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独断と偏見を多分に含んだ「本の薦め方」

作者: Sencho


 本は高い。こう言うと実際に書いている方や売っている方には怒られるかもしれないが

ちょっと前までは単行本サイズの本ならば一冊ワンコイン、500円で新品が買えたような

気がするが、主に本を買い漁っていた中学、高校生時代は500円どころか高いと7、800円

していて、とても何冊も買えるような状態ではなかった。

 それでも僕は特に中学生時代は手に入ったお金はすべて単行本に変え、今もその本はたまに読み返す良い財産になっている。

 その原因というのは記憶に新しい方も中にはいるのではないかと思うが、「朝読書」なるものである。

 知らない方に説明すると、登校して1限の授業が始まるまでのホームルームの時間内、もしくはホームルーム直後に10分~15分の時間が設けられ、各々持参した図書を読みましょう。というものである。僕はこの「朝読書」に中学生になってから出会ったのだが、小学生の時から非常に活字が駄目(読めてもマンガ程度)周囲の友人は当時「ウォーリーを探せ」や「デルトラクエスト」等を借りる事が多く(表紙が偉いキラキラしていて派手だった。実際に読んでいたかは分からない)、読書がひどく苦手だった僕は読みもしないくせに読んだフリをして間に絵本や歴史マンガなど比較的読むのに苦労しなさそうな本を挟んで借りていた記憶が強い。

それでも小学校高学年になれば少ないページをかろうじて読むことができたが、それでも本一冊300ページほどの文字数のそこまで多くない本ですら読むのに1週間程度は掛かっていた。

 

 それはさておき、中学生で半強制的に読書に向き合うことになった僕はとりあえずどうしたかというと、読む本(ここで言う本は個人的に中学生が学校で取り出して読んでいても馬鹿に見えなさそう&教師に見つかっても読書の枠を外れなさそうな本)を手元に一冊も持っていなかったため、朝読書の公表があってから慌てて少額を握りしめ友達数人と本屋へと向かいました。

 もちろん中には小学生時代からちゃんと読書をする人もいましたが、そこで僕含め数人はある出会いをした。


 『ライトノベル』というジャンルの本である。

中にはここでライトノベルを持ち出すと「うわぁ……」とか蔑みの目や奇異の目を向けられかもしれないが、当時その場に居た男子中学生数人はそういう趣味は持っていなかった。

 むしろ逆で僕なんかは中学生にもなってアニメとか……なんて思っていたような人間である。

 本屋自体も「とらのあな」や「アニメイト」等のどこかの誰かに優しい本屋ではなく、

「紀伊國屋書店」や「くまざわ書店」等の純文学なども扱うような大手の一般的な本屋だった。

 当時の店員さんの趣味もあったのかもしれないが、マンガコーナー同様ライトノベルコーナーもそこそこ取られており、僕自身そのコーナーを奇異の視線で見ながら冷やかし半分でそのコーナーに踏み入った。


 あえて言うが別にライトノベルへの賛美ではない。あくまで読書の優しい入り口の一つとして提示しているだけである。

 ライトノベルと一般書(ライトノベルやマンガ以外のこと)との大きな違いは物語がマンガ同様1巻で終わらないことが多いことでそれは棚を見れば明らかだった。

物によっては20巻などと連載マンガの単行本並に並ぶ作品も少なくなく、当時の僕は半分馬鹿にするような気持ちで一般の小説とライトノベルを1冊ずつ購入したのであった。


 僕がライトノベルを読むにあたって最初に思ったのは、【文字が異常に少ない】こと【会話文の異様な多さ】である。

 僕のような読書をしない人の「本」というものは、起こっている事象すべてを文字化してその上で登場人物が文字上で動き回るというものなのだが、一概には言えないがライトノベルの背景の文字描写の文字数なんて大したことがないと感じることが多い。その分登場人物がセリフで動いているという感覚が強い。

そのため説明や背景描写はあれどその割合はとても低く、会話文が非常に多い。

 ページびっしりと文字が蔓延るような文章が読めない当時の僕にとてもあっていた。

それは同じように読書が苦手な友人にもウケて、瞬く間に僕はライトノベルを買い集める生物になってしまった。

そこまで文字数は多くないけど一般書並みのページ数で読んだ気になれる。

これは読書が苦手な人にとって非常に自信になる。

買い漁れば買い漁るほど自分の中で「もっともっと」となる。こうなれば晴れて読書家。

 そうなったら今度は先述したが、文字数の多い一概には言えないライトノベルに手を伸ばす。


 しかし、こういうやり方は僕的にもおすすめはしない。金銭的に厳しい学生にこれはお金がかかりすぎる。

こういうときにはネットの活用だ。クオリティはお金を取る商業に比べれば差が激しいが、それでも量はある。幸いネットに流れるような作品は基本的にライトノベルを意識するようなテーマだったり設定だったり書き方が多い(特にこのサイトは顕著に)。

 こういうサイトを使うときはランキングからタイトルだけで自分の勘を信じて選ぶと良い。結局読むのは自分だから順位によって感じる面白さが比例するとは限らない。

大体本一冊300ページ10万字と言われているのでそれを目安に自信をつけると良いと個人的には思っている。


 最後に、もし君が周囲から読書家だと思われていて一冊本を薦めてくれと言われたら、

 「本屋に行け」もしくは「一緒に本屋に行く?」と言ったほうが今後その人のためにも自分のためにもなると個人的には思っている。

 本もできれば本人に選ばせたほうが良い。アドバイスはしない。ジャンルも問わない。

買ったあとはできれば1、2週間まって、その後どんな話だったか気になる風に聞いてみるのが良いと思う。

読んでいなければ貸し出す。と思っている。

読んでいてもわからなければ聞いてくると思う。

内容を具体的に把握していて面白かった、もしくは退屈だった。と言われたら初めてあなたが本を薦めるチャンスだと思う。

あなたの読書人生の中で面白いと思える一冊を。


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― 新着の感想 ―
[良い点] Senchoさん、こんばんは!自分の好きな本を押しつけるのではなく、本屋に行かせてでもその子が好きな本を見つけるようにしむける。なかなか優しいですね。読んでいて人柄が伝わってくるかのようで…
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