閑話㉑.臨時役員達の井戸端会議
チューリさん視点です。
「そういえば、次の国王って誰がなるんだ?」
ある日の放課後、生徒会室で休憩してると、3馬鹿の1人が突然言い出した。
ちなみにケイジュ様とアイリスはいない。役員会議に出席中で留守だ。
私や3馬鹿達は生徒会の業務を手伝っているとはいえ、あくまで「臨時」で正式な役員ではないのでお留守番だ。
「え?」
突然の発言に、皆が一斉に発言した馬鹿を見る。
「いや…この前花壇の草むしりしてた時に、通りすがりの生徒達が話してたから…」
注目されるのに慣れてないのか、発言した奴が少し焦ったように言う。
「誰かって…ケイジュ様じゃないの?」
私の発言を、リージアが否定してくる。
「いえ私も噂で聞きましたけど、ケイジュ様を養子にするか、ケイト=アグリモニーを婿養子にして跡を継がせるか、クリス王子を跡継ぎにするか、揉めているそうです」
「あのバカに国を継がせる!?」
一番選んではいけない選択肢だ!
「私もその選択はちょっとどうかと思いますが…陛下もお歳ですしクリス王子は幼いし、娘婿に跡を継がせるのは、一番順当な相続ではあります…」
困り顔でリージアが言う。
「その代わりに国が滅びますけどね」
ミーレが、的確なツッコミを入れる。
「あと少し気になるのですが…この前留学してきた王女を養女にして、跡を継がせるという話もあるそうです…」
「「「「「「はぁ!?」」」」」」
リージアの予想外の発言に、皆がビックリする。
「何で他国の王女が、出てくるのよ!」
「「「全くだ!王家と全然関係ないじゃないか」」」
珍しく3馬鹿と意見があった…とはいえ、これは誰もがそう思うだろう。
「それが…王女様の推薦だそうです。『自分なんかよりはるかに優秀だから、養女にして跡を継がせてくれ」って、国王様に仰ってるそうです」
「「「「「「はぁ!?」」」」」」
またもや皆ビックリだ。
「いや確かに、留学生が優秀で皆に優しくて好かれているのは、噂に聞いてるけど…」
「王女より優秀な人なら、いっぱいいるだろ」
「いくら何でも縁もゆかりもない相手を、次期国王にするなんて…」
「あり得ない(わよ)(だろ)(です)!!」
「確かにあり得ないんですけど…王女様曰く『ケイジュ様も王家の血を引いてないのに、養子になろうとしている…血筋より能力優先なら、留学生にも資格があるんじゃないか』と…」
困惑気味に言うリージアに、皆も困惑する。
「いくら天然とはいえ…何でそんな事思いついたんだか」
「最近様子がおかしいそうだから…熱でもあるんじゃないのか?」
「変なものでも食べたとか?」
「あ、そういえば!」
ミーレが、突然何か思い出したように言う。
「噂を聞いたんですけど…王女様と猪君、上手くいってないみたいですよ?」
「「「「え、そうなの?」」」」
「えぇ。何でも王女様が猪君を、遠ざけようとしてるとか…」
「「「えぇ~~~~」」」
(あれだけ人前でイチャついてたのに、どうなってるの!?)
「これは国の一大事!ひいてはケイジュ様の一大事よ!」
拳を固めて決心する。
「ケイジュ様のためにも、この問題を解決するわよ!」
大声で宣言すると、リージアとミーレも同意する。
「そうですね、ちょっと気になります」
「将来の国王は、私達も無関係じゃないですしね」
「よし、頑張りましょう!」
「「はい!!」」
3人で団結してると、横から無粋な声がかかった。
「あの~~それって、俺達も手伝うの?」
「何か面倒くさいんだけど…」
「他人の恋愛事情なんて、凄くどうでもいい…」
いかにも面倒くさそうな顔した3人が、声をかけて来た。
「何言ってんの!自分達が将来仕える相手よ!?よく知らない相手に任せてどうするの!」
力説したが、それでも馬鹿はやる気を起こさなかった。
「え~~別に直接かかわる訳じゃないし…」
「ましてや人の恋路に口出しして、馬に蹴られたくない…」
仕方ないので、奥の手を出す。
「アイリスとケイジュ様に言いつけるわよ!!!!」
「わかりました!!!!」
途端に敬礼して、返事する3人。
(ふっ効いたわね)
この3人を連れて来たのがアイリスのせいか、アイリスには逆らえないようだ。
何故かケイジュ様にも逆らわないが…そこはやはり生徒会長としての威厳だろう。
とりあえず、各々調査してみることになった。
臨時役員達は今日も退屈してます。




