10.猪男は笑撃の事実を知る④
ブックマーク一気に減っちゃった…(>_<)
「ちびっこめ、もう許さん!」
我に返った俺は憤慨した。
元から怒ってたけど、これは悪質だ。
俺の尊敬する会長を汚すなんて!
俺達の純粋な先輩後輩の絆を汚すなんて!
「ちびっこって…チューリさん達の事?…許さないって何を許さないのよ」
冷静に言ってくる平民女に返事する。
「あぁそんな名前だったか…じゃなくて!あいつら、俺と会長が恋仲だと母上姉上のみならず、学校中に言いふらしたんだ!」
すると平民女は呆れた視線を投げてくる。
(何だ?何でそんな目で見るんだ?)
「チューリさん達は言いふらしてないわよ…噂が広まってるのは王女が宣言して、アンタが認めたからよ」
「は?」
思わず目が点になる。
何だこいつは。何言ってるんだ。
「何言ってるんだ。俺は会長と恋仲だなんて一度も言ったことないし、王女様だって俺と会長が恋人だなんて言ってないだろう」
俺の言葉に平民女は深くため息をつくと、視線だけでなく呆れた表情で説明をしてくる。
「去年のスノーナイトパーティで王女が何て言って婚約破棄を宣言したか覚えてる?」
平民女の言葉に記憶をたどる。
「え~~~と確か…『アイリスを幸せにするから』と…」
「違う!いやそれも言ったけど、肝心なところが抜けてる。正しくは『貴方のような二股かける見境のない方とは婚約できないわ!アイリスは私が幸せにします!貴方もケイトさんとお幸せにどうぞ!!』よ!」
「何!?」
俺は驚愕する。
「会長二股かけてたのか!?」
(一体いつの間に!?)
俺の驚きを平民女が冷静におさめる。
「王女の勘違いよ。ケイ…会長も否定してたでしょう?」
「え?そうだったか?」
正直あんまり覚えてない。
王女様が破棄宣言したのと、皆が動揺してたのしか…
そう言うと平民女がまたもため息をついた。
「とにかく否定してたのよ。それに対して王女が前に家庭科室で、アンタが家庭科室で会長を押し倒したのを言ったのよ、覚えてる?」
「あぁそれは覚えてる。お前がドアを開けないようにしたせいで、勢い余った奴だろう」
「そうよ、だから何?」
平民女が腰に手をやって、偉そうに言う。
「………」
若干皮肉を込めて言ったつもりだが、図太い平民女には通じなかった。
「とにかくそれに対してアンタ何て言ったか覚えてる?」
「え?え~~と…お前とのドアの開け閉めに夢中になって、勢い余った…」
「違うわよ!『俺が会長を押し倒してしまったんです、悪いのは会長じゃありません俺です』『平民女との勝負に夢中になって、興奮して押し倒してしまった』『体の勝負で、どちらが上か勝負していた』『俺が勝ったが、勢い余って会長を押し倒してしまった』よ!」
「あ~~そう言えばそうだったような…でもそれが?」
これのどこが俺が広めたって事になるんだ?
すると平民女が腕組みをして、こちらを睨んで言う。
「いい?あの時点で三角関係だのハーレムだの言われてたのよ?そんな状態で上の台詞を言われたら、噂が本当だと思われるじゃない!」
「???何でそうなるんだ?」
サッパリわからない俺に、平民女が苛立たし気に足を踏み鳴らすと説明する。
「ここまで行っても分からないアンタにハッキリ言ってあげる。『俺が会長を押し倒してしまったんです、悪いのは会長じゃありません俺です』は「アンタがケイジュに欲情して押し倒してしまった、ムリヤリ関係を始めたのは自分です」、『平民女との勝負に夢中になって、興奮して押し倒してしまった』は『閨の勝負で、どちらが床上手か勝負していた』、『俺が勝ったが、勢い余って会長を押し倒してしまった』は「勝ったアンタが喜びのあまりケイジュに欲情して、そのままケイジュを押し倒して行為に及んだ」と皆に思われているのよ!」
言っているうちに怒りを思い出したのか、またも苛立たし気に足を踏み鳴らす。
だが俺には平民女の言葉が耳を素通りしていった…
え…
え~~と…俺のせい…?
呆然自失のままかろうじて思った事を口にする。
「結局…今は…どうなってるんだ?」
平民女はこちらを睨みながらも答えてくれた。
「色々派生して飛び交ってるからわからないけど、共通なのは「私とアンタがケイジュを賭けて一騎打ちをし、勝ったアンタとケイジュが喜んでその場で一線を越えて、晴れて名実ともに恋人同士になり、蜜月の日々を送り、負けた私は傷心の王女と恋人同士になった」よ!」
「何!お前王女様に手を出したのか!?」
「噂の話でしょう!」
言った瞬間、強烈な一撃を食らった。
平民女が怒鳴った。
正直顔も心も痛い…どうしようか
とりあえず殴られた頬を冷やすことにした。




