表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
密偵見習いに指令「ざまぁを阻止せよ!」  作者: 一発ウサギ
第一部・密偵見習いは学生になる
35/259

閑話⑤正しい選択

~マリア視点です~


「ふぅ…」

アイリスの病室のドアを閉めて私は今日もため息をつく

先日アイリスは私が原因で怪我をしてしまった。

その事件はもう解決したのだけどその時アイリスに「考えなしを直せ」と言われた

確かに私は思いつきで行動ばかりしていた。

今までは周りがフォローしてくれてそれを空気みたいに当たり前に思ってた。

でもその結果がこれだ。このままではいけないと思う。


でもどうすればいいか分からない。

そもそもアイリスの事もよく分からない。知ってるのはお父様が選んだ私の護衛だというだけだ

アイリスは「うかつではあるが悪いのは別の人だから謝らなくていい」というが私は謝りたいし、それ以外どうすればいいのか分からない

アイリスの言う通り考えなしを直せばいいのだろうが、どう考えてもあの時アイリスを置いていくなど出来ないと思う。でもその結果アイリスは怪我をした。間違っていたのだろうが置いていくのも正しくない気がする…ああいう時どうすればいいのだろう?

「どうしました姫?病室の前で」

「あ…」

気が付くとケイジュ様が目の前にいた

アイリスのお見舞いに来たようだ

「ごめんなさい、通行の邪魔でしたね」

「いえ、構いませんよ?姫もこれからお見舞いですか?」

「いえ、私は終わったところです。それじゃあ…」

「それじゃあ一緒に行きませんか?もう1度お見舞いでもいいでしょう(#^^#)」

「え?あ…(;´・ω・)」

ケイジュ様はさっさとドアを開けてしまう

ケイジュ様はいつも優しいけどたまに強引な時もある


「来たのケイジュ…王女も?」

「やぁアイリス、元気そうだね」

「退屈よ、ある意味元気じゃないわ」

「ハハハ(*^▽^*)」

2人が楽しそうに話している

いや、笑っているのはケイジュ様でアイリスはいつも通りだけど

何だかモヤモヤする…先日の事件でケイジュ様はアイリスが人質になっていると知っていて犯人達を追い詰めてた。もしあれで犯人達が逆上してアイリスに危害を加えられたらどうする気だったのだろう

その事を考えるたびにモヤモヤする

ケイジュ様はアイリスの幼馴染と言ってたけど心配じゃないのかしら?


「ケイジュ様、お話があります。ちょっといいですか?」

お見舞いの後私はそう言って彼と一緒に学園の裏庭に行った

「どうしたんですか?姫」

「ケイジュ様はどうしてあの事件の時アイリスが人質になっていると知っていて犯人達を追い詰めたのですか?もしそれでアイリスに何かあったらどうするつもりなんですか?」

ケイジュ様はキョトンとした顔をした後「何だそんな事か」と言われた

ムッとする

やっぱり心配してないんだ、幼馴染なのにあんまりだ

「アイリスは護衛として来てるんです。あの程度の連中にやられたりしませんよ?」

「え?」

今度は私がキョトンとする

「アイリスの腕は知ってます。あれぐらいでやられたりしません、むしろ1人ならどうとでもできます」

「で、でも万一という事も…」

「あり得ませんし万一があったとしても私はあの時と同じく犯人を追い詰めますよ。それが1番です」

「そんな、アイリスの事を考えないの!?アイリスがどうなってもいいの!?」

「アイリスの事を考えているからこそ犯人達を捕らえる事を最優先するんです」

「え?」

「アイリスなら自分を庇われて犯人を逃がしたり護衛相手の足枷になるなんて怪我より苦痛に感じるでしょう、それぐらいなら死んだほうがマシだと考えるでしょう」

「そんな!」

「たとえアイリスを気にして一緒に犯人に捕まったり貴方に庇われてもそれはアイリスのためにはなりません。アイリスの誇りと心を傷つけるだけです。姫、正しいと思うことを行なうのはもちろん大事ですが結果や周囲の影響を考えて行動するのも大事ですよ?」

「…………」

そうかもしれない

私はアイリスを置いて逃げるのが嫌だっただけ、罪悪感を感じたくなかっただけだ…

モヤモヤしてたのは自分の方がアイリスの事を考えてる筈なのに、ケイジュ様の方がアイリスと仲良く見えてヤキモチを焼いてたんだ…どちらに対してのヤキモチかは分からないけど

そう答えが出るとストンと納得できた


「ありがとうございますケイジュ様。ケイジュ様はアイリスの事を信じているんですね」

「まぁ幼馴染ですし、付き合いは長いですからね」

「お2人はどういったご縁なんですか?」

「アイリスの母は私の亡くなった母の先輩だったんです。その縁で幼い頃共に過ごしました(#^^#)」

「まぁ…だから仲が良いんですね(*´ω`*)」

「まぁそれもありますけど…」

「え?」

「姫、もし私が本当はアイリスが好きだとしたらどうします?(#^^#)」

「え?(゜o゜)」

「冗談ですよ、冗談(#^^#)」


ケイジュ様が笑いながら立ち去る

ケイジュ様は冗談だと仰ってたけど何だかちょっと気になった







正しい行動=1番良い結果とは限らない

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ