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密偵見習いに指令「ざまぁを阻止せよ!」  作者: 一発ウサギ
第2章.密偵見習いは進級する
201/259

12.密偵見習いは聞きこみ調査する

猪男1人では、参考にするにはまだ足りない。

放課後になるのを待って、聞きこみを開始した。


証言①天然王女

「王女、愛って何だと思いますか?」

「う~ん、愛かぁ…」


5分経過

「う~ん」

「……」


10分経過

「う~~ん」

「………」


15分経過

「あの王女、そろそろ…」

「う~~んそうねぇ………愛って何なのかしら?」

首をかしげる王女。

アイリスは苛立ちを覚えた!

アイリスの忍耐力が200上がった!


「何やってるのよ、アンタ達」

振り返ると、毎度おなじみチューリ嬢たちがいた。

「「こんにちはチューリさん達」」

「「「こんにちは2人とも」」」

挨拶をすますと、早速チューリさんが聞いてくる。

「それで?何やってたのよ」

「愛について聞いてました」

「「「愛!!!!」」」

何故か3人ともビックリする。

「愛の何を聞くっていうのよ」

「う~ん何と言えばいいか…どんな気持ちが愛なのかなぁって」

改めて言うと、変な感じだ。

良い機会だ、3人にも聞いてみよう

改めて3人に向き直る。

「3人にとって『愛』ってどんな気持ちですか?」


証言②チューリさん

「そうねぇ…相手に尽くしたくなる気持ちかしら?」

「尽くしたくなる?」

「そうよ、相手に喜んでもらいたくなるの」

何故かふんぞり返って鼻を鳴らしてくるが、これは参考になりそうだ。

少なくとも王女よりマシだ。

次に後ろの2人に目を向ける。


証言③リージアさん

「私は…そうですねぇ。相手を見つめていたくなる気持ちでしょうか?」

「見つめていたくなる?」

「はい。目が合うとドキドキして平静でいられなくなるけど、目が離せなくて遠くから見ていたいと思うんです」

「う~ん」

やけに具体的だ。経験があるのだろうか?

考えながら、最後の1人に目を向ける。


証言④ミーレさん

「うーんと、私はですねぇ…反射的な気持ちかな?」

「反射的…ですか?」

「うんそう。笑いかけてくれるとこちらも笑い返したくなるし、優しくして貰えたら、更に嬉しくてこちらもお返しをしたくなる、そんな気持ち」

「なるほど」

一通り意見を聞いたので、考えてみる。

…と思ったら、今度はチューリさん達が聞いてくる。

「何でそんなこと聞いてくるのよ」

「いや…愛ってどんな気持ちなのかなぁって」

改めて言うと、ちょっと恥ずかしい。

手をモジモジさせると、3人が何故か驚いた顔で見てくる。

「アンタ恋してるの?」

「相手は誰?」

「もう付き合ってるんですか?」

「い、いえ恋してるとか、付き合ってるとかじゃなくて…ちょっと気になって…恋とかよくわからないから…」

何だか恥ずかしすぎて、顔を合わせられない。

赤面しながらそっぽを向くと、嫌な視線を感じた。

顔を戻すと3人がニヤニヤ顔で見ていた。

「つまり気になる相手がいて、自分の気持ちが良くわからないと」

「初めての経験で、気持ちに判断がつかないと」

「甘酸っぱいですねぇ~」

3人が更にニヤニヤしている。

聞く相手を間違えたかもしれない。こうなったら早く会話を打ち切るしかない。

「そう言う事なら私に任せなさい。こう見えても恋愛のエキスパートよ」

自信満々にチューリさんが、胸を叩く。

仕方ない。ここまで来たら、乗りかかった舟だ。

「それで?アンタは相手に対して、どんな気持ちになるの?」

(私がケイジュに対して…)

頭の中で想像してみる。

「私は…」

「「「私は?」」」

「殴りたくなります」

「「「はぁ?」」」

私の言葉に3人の眼が点になる。

「笑顔を向けられたり、優しくされると…殴りたくなります」

「「「何で!?」」」

驚愕の目を向けられる。

(そんなに変な事言ったかな?)

「こう…背筋がぞわぞわして…居ても立っても居られないというか…」

そう言うと3人が顔を突き合わせて内緒話を始めた。

「これってどう思います?」

「ツンデレかしら」

「それともS?」

「う~ん」

少し離れた場所でコソコソしてる3人を眺めていたが、話し合いが済んだのかこちらに戻ってくる。

「まぁ…それも愛情表現の一種だと思うわ」

「変ですけどね」

「気の迷いかもしれませんしね」

「結局どっちなんですか」

曖昧な状態というのは落ち着かない、白黒はっきりさせたい。

「『好き』と思うなら好き、何とも思わないなら恋じゃないわよ」

そう言うと3人は、教室を飛び出していった。

何とも言えない気持ちのまま見送ってると、背中をつつかれた。

振り向くと王女が立っていた。

「あのねアイリス、恋する気持ちって人それぞれだと思うの~。だからアイリスがその人と接して、恋だと思うならそうだと思うわ」

「………」

言うだけ言うと王女は、そのまま帰り支度を始めた。


その夜、自室にて昼間の出来事を思い返す。

(王女にしてはまともな意見だったな)

確かに3人とも答えが違っていた。

なら私は私の答えを出そうと決意した。

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