6.密偵見習いはからまれる
体育の授業後ほとんどの生徒がヘロヘロになりながら食堂へ向かう。
「体育の授業はハードだったわね。さすがに疲れたわ(´-ω-`)」
「そうですね」
さすがの王女もクタクタらしい
「今日の昼食は何かしら?」
「さぁ…見てから決めても良いのでは?」
そう言いながら食堂に入ると声をかけられる。
「おいお前」
振り向くと見知らぬ男子生徒がいた。
「何か用?」
「お前王女の護衛だってな。どこの家のものだ?」
「私は平民よ。家はない」
「ハッ平民だと!?何で平民が王女の護衛をしてるんだ」
「オタ…国王に命じられたから」
「嘘をつくな!国王が騎士団を差し置いて平民に王女の護衛を命じる筈ないだろう!?正体現せ!!」
ないだろうも何も実際そうなのだからそうとしか言いようがない
「そっちがそう思うのは勝手だけど事実は変わらないし、私が王女に危害くわえるような人間ならとっくに国王が気づいてどうにかしてる」
「うるさいうるさい!このスパイめ!!」
そう言って掴みかかってくる。避けるとそのままテーブルに突っこんだ。周囲から悲鳴が上がる
「よくもやったな!」
いや勝手に転んだだけでしょう。
再び向かってくる。さてどうしよう
「はいそこまで。」
「ケイジュ」
男子を取り押さえたのはケイジュだった。
「ちくしょう離せ―――!!」
男子が暴れる。
「落ち着きなよ。周りの迷惑だし王女も困ってるよ?」
「えっ王女様が!?(;゜Д゜)」
いや困ってないだろう。
王女を見ると微笑ましい顔をしている。あれは絶対何か勘違いしている。
男子はケイジュを振り払うと逃げていった
「チクショ―――覚えてろ――――――!!!!」
定番である。とりあえずケイジュにお礼を言う
「ありがとう助かった」
人目のある場所で貴族に手を出すのは難しい。
「どういたしまして。貸し1つだね」
「さっき来たのはそれが目的?」
「一応忠告もあったんだよ?彼が君を狙ってるって」
「何者なの?彼」
「ケイト=アグリモニー。騎士団長の息子で王女が入学する際の護衛候補に挙がってたんだけど、王が強引に君に決定したので君に護衛役を取られたと思ってるんだ」
「逆恨みだわ」
「逆恨みだね」
そう言いながら彼は倒れたテーブルを直す
「せっかくだからこのまま一緒に食事していいかい?」
「いいの?だってあなたは…」
そう言って王女を見る
「姫。よろしければ私もご一緒させていただけませんか?」
「ええ喜んで(*^▽^*)」
3人でテーブルを囲む
「アイリスってばモテモテね」
突然王女が言う
「「は?」」
「だってさっきの子アイリスと仲良くしたくて来たんでしょう?ケイジュ様とも仲良いみたいだし(*^▽^*)」
王女の天然っぷりに頭痛がしてくる
「ええそうです。アイリスとは昔から仲良かったんですよ?でも彼は姫と仲良くしたくて来たんですよ?(*^_^*)」
「そうなの?(´・ω・`)アイリスとばかり話してたのに??」
「いきなり姫に声をかけにくいからアイリスに声をかけたんですよ。ですから今度彼が来たらぜひ姫から声をかけてあげて下さい(*^_^*)」
「分かったわ私頑張る(`・ω・´)」
「……この詐欺師。でも助かったありがとう(小声)」
「貸し2だな、必ず返せよ(小声)」
今度から男子の相手は王女が引き受けてくれるそうだ
今日も学園は平和である