7.学園は祭りを行う②
学園祭当日。
「いらっしゃいませ~」
「お2人様ですね、こちらにご案内します」
私達のクラスは喫茶店になった…というか去年の授業参観で料理に目覚めた生徒達が続出して、たいていのクラスが飲食店になった。
とはいえ同じ店ばかりあってもしょうがないので、メニューを他クラスと被らないようにする事で、出店の許可を出した。
ちなみに被ってないかのチェックも生徒会が行なったので、余計な仕事が増えて皆でウンザリしたものだ。
「フルーツサンド2つとアイスティーですね」
オーダーを受けて、厨房に伝える。
何だか一年の時を思い出すが、今回は王女もいないので大丈夫だろう。
「お疲れ様。そろそろ交代の時間だから、上がっていいよ」
「わかりました、失礼します」
客が途切れた頃を見計らって、休憩に入る許可が出た。
ウエイトレス用の衣装を着替えて、教室を出る。
「まずはお昼かな」
昼時を過ぎたがまだ昼食を取っていないので、適当な店を見て回る。
すると前方からケイジュがやってくるのが見えた。
向こうも気づいたようで、片手を上げながら笑顔で挨拶してくる。
「やぁアイリス、手が空いてるようだね。良かったら僕と一緒に…」
「良くないから、断るわ」
みなまで言わせず、一刀両断すると、笑顔が苦笑いに変わった。
「いつも通りで何よりだが、良くなくても付き合わないか?昼食まだだろう?奢るよ」
「分かったわ」
報酬付きなら、やぶさかでない。
こうしてケイジュについて行くことになった。
「ところで何してたの?」
「校内の見回り兼昼食。人が多いとどうしたってトラブルは起きるし、個人的にも祭りは楽しみたいしね」
「なるほど」
人がごった返してる中を、手をつないで歩いて行く。
「ところでどうして手をつないでるの?暑いから離してほしいんだけど」
先ほど人にぶつかりそうになったのを、上手く避けてくれたのはありがたいが、その時からずっと手をつないでるので、正直手のひらも汗ばんで来てて嫌だ。
「お前ホント雰囲気ぶち壊しだな…まぁいいや。人が多くて危ないからな。はぐれやすいし、この方がいいだろう」
最初の方が小声な上、周囲の声でよく聞こえなかったが、理由は分かった。
「手の平が汗かいてきて、嫌なんだけど」
「適当な場所を見つけるまで我慢しろ、飲み物もつけてやるから」
抗議したが、受け流された。
仕方ないのでそのままにした。
密偵見習いは今日も鈍感です。
目標:アイリスとケイジュに学園祭デートさせる!(`・ω・´)




