19.留学生は断罪される(前)
長くなったので分けました。
「ユーリス=タカーリ嬢。貴方が王女を虐めたという訴えがあるのだが?弁明があるなら聞こう」
卒業パーティでいきなり、生徒会メンバーに私は糾弾された。
周囲がどういう事だと、ざわついている。
驚いて目を見開くと、生徒会の連中に交じってバカ王女がいた。
(訴えたのはあの女か…奴隷の癖に生意気な!)
罵りたいが、そんなことをすれば事実だと気づかれてしまう…ここは悲劇の乙女ぶってやり過ごすしかない。
(後で思いっきり躾け直してやる!)
そう心に固く誓いながら、泣きそうなふりをしながら反論する。
「酷いです!そんな証拠も無しに言いがかりを…。私と王女は友人なんですよ?そんな事、するわけないじゃないですか!」
泣きそうな顔で大声で叫ぶと、周囲の連中も騙されて同調してくる。
「会長…彼女は優しく、周囲に気づかいのできる人です。何かの間違いじゃないですか?」
「そうですよ!彼女がそんな事する筈ありません!」
「王女様の勘違いでは?」
「再調査して下さい!」
1人が声を上げると、次々に声が上がった。
生徒会メンバーも大半が周囲を見回して、戸惑っている。
「残念ながら、証拠はあるんだ…アイリス」
「はい」
会長が呼ぶと、1人の女生徒が出て来た。
(確かバカ王女の護衛だったわね)
四六時中王女の側にいて邪魔だったので、王女を孤立させる時真っ先に追い払った奴だ。
護衛女は前に出てくると、持っていた本を大声で読み始めた。
「〇月×日:今日はバカ王女と一緒に街に買い物に行った。途中いくつかの店で掘り出し物を見つけたので、買わせた。一度目当ての品が被った。「せっかくだからお揃いにしましょう」と言って来たので「私の真似をする気?」と言って、諦めさせた。落ちこんでる姿が不愉快なので、人を不快にさせた慰謝料として、身に着けてたアクセサリーを全て寄越させた。荷物が多くなったので持たせたが、ずっと下を向いたままなので、人気のない場所に行って、2~3発躾けて笑うよう命じた。全く私に物を献上できたばかりか、荷物を持たせてもらって光栄に思うべきなのに、何と言う不心得者だろう」
護衛女が読み終わると、周囲の人間が私から一歩引いた。
「言っとくけど筆跡鑑定は済んでるから『書いた覚えはない』は、通じないよ」
会長の言葉に、周囲がさらに数歩下がる。
(マズイ)
内心私は、焦った。
よりにもよってこのタイミングで私の日記を、持ち出してくるとは。
「ちょっとそれ、私の空想日記じゃない!酷いわ私の物を盗んだばかりか、そんな言いがかりをつけるなんて!」
あくまで『現実ではない』としらばっくれた。
「空想?」
「そうよ!王女とちょっとケンカした時に、憂さ晴らしで書いたのよ!空想で何を書こうが勝手だし、盗んだ物なんか証拠にならないわ!」
「へぇ~空想ね…。この日記最初から最後まで、王女に対する暴力が書かれてるんだけど、そんなに毎日ケンカしてたのかい?」
「そ、それは……日付は適当に書いただけよ。1ページだけじゃ怒りが収まらなかったから、一気に書いただけよ」
これはちょっと苦しいが、他に言い様がない。
どうせここを乗り越えられれば、後は皆忘れるだろう。
そう考えて弁明から、反論に出た。




