15.密偵見習いは授業参観する②
あれ以来ケイジュは不機嫌のようだった
話しかければ普通に対応するがどこかそっけないのだ
(まぁいいや、ほっとこう)
昔からケイジュはよくわからないところがあった。いきなり不機嫌になったり、かと思えばいつの間にか機嫌が直ってるのだ
「リアン!俺はお前との婚約を破棄しこのルビアと…」
ドゴーン!!!
「きゃ~~~(>_<)」
「うわ~~~~(>_<)」
今日もアルスト先生の地雷で飛んでくバカ2人
「よく飛ぶな~~」
「た~~まや~~」
もう周りもすっかり慣れた
見回り強化が効いたのか、ざまぁ族はほとんど見かけなくなった
そうして参観日がやって来た
「いよいよ参観日ね~緊張するわ~~(´-ω-`)」
「王女の所には陛下が来られるんでしたね」
普通国王自ら来たりしない
貴族は直接来る場合もあるが、王族は代理をたてるものだ
「お父様がどうしても私の普段の姿を見たいって言うの(´・ω・`)」
あ~言うだろうな
「アイリスの所は誰が来るの?(*^▽^*)」
「私は誰も来ません。母は仕事で遠方ですし」
事実だ。母は情報収集で他国に行っている
「あら~~寂しくない?(´・ω・`)」
「いえ別に」
いつもの事だ
「じゃあ私がお父様にアイリスも見てくれるよう頼んでみるわ(*^▽^*)」
「は?」
「そうすればアイリスも寂しくないでしょう?」
「いえ元から寂しくないです」
「遠慮しなくていいのよ(*^▽^*)お父様~~」
「あ、ちょっと待って下さい(;゜Д゜)」
王女はあっという間に人に紛れていった…
授業参観は年2回、春と秋に行われる
午前中は教室で授業を行い、午後は体術を披露する
午前の科目はその時々で変わる。噂では先生達がクジ引きで決めるらしい
今回は歴史だった
「………」
「………………(⦿ω⦿)」
メチャクチャ見られてる…正直怖い
周りの人間や歴史の先生も国王がガン見してるせいで金縛り状態だった
緊張しすぎて授業が頭に入らなかった
キーンコーン
「あ~~やっと終わった~~~」
ようやく金縛りから解放された
次は昼食後に体育の授業だ
「アイリス、お父様。よろしければお昼をご一緒しませんか?」
「いえ、遠慮「おお、いいぞ!親子仲良く昼食を食べようじゃないか!!!!!(*^▽^*)」
「………」
決定のようだ
「マリア、アイリス、学校はどうだ?(#^^#)」
「毎日楽しいです。お友達もたくさん出来ました(*^▽^*)」
「ぬかりなく護衛を務めています」
「そーかそーか(#^^#)2人とも毎日元気に楽しく過ごせて何よりだ」
「………」
楽しいとは言ってない
「2人ともこれからも仲良くな(#^^#)」
「はい!(*^▽^*)」
やたらテンション高い国王と王女の間で話は終了した
午後の授業の前にクーバー先生に声をかけられた
「あ、2人ともちょうどよかった。午後の授業に使う備品がちょっと足りないのだ、倉庫に行ってとってきてくれないか?」
「「分かりました」」
校庭の隅にある倉庫に向かう
「うわ~~真っ暗、どこにあるのかしらね」
「探してみましょう」
倉庫には体育用具以外にもいろいろ置いてありごちゃごちゃしている
「……?」
奥から人の声がする
「体育の授業の後あの女を断罪する、準備はいいか…」
「あぁ…偽の証拠も用意したし、あの女のカバンに彼女の持ち物を紛れ込ませた…これで盗人として追放できる…」
「………」
「アイリス、これって…」
どうやらお花畑が動き出したようだ
これは先生に教えた方が良いだろう
「王女お静かに。すべきことは分かりますね?」
「勿論よ!任せて(*^▽^*)」
「え?」
突然王女が走り出す
「誰だ!?」
「貴方達の悪だくみは全て聞いたわ!!大人しく観念なさい(`・ω・´)」
「「なっ!王女!?」」
頭が痛い
何てことをしてくれるのだこの天然は
仕方ないので飛び出す
「アイリス!」
「王女、私が何とかするので人を呼んで来て下さい」
「くそっ!もう1人居たのか」
「相手は女2人だ、取り押さえろ」
1人が向かってきたので足払いをして体勢を崩したところを投げ飛ばす。
更にもう1人が向かってきたのでナイフを投げて怯んだところを殴りつける。
「凄いわアイリス(*^▽^*)頑張れ~~~」
王女はすっかり傍観している
「王女、人を呼んで来て下さいと言った筈ですが?」
「あ、あぁそうだったごめんなさい(;´・ω・)」
「そこまでだ」
「!」
「きゃっ!」
新たに現れた2人の男女が王女にナイフを突きつける
「王女の命が惜しければ大人しくしろ」
「……」
最悪だ。
私と王女は縛られ体育倉庫に捕らわれた
主人公ピンチ?