4.役員狩り③
お待たせしました<(_ _)>
「さぁて、どうしようかな~」
とりあえず保健室を出て、いったん生徒会室に戻る。
当たり前だが、生徒会室には誰もいなかった。
自分の鞄を探り、中から目当ての物を取り出す。
それを制服の下に隠しながら、生徒会室を後にした。
1時間ほど校内を歩いてみたが、やはり目ぼしい相手はいなかった。
(まぁ当然か)
そもそも生徒会に入りたがる人がいるなら、選挙で立候補している。
仕方がないので、ある場所に向かった。
「よぉ~し出来たぞ!特製ランチだ!」
バカの1人が、得意そうにお子様ランチを掲げている。
「「おぉ~~」」
残りの2人も驚愕と称賛の目で見ている。
そこに声をかける。
「お久しぶりです」
「わぁ!ビックリした」
「久しぶりだな~」
「あ、聞いてくれよ。あれ以来食堂の料理人達とも打ち解けて、色々教えてもらってるんだ。料理って意外と楽しいよな~」
突然の登場に驚きつつも、笑顔で無防備に近づく3人。
「………」
そこに無言で近づくと、持参した縄で素早く縛り上げる。
「「「うわ、何だ!?」」」
「久しぶりですね、3馬鹿」
そこには家庭科の授業参観以来の、3馬鹿がいた。
「「「3馬鹿言うなよ!!!!」」」
「縄で縛られて、言う事がそれですか」
(普通は『何で縛るんだ』とか、『いきなり何をする』とか言うところでしょう)
1年経っても、バカはバカだとある意味感心した。
「それで何で俺達を縛るんだ?」
生徒会に向かう道中、最初に縛った馬鹿が聞いてくる。
「生徒会の人手が足りないんです、それで手伝ってもらおうかと」
答えた途端、逃げようとした。
もちろん許さず、縛り上げた縄の端っこを引っ張ると、見事に転んだ。
「何で逃げるんです?」
「逃げるに決まってるだろ!」
「俺達はノーマルなんだ!」
「変態ハーレム入りはしたくない!」
起き上がりながらも、悪態をつく。
「心配しなくても、生徒会の仕事を手伝って貰うだけです。ハーレムは関係ありません」
3人はこちらの返答に、少し考えるそぶりをした後、首を振って拒否した。
「いや、やっぱりダメだ!」
「一緒にいると、同類だと思われる!」
「しかも密室だし!」
言うと同時に、足も止めてしまった。
私1人で、3人もの男を引き摺って行くのは無理だ。
「…仕方ないですねぇ」
私がため息をつくと、諦めたと思ったのか、3人の顔がパッと明るくなる。
そんな3人に向けて、私は秘密兵器を取り出した。
「これ、有効ですよね」
3人に1枚の紙を突きつける。
「「「!!」」」
そこにはこう書かれてあった。
『授業参観の材料提供と引き換えに、一生下僕になります』
「な、何だこれは!」
「俺達がサインした時とは、内容違うぞ!」
「俺達がサインしたのは『一生かけて返済します』だった筈だ!」
(お花畑の癖に、よく覚えてたわね)
感心しきりだ。
内容を確認した後、3人がこっちを睨んでくる。
「お前さては、内容書き換えたな!」
「何の事でしょう?」
その通りだが、認めるわけにはいかない。
「何て悪辣なんだ!」
「この悪魔!」
「酷い言いがかりですね、証拠もないのに」
言いながら、念書を懐にしまう。
昨年3人に材料提供する際に「こいつら相手に口約束は危険だ」と、念のため書かせたのが役に立った。
「大体『一生かけて返済します』にしろ『一生下僕になります』にしろ、どのみち私の言いなりにならなきゃいけないんだから、どっちでも同じでしょう。さぁサッサと歩いて下さい」
そう言うと、納得したのか観念したのか、ノロノロと歩き始めた。
(やっぱり馬鹿だ)
『一生かけて返済』と『一生下僕』は似ていても違う。
前者は無期限だが返済さえすれば自由の身、だが後者は文字通り一生ものだ。
馬鹿すぎて使えるか心配だが、いないよりはマシだ。
3人の下僕を連行しながら、悪魔は上機嫌で歩いていた。
3馬鹿の名前考えるの忘れてた…




