9.生徒会は作戦を立てる
「不自然?身分証明は本物だと、聞いてますけど…」
「マナーや振る舞いも高位令嬢のそれですし、ヒモト国の地理にも詳しいし、身分詐称はないかと…」
ケイジュの発言に、チューリさんとリージアさんが反論するが、ケイジュは穏やかに否定した。
「いや身分は疑ってないんだ。ただ仮にも王族が留学するのに、護衛やメイドの1人もついてないのは、おかしいと思ってね」
「「「「「「「「あ!」」」」」」」」
言われてみれば、その通りだ。
「前に王宮で歓迎の晩餐会が開かれた時も、国の事はよく話したけど、家族については言いたくない態度だったしね」
苦笑いしながら、ケイジュが付け加える。
「つまり…どういう事ですか?」
分からなかったらしい、ミーレさんが尋ねてくる。
ケイジュが苦笑いのまま、説明する。
「つまり事情があって、国にいられなくなったんじゃないかなって事。もっと具体的に言えば、お家騒動とか、国で犯罪をやらかしたとかね」
「え、すると犯罪者かもって事ですか?」
チューリさんが驚く。
「まぁそうだけど…お家騒動の方が、可能性高いかな」
ケイジュの言葉に皆一瞬、目を見開いて黙りこむと一斉に喋りだした。
「優秀で姉王女と国の為、継承権を放棄してウチに留学してきたんですよね?」
「でもそれって、留学生がそう言ってるだけよね?嘘?」
「てことはやっぱり、お家騒動?下剋上狙ったのか?」
「確かに、そっちの方がありそうだ」
「いやその場合は、処刑でしょう。留学なんておかしいわよ」
「犯罪なら絶対ゆすり、タカリ、詐欺のどれかね」
「下剋上は、男のロマンなんだけどなぁ~」
(一部関係ない台詞もあるが)予想外に話が大きくなって、収拾がつかなくなった。
「皆落ち着いて、はい深呼吸」
ケイジュに言われて、皆深呼吸した。
「じゃあ落ち着いたところで改めて。ともかく裏がありそうだから、確かめてみよう」
「どうやって?」
聞いてみると、あっさり答えが返って来た。
「まずは姫の身近な関係者…ケイト君と陛下に聞いてみようか」
「分かりました、まずは猪に聞いてみましょう」
チューリさんが、同意する。
それに皆も頷いた。
こうして作戦は決まった。
生徒会は今日も、業務とかけ離れた活動をしています。




