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密偵見習いに指令「ざまぁを阻止せよ!」  作者: 一発ウサギ
第一部・密偵見習いは学生になる
33/259

15.密偵見習いは授業参観する⑦

~ケイジュ視点~


「では皆さんお疲れ様でした。食堂に歓迎会の準備が出来てますのでそちらに移動しましょう」

学園長の号令に従って生徒達がぞろぞろと移動する

教師達もお花畑を引きずって移動する。悲鳴が聞こえるが皆お構いなしだ

「学園長、申し訳ありませんが傷の治療をしたいので私は欠席させていただきます」

アイリスが学園長に言う

「そうね。貴方のお蔭で大事は免れたわ。こちらは気にせず行ってらっしゃい」

「はい」

「アイリス私も付き添うわ(´・ω・`)」

「いえ大丈夫です。王女もお疲れでしょうからお気になさらず」

「でも…」

「今の私では満足に護衛できません、皆さんと一緒にいて下さい」

「そうしましょう姫」

俺もアイリスに口添えする

「…わかったわ」


本来の予定では体育の授業の後「来て下さった外部の方をもてなす為の歓迎会」という名目で貴族と教師生徒達の交流会が行われる筈だった。

ここで貴族達が目星を付けた生徒、教師達に勧誘や援助の話を持ちかけるのだ。

また普段厨房を預かる料理人達にとっても貴族に声をかけられる唯一の場だ

今その歓迎会ではせっかくの料理を皆、物も言わずに黙々とつまんでいる。ある方向を睨みながら。

昼休みから準備に追われていたので昼食もあまり食べられなかった上、あの騒ぎで駆けずり回ったり精神的な負担をかけさせられたのだ。緊張の糸が切れた途端怒りと空腹感を感じても無理はない


ぐううう~~~×4


緊張感のない音が響き渡った


そういやコイツら濡れ衣着せるための裏工作やら誘拐監禁で駆けずり回ってたから昼食を食べていない筈だ


「あ、あの~~~~すみません…俺たちにも食事を……ヒィッ!」

「「「「「「「「「「あぁ!?(# ゜Д゜)」」」」」」」」」」

鬼の形相で見返す生徒と教師達

「「「いえ…何でもないです……」」」

諦めてヨダレを垂らしつつ我慢する男3人


「こんなのおかしいわ!?私達だって生徒よ!何で縛られたり食べさせて貰えなかったりするのよ!?酷いわ、イジメよ!差別よ!(>_<)」

どの口が言うんだか

そこへ


ヒュッ!!


ダンッ!!!!!


花畑女の顔のすぐ横に包丁が突き刺さった

ハラハラと数本の髪と共に頬に一筋の傷が走る

「……………」

真っ青になって震えるバカ女


厨房から目を血走らせた料理人達が数人出てきた

「お前らに食わせる料理はない!分かったか!!!!!(# ゜Д゜)」

「「「「は、ハイ………」」」」


怒り心頭なのは生徒や教師だけではなかったようだ

料理人にとっても千載一遇のチャンス、特に今回は国王自ら来ると聞いて材料を厳選し入念に準備をして腕を振るったのだろう

残念。どうせなら髪の数本じゃなくバッサリ落としてやればよかったのに


その後、歓迎会が終わるまで4人は部屋の隅でひたすらヨダレを垂らしつつ腹の音を鳴らしていた



料理があらかた無くなり夜になった頃学園長が皆に声をかける

「さぁさぁ皆さん。食べた後は運動をしなければ…ねぇ?( 一一)ジロリ」

「そうですね。何せバカ共のせいで体育の授業も潰れたし体を動かさないといけませんねぇ( 一一)」

「ええ。私も昼から冤罪をかけられたり色々ストレスが溜まってますから…発散しないと美容に良くありませんわ(#^ω^)」

生徒たちが次々に声を上げ、中には昼間冤罪をかけられたサンベリア伯爵令嬢もいた(どうやって手に入れたのか両手一杯に手榴弾を持っていた)


「「「「うひぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!」」」」

アホ共が怯える


「待って下さい学園長」

俺は制止する

お花畑共が救いを求めるような眼で見る、鬱陶しい

「どうしたんですか?ローレル会長。まさか見逃すという訳じゃありませんよね?」

学園長が疑問の表情で見てくる

誰が見逃すものか、思い知らせてやる


「もう日も暮れましたし休みたい生徒もいるでしょう。特に王女様は昼間色々ありましたし、寮に戻られた方がよろしいかと。あとここはテーブルや食器もあり運動には不向きです。ここから先は希望者のみ場所を移動して運動する事にしませんか?」

「そうですね。さすが生徒会長、良いところに気付きましたね。では疲れた方は寮に戻りゆっくり休んで下さい、お疲れ様でした。他の方は校庭に移動しましょう(*^▽^*)」

「「「「「「「「「「はーい(*^▽^*)」」」」」」」」」」

もちろん王女以外寮に戻るものはいない

念の為王女を寮まで送っていく


「ケイジュ様運動って?今から大丈夫なの?(´・ω・`)」

「大丈夫ですよ。姫はお疲れなのですからゆっくりお休み下さい(#^^#)落ち着かないようでしたらレナにお茶を入れてもらってもいいし、少しならアイリスの顔を見に行かれてもいいでしょう。お休みなさい姫」

この天然に居られては邪魔だ。安易にお花畑達を庇いかねない

「分かったわお休みなさい(*´ω`*)」


そして俺たちは真っ青を通り越して真っ白になったお花畑達を引きずって移動する



その夜校庭に4人の悲鳴(たまに爆音)が一晩中響き渡った…



その後お花畑達は実家からも絶縁され、退学にもなりかけたが「退学だけはご勘弁を」と言うのとまだ怒りが収まらないという一部の生徒の言により「用務員兼奨学生」という名の学園専属雑用係として関係者全員から扱き使われる事になった



次はちょっと本編お休みして閑話です

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