2.転入生がやってきます
「転入生?」
「そうなの~。私も今朝お父様から聞いたんだけど、前々から交流していた近くの島国からやってくるんですって~」
「そうなんですか」
進級が一段落したとある日のお昼休み、私と王女とチューリさん達とケイジュと猪男…まぁつまりはいつものメンバーだが、昼食をとっていた。
別に一緒に食べる必要はないのだが、クラスが別々になり「寂しいから食事くらい一緒に取りましょう~」という王女に押し切られた。
ちなみに私とケイジュはBクラス、王女と猪男はAクラス、チューリさんとリージアさんはCクラス、ミーレさんは何と驚いたことに一学年下だった。
「あぁ、その話なら父上から聞いてます。帝国との戦争も一段落したので、本格的に交流を図り貿易に力を入れると」
ケイジュが言うと王女も相槌を打つ。
「えぇ、それでやってくるのは、私と同じくらいの王女様なんですって~。楽しみね」
「え!まさか貴方みたいに、天然じゃないでしょうね」
王女の発言に、チューリさんが慌てたように口を挟む。
「もう、チューリさんってば~。私は天然じゃないって言ってるのに、中々覚えてくれないんだから~」
王女が「メッ!」とでもいうように口を尖らせるが、皆無言で受け流した。
「それでね、お父様が私に「転入生に色々教えて仲良くしてあげてくれ」っておっしゃったの。私頑張るわ~」
王女の言葉に猪男も同意する。
「そうですね。王女様同士仲良くなれば、両国の懸け橋になれます。及ばずながら、俺も頑張ります」
「ありがとう~」
そう言って互いに手を握り、見つめ合う2人。
「「「「「………」」」」」
私達は無言で場所を移して、食事を再開した。
「あ、しまった」
食事を再開してから、肝心な事を聞きそびれた事に気づく。
「どうしたのよ?」
チューリさんが聞いてくる。
「転入生がどんな人か、聞いてなかった」
クラスが別となり行き帰りと昼休みしか一緒にいないとはいえ、王女の護衛は続行中だ(ちなみにそれ以外の時間は、猪男が護衛している)
場合によっては転入生も護衛するかもしれないし、聞いておくべきだった。
「あぁそれなら知ってるよ。歳は姫と同じで、名前はユーリス=タリーカ。東の島国ヒモト国の、元第2王女だ」
「「「「元第2王女?」」」」
皆がハモる。
ケイジュが頷いた。
「うん何でも優秀な妹王女だそうで、優秀過ぎて姉の第一王女より次期女王にふさわしいという一派が出て来たらしい。それで国を割らない為に自ら継承権を放棄して、王家から除籍したそうだ」
「殊勝な心掛けね」
大した人格者のようだ。
「そう言う人が一緒なら、王女にもプラスになるわね」
「良い事です」
「お友達になれるといいです」
「そうですね」
ケイジュの言葉に、皆が頷く。
新しい始まりに、皆が期待した。
学園は今日も平和です。




