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密偵見習いに指令「ざまぁを阻止せよ!」  作者: 一発ウサギ
第2章.密偵見習いは進級する
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19.王国上層部は帝王の恐ろしさを知る

王国に到着すると、縛り上げた帝王を連れて3人で謁見の間へ行く。

「入れ」

「失礼します」

中に入ると、オタク王と宰相、それに王妃とケイジュも揃っていた。

「帝王を連れてまいりました」

「おい、起きろ」

代表でジョーンズさんが帝王を宰相に引き渡すと、宰相が帝王を起こした。

「う、う~ん…ハッ、ここは!」

気がついた帝王が辺りを見回し、状況を把握したようだ。

ちなみに手の縄は宰相が解いたが、足はまだ縛られてるので逃げられない。

もっとも解いたとしても、これだけ大勢の前で逃げられないだろうが…

「ここはショークブツ王国だ。お前には人質として兵を引かせた後、敗北宣言してもらう」

宰相がニヤリと笑いながら言う。

(おぉまるで悪役みたいだ)

普段温厚なだけに、ビックリだ。

さすがは宰相と言ったところか。

すると帝王はフンと鼻を鳴らすと、居直った。

「殺すならば殺せ!王座や命を失っても誇りは失わぬ!それが王というものだ!」

帝王の言葉に、周囲は困ったように顔を見合わせる。

(困ったな…本当に殺すわけにはいかないし、帝王に敗北宣言してもらわないと、終わりだ)

籠城で時間を稼ぐにも限界がある…戦力ではどうあがいても勝ち目はない。人質作戦が失敗なら万事休すだ。

どうしたものかと皆が考えてる中、1人だけ違う反応をする人がいた。

「そ、そのセリフは!」

「陛下、危険です」

王が宰相を押しのけて、前に出た。

「王の誇りとは国や民を守る事!民を置いて一人で逃げようとする者に、王の資格はない!」

王が意味不明なセリフを吐くと、今度は帝王が目を瞠った。

「そ、そのセリフは!」

「フフフ…」

驚く帝王に王は懐から何かを取り出し、天高く掲げた。

『覇王伝④~骨肉の争い~』

すると帝王も無言で懐から何かを出した。

『覇王伝⑧~天下統一の道~』

「「「「「「……………」」」」」」

(何だか嫌な予感がしてきた)

内心恐々とする全員を尻目に、王と帝王は盛り上がっていた。

「さっきの台詞、カッコよかっただろう~?いやぁ~一度言ってみたくてなぁ~」

「あぁ、〇〇のシーンだろ?いやぁ儂もあのシーンは大好きでなぁ~。やっぱり王者はああでなくてはな~」

「だろう?儂も憧れててなぁ~。即位の数日前にこの本を見つけてな、天命を受けたのじゃ。やはり王なら…いや、男なら天下統一を目指すものじゃろう~」

「おぉ同志よ!」

感極まったオタク王が、帝王と抱きしめあう。

(何が「同志よ!」だ)

こっちは「どうしよう!」だ。

頭を抱えながら周囲を見ると、ケイジュやジョーンズさん達も頭を抱えていた。

宰相に至っては床に座りこんだまま、両手で顔を覆って泣いていた。

「もう嫌だ、こんなオタク共…宰相辞めて、田舎に引っこみたい」

気持ちはよくわかる…私も泣きたい。

つまり数十年に渡る帝国の侵略は、領土拡大でも、食糧不足を補う為でもなく、1人のオタクがオタク気分の赴くまま、行われたものだったのだ。

どうにも気持ちのやり場がつかないので、愚痴をこぼせそうな相手のところに行く。

「知りたくなかったわね…」

「あぁ…こんな恐ろしい相手は初めてだ」

「そうね…」

はぁ~~とケイジュと2人深くため息をついた。

視線の先ではバカ2人が、まだ盛り上がっていた。


オタクは今日も元気です。




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