閑話⑧.腹黒は暗躍する①
アイリスと天然が入学して数か月経った。
それなりに楽しくはあったが、そろそろ婚約破棄に向けて本腰を入れたいと思う
駒は揃ったし事前に種も撒いておいた。
そろそろいいだろう
「こんにちは姫、どうしました?(#^^#)」
まずは天然に声をかける
「ケイジュ様…夏休みアイリスと一緒に出掛けようと誘ったのだけど…断られてしまって…(=_=)」
「誘ったというのは毎年恒例の避暑ですか?(#^^#)」
「はい(=_=)」
国王一家は毎年避暑と称して家族で数日別荘に滞在する。婚約が決まってからは俺も同行させられている
海と山にそれぞれ別荘があるがどちらにするかは毎年家族で話し合って決めてるらしい
「あぁなるほど。だったら誘わず連れてくればいい(#^^#)」
「え?(;´・ω・)」
「アイリスの意志を確認していたらいつまでたってもムリですよ?本気で誘いたいなら強引に連れ出して事後承諾するしかないです(#^^#)」
「でもそんな事して怒らないかしら?(;´・ω・)それに友達も常に一緒にいる訳じゃないと言ってたし…」
「アイリスならよほどでない限り怒るのも面倒がりますよ(#^^#)それに外出先で友人に偶然会ってそのまま遊びに行くというのはよくある事です」
「なるほど~~(;´・ω・)」
「アイリスを連れてくるのは私がやりますよ。姫は行き先を決めておいて下さい(#^^#)」
「…分かりました。あの、ケイジュ様はアイリスが来て嬉しいですか?」
「もちろん嬉しいですよ、人数が多いと楽しいですしね。ああそうだせっかくだからチューリ嬢達とケイト君も誘いましょうか?(#^^#)」
「!はい(*^▽^*)」
天然はすぐに乗って来た。嫌いな女だがこういうところは扱いやすくていい
さて次はケイト君とチューリ嬢に声をかけないとな
夏休み当日俺は久しぶりにアイリスの部屋を訪ねた。
アイリス、いや密偵の住居は城の一角に集団で部屋を割り当てられてる
目立たない場所にあるせいか人の行き来もあまりなく堂々と行き来できる
コンコン
ノックをしても返事がない、しかし気配はある。居留守か
(どうせ開けるのも面倒とか思ってるんだろうな)
任務とかなら呼び出される。自室にくる時点で私用だとわかっているのだろう
待つのもムダなので勝手に開けて入る
「ようアイリス」
案の定面倒くさがるアイリスをエサで釣って何とか連れ出す
まずは買い物だな。
数日滞在する予定だ、アイリス用の服を買わないとな
色々見繕って適当に買う。どうせ支払いはオタク王持ちだ
サイズはレナから聞いてある。アイリスの制服を調べたようだ
ある程度買った後、昼近いしアイリスの空腹が限界のようなので適当な店に入る
(相変わらずよく食うな)
密偵は任務によっては数日絶食する事もあるので(もちろん最低限携帯食は持つが)食べられるときに食べるのは基本だ
「ご馳走様、それじゃ」
食べるだけ食べてさっさと帰ろうとするアイリスをすぐ捕まえる
「おっと待った、奢った分付き合ってもらうぞ」
逃げないよう捕まえたまま王が用意した馬車を呼び2人で乗る
「…どこに行く気なの」
「もうすぐわかる」
さっきからこの調子で躱している
こいつの事だ、言ったら絶対逃げるだろう
とはいえそろそろ限界か、目に見えてイラついてきている
「ねぇいい加減…」
「ホラついた」
馬車が止まったので扉を開く
「暑い」
アイリスらしい第一声だった
「ハメたわね」
アイリスが睨んでくる
ようやく気付いたか、でももう遅い
奢りにつられたお前が単純なだけだ
アイリスは王女達に囲まれてウンザリした顔で見てくる
これで役者は揃った
さぁ始まりだ
腹黒は何をするのか…




