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短編 ホラー

平成奇怪譚録 〜夜中の電話〜

作者: 遠智 赤子


俺が高校2年生のときの話です。

まだLINEとかなくて携帯はパカパカするタイプのときのことです。


当時は勉強なんかそっちのけで部活ばっかやってました。テニス部に所属してたんですけど、練習がまぁキツい。とにかく拘束時間が長くて夏休みはお盆と雨の日以外は練習だ!って朝の7時に家出て夕方の6時に帰るってのを繰り返してました。


そんなもんだからいっつも家帰る頃にはヘトヘトで、シャワーも浴びず一回寝落ちするなんてことはよくありました、いま思うと汚くて考えられないですよね。



その日も部活から帰ってご飯も食べず部屋行ってカバンもそのまま机に投げてクーラー入れてベッドで横なってしまいました。


で、俺の当時のベッドは二段ベッドの下がなくてそこに机を入れた感じのやつでロフトみたいなタイプでした。これが天井に近くてまた暑いんですよ。

でも気付いたらこの日もすぐ寝てたみたいなんです。


ところがいつもと違うことが起きました。


携帯が鳴ってる音で目を覚ましたんです。夜中の3時頃でした。でも携帯探してもないんです。いつもは枕元で充電してるんですけどカバンに入れっぱで机の上にあることに気付きました。


それで正直、着メロの設定でかけてきた相手も誰かもわかって、当時付き合ってた女の子なんですけどわざわざベッド降りて下行くのダルくて切れるまで放置してました。


でも、鳴り止まない。


おかしいなと思ってしょうがなく降りてカバンから引っ張り出して出たんです。


「どうしたん?なんかあった??」


と俺がきくと彼女はめちゃくちゃ怒っていました。


「え、なんなん?!私が心配してんのに!」


と会話になりませんでした。


「かけてきたのY美やろ?」


「だから大丈夫なん?!」


「なにが?」




「だから! さっき私にメールしてきたやん!」



「??」


俺はよくわかりませんでしたが、彼女が言うにはさきほど俺からメールが届いてたらしい。

いやいやいや、待って。

携帯カバンの中やし、なんならベッドの下の机のとこやったし。

とりあえず彼女には寝ぼけてたって謝って電話は終わりました。

それで恐る恐るメールボックスの送信済みをみたら



さむい


と一言だけかかれたメールが彼女に送られてました。

今はスマホに変えましたが、今でも携帯のなかに消せずに残してあります。


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