閑話㉕臨時役員達の井戸端会議⑤
それぞれ役割を決めてから数日後、私達は困り果てていた。
「困ったわね…」
「そうですね…」
私のつぶやきに、リージアも同意する。
前回意気込んだはいいものの、全員全く成果が無かったのだ。
①リージアとミーレの証言
「レナさん。単刀直入に聞きますが、最近王女様に怪我とか痣とかありませんか?」
「恐らくあるでしょう」
「「恐らく?」」
「最近王女様は、着替えも入浴も全て1人で行われます。手伝おうとしても、凄い勢いで拒否されます」
「凄い勢いって…」
「恐らくいじめで暴力を振るわれて、脅されているのでしょうが、本人が拒否してる以上こちらからはどうしようもありません。とりあえず陛下に報告はさせていただきました」
「「そうですか…」」
現時点で出来る事が無いと知った2人は、黙りこむしかなかった。
②3馬鹿の証言
「いや~留学生ってどんなかと思ったけど、明るくて良い子だなぁ~」
「俺この間、うっかり足怪我した時、保健室まで付き添ってくれた」
「忘れ物した時に、貸してもらったわ」
「気さくでしっかり者で、ステキよね。王女様もいつも一緒にいるし、少しは見習ってほしいわ」
「え、虐め?まさかぁ~。むしろ王女様がうっかりやらかして、迷惑かけてそうだ」
「どうせ王女様が、注意を虐めと勘違いしてるんだろ?あはは」
「「「………」」」
反論したいが、説得力のある推論に3人は言い返せなかった。
③チューリの証言
「王女様、貴方留学生に虐められてるんじゃないの?」
「……そんなことないわ…」
「そんな虚ろな目と暗い声で言ったって、説得力ないわよ!大人しく白状しなさい!」
「うるさいわね!放っといてよ!」
「何やってるんですか!お帰り下さい!」
癇癪を起こした王女にカップを投げつけられ、レナに追い返され、チューリはそのまま退場するしかなかった。
「「「「「「「………」」」」」」」
全員打つ手なしで、もはや言葉もなかった。
「留学生の演技力、ハンパねぇな…」
「どれだけ猫被ってんだよ…」
「面の皮10cmくらい厚いんじゃないか?」
「もう諦めるしかないのかな…」
「腹立たしいけれど、証拠が無ければどうしようもないです…」
「そんな…」
皆が諦めムードだ…でも私は諦めない!
「こうなったら…このままケイジュ様に報告するしかないわね!」
ムリヤリ状況を打破すべく、拳を握り締めて立ち上がる。
「えぇ?証拠も無しに、マズいんじゃないですか?」
「下手したら、国際問題になりますよ?」
「証拠はないけど、根拠はあるわ。バ…フランの証言もあるし、レナも陛下に虐めがあると報告してるし…」
とはいえちょっと後が不安なので、語尾が小さくなる。
そんな私を見越したのか、リージアとミーレが私の拳に手を乗せる。
「分かりました。皆で行きましょう」
「全員で当たれば、少しは信用してもらえるかもしれません」
「もちろん私も行くわよ、こんなところで躓いてられないわ。私の将来の為に!」
フランも手を乗せてくる。
ちょっと振り払いたかったが、空気を読んで我慢する。
そこに3馬鹿も加わる。
「よし、こうなったら一蓮托生だ!皆で行こう!」
3馬鹿の1人のかけ声に皆が賛同した。
「「「「「「おう!」」」」」」
ブックマーク減った(ノД`)・゜・。




