
時音は目を逸らして謝った。
ロニカは見捨てられる事を理解した。
「なんで……助けてください!」
ロニカは涙を流しながら言った。
「……か…………」
ロニカは呟いた。
「そっか、思い出しました……」
突然泣き止んだロニカに三人は不審がった。
「貴方達は私達を何度も、何度も見捨てた……それどころかフェリシアさんを」
ロニカの拳は強く握られ身体が白く光り始めていた。
「逃がさない……逃がさないっ!!」
ロニカは目にも止まらぬ速さで拳を時音に振るがミレイユとガイアによって止められた。
「うぅぅううぅぅうあああぁぁぁーー!!」
地面が揺れヒビはますます拡大していく。
そしてロニカから白い天使の様な羽が生え始めていた。
「なんでぇ、なんで私たちが!!」
「こんなにぃもぉぉー!!」
ロニカの力は段々と強くなっていく。
「くっ」
「うっ」
二人は必死に抑える。
「あああぁぁあぁああぁぁーーーっ!!!」
ロニカの手には光る玉が出現しそれを思いっきり握りつぶした。
その瞬間辺りは白い光に包まれ大爆発を引き起こした。
その大きさは街一つを飲み込むほどだった。
「ロ……ニカ……ちゃん」
フェリシアはその言葉を最後に意識を失った。
どうでしたか!?
実はペンちゃんの存在を忘れがちなのです。
気をつけないとですね。
「その世界は本物ですか?」と
同時進行でやっていくつもりではあります。
今後もよろしくお願いします!!
ところで一話前とかでアレでしたがこの
小説は別にやらしい感じに持ってくつもりは
ないです!!