20.密偵見習いは〇〇になる④
ギリギリ間に合った(*´Д`)
目を開けると、真っ白な天井が見えた。
「……?」
起き上がって周囲を確認する。
どうやら病院のようだ。
(確か私は、あの女に刺されて…)
そこまで考えたところで、病室のドアが開いた。
「あ、アイリス気づいたのか」
入って来たのは、ケイジュだった。
見舞いに来たようで、花束を持っていた。
「今目が覚めたところよ、ところで…」
そこまで言いかけたところで、再びドアが開いた。
「アイリス!気づいたのね、よかった~~」
「心配したのよ!アンタ出血酷かったし、中々目を覚まさないし!」
「お見舞いですぅ~」
「気がつかれてよかったです」
王女やチューリさん達が入って来て、一気に騒がしくなった。
意外な事に3馬鹿やバカ女もいた。
「君達…まずは僕が様子を見てくるから、ちょっと待っててくれって言った筈だけど?」
呆れたような困ったような顔でケイジュが言うと、皆が言い返す。
「だって心配でしたし~~」
「一応知り合いだし」
「話し声が聞こえたから、あぁ気がついたんだなと分かったので…」
「起きたのなら大丈夫だと思って」
ケイジュはため息をつくと「病院だから静かにね」と、言った。
その光景を見て「あぁいつもの光景だなぁ」と、ホッとして笑った。
皆でお見舞いのケーキを食べながら、雑談をしていると嵐が飛びこんできた。
「会長、遅れてすみません!あ、お義姉さん気がつかれたんですね、良かった!!」
一気にまくしたてながら、猪男が飛びこんできた。
「ぶっ!」
私は顔から、ケーキに突っこんだ。
「あぁっ!大丈夫ですか?お義姉さん!」
呆気にとられる私に、猪男が駆け寄りハンカチを差し出す。
ありがたく借りたが、問題はそこじゃない。
「ちょっと…お義姉さんって、どういう事よ…」
動揺しつつも何とか尋ねると、猪男が鼻息荒く言った。
「いや~~まさか貴方が陛下のご息女だったとは!陛下のご息女なら、王女様の姉!ひいては俺の義姉にもなります!これからよろしくお願いします、お義姉さん!!!!」
「………………え?」
頭が考える事を拒否しつつ、返答を求めてケイジュを見ると、ケイジュは困った顔をした。
「実はな、お前が刺された後『王族でもない人間を王宮付きの医者に診せるなど、特別扱いが過ぎる』『町まで運んで町医者に診せればいい』と貴族連中が猛反対してな。それでキレた陛下が『アイリスは儂の娘だ!』と宣言して押し切ったんだ」
ケイジュから返された言葉に眩暈と頭痛を感じてると、追い打ちがやって来た。
「まさかアイリスが私のお姉さんだったなんて、嬉しいわ。これからよろしくね、お姉様」
「アンタがオタク王の娘だったなんてね…やっぱり将来は、オタクになるのかしら?」
2人の言葉にとどめを刺され、私は気絶した。




