29.密偵見習いはデートする①
スイカ割りの翌日、部屋でウトウトしてるとドアがノックされた。
この気配は……
「ようアイリ…ぶっ!!」
いきなりドアを開けて入って来たケイジュに枕を投げつける
「いきなりご挨拶だな」
「アンタが来るとロクでもない」
奢りにつられて別荘に来るハメになったり、林で悪ふざけされたり…
「まぁそう言うな。ちゃんと奢ってるだろう?」
言いながら枕を放り投げてくる。受け取ってベッドに戻す
「で、今度は何の用?」
「街に出かけ…「断る」」
今度は奢りにつられない、ロクでもない結果が待っているのだ
「まぁまぁ。今度は普通に出かけるだけだよ」
「嘘ね」
この男が意味もなく人を連れ回すはずがない
「本当だよ。もう王女達とは一つ屋根の下なんだからこれ以上ハメる必要もないだろう?」
「…………」
「はぁ~~疑い深いな。まぁ密偵なら当然だが。昨日猪君が言ってたろう?王女が行動で判断するからしばらくお前と仲良くしてた方がいいって。だから誘いに来たんだ。デートでもすればそれらしく見えるだろう」
「やっぱり裏があるんじゃない」
「裏はあるがお前には何もしない。ただ一緒に街をぶらつくだけだ、簡単だろう?今回もちゃんと奢るぞ」
「………」
「嫌ならいいさ。精々1人、部屋で空腹抱えていればいい」
「どういう意味よ」
ベッドから起き上がって問いかける
「ここに来る前にコック達に言っておいた「アイリスと2人で出かける、昼は街で食べるから用意しなくていい」ってね」
「何ですって!」
「そろそろ昼食の準備に入るからな。今から撤回しても間に合わないかもしれないぞ。さてどうする?」
「…………行くわよ。仕度するから出てってちょう、だい!」
言葉と同時にゴミ箱を投げつける
間一髪躱された。そのまま笑いながらドアから出ていく。
あぁ腹立たしい、精々高いものを食べまくってやろう
仕度して部屋を出るとケイジュが待っていた。
「さぁ出かけようか」
「…本当に何もしないんでしょうね?」
「もちろん」
手を差し出してきたので繋いで歩く
こいつと手を繋いで歩くなんて子供の頃以来だ
「アイリス……とケイジュ様(;´・ω・)」
振り向くと王女が立っていた
「こんにちは姫。これからアイリスと2人で出かけてきます(#^^#)」
「……行ってきます」
「……行ってらっしゃい」
そのまま別荘を出る
「…王女に見せつけたかったのね(-_-)」
「協力感謝するよ(#^^#)」
これでますます王女は疑惑を深めるだろう…いや確信するかもしれない。婚約破棄は勝手だが不貞の相手として巻きこまれるのはこっちなのだ
「奢りだけじゃ不満だわ、お土産も頂戴(-_-)」
「了解(;^ω^)」
次は王女&猪男視点です




