7.学園は祭りを行う④
凶暴な小悪魔もとい、迷子の子供達の世話を三馬鹿に押し付けて、私とケイジュは当初の見回りに戻った。
「どっと疲れたわ…」
「お疲れアイリス、昼も過ぎたし何か食べるか?」
気を遣ってるのか、ケイジュがどこかに入ろうかと勧めてくる。
「食事もいいけど、怒鳴りっぱなしで喉が痛いから飲み物がいいわ」
「お疲れ様。あぁ少し先に軽食店があるな、そこにしよう」
ケイジュが苦笑しながら3軒先の店を指したので、言われるままついて行った。
「あ~~疲れた」
注文を聞いたウエイトレスが離れるなり、テーブルに突っ伏す。
行儀が悪いが知った事じゃない。
「よっぽどお疲れのようだな」
上からケイジュの呆れたような声が降って来たが、顔を上げる気力もないので無視する。
文句がある奴は、あの悪魔どもの相手をしてから言えと言いたい。
「迷子を預かる場所を作らなかったのは失敗だったな、来年の課題だ」
「それよりも、年齢で入場制限をした方がいいんじゃないかしら?」
料理が来るまで突っ伏したまま、ケイジュと来年の対策について話し合う。
預り所を作っても、子守役が犠牲になる。それよりは「面倒みられないなら、連れてくるなよ」と子供の入場制限をかけた方が早いと思う。
「確かにその方がいいかもな…まぁそもそも、来年も祭りがあるとは限らないんだけどな」
「あったとしても、私もアンタも来年にはいないしね」
「それもそうだな」
2人してさじを投げた。
そうこうしてる内に料理が運ばれてきた。
仕方ないので顔を上げる。
「あ~腕を上げるのもしんどい」
せっかくの料理だが、スプーンを持つのも億劫で、ひたすら飲み物ばかり飲んでいる。
「重症だな、年寄りみたいだぞ」
「全体重かけて両腕からぶら下がられたら、多分誰でもこうなるわ」
奴らはまるで枝にぶら下がるサルのように、人の腕にぶら下がって中々離れなかったのだ。
ぼやいてると、ケイジュが何かを思いついたかのような顔でスプーンを取ると、料理を掬って差し出してきた。
「ほら、あ~ん」
「……」
考えるのも面倒で、そのまま口を開いて飲みこむ。
ちょっと驚いたような顔をしたが、そのまま何事もなく、次々スプーンで掬っては差し出してきた。
そう言ったやり取りを何回か繰り返し、ある程度疲れが取れて空腹がが落ち着くと、周囲の視線がこちらに向いているのに気付いた。
「あ」
よくよく考えてみれば、ケイジュに「はいあ~ん」されるなんて、どこぞのバカップルみたいな事をしている事にようやく気づいた。
(人前で何やってるんだ私!)
一気に顔が赤くなる。
私の反応に気づいた事がわかったのか、ケイジュが更に愉快そうな顔でスプーンを差し出してくる。
「も、もういいわ!」
耐え切れずに、起き上がってスプーンを奪うと、とうとう堪えきれないというようにケイジュが大笑いした。
どうにか間に合った…_(:3 」∠)_




