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いったい何が起きたんだ
どこからか声がする。
「……ッ、…ナッ!ミナッ―――!」
姉ちゃんの声だ。
目の前が真っ暗だ。
…あぁ、目をつむっているからか。
ゆっくりと目を開けていく。
少しずつ視界が明るくなってきた。
姉ちゃんが逆さに見える。膝枕されているのか。
「ミナッ!ミナああぁぁぁ!」
どうやら俺はあのまま気を失ってしまったらしい。
だんだん目が冴えてきたのだが、目の前には姉の顔がある。それもところどころ傷ついていたり汚れていたりで息も荒い。
「生きてたああああぁぁぁぁ!よかったああああぁぁぁ………グスッ……」
バフッ…ボヨンッ
「……ぇちゃ……ん、」
あれ、なんか声がうまく出せない。よくバトル系アニメで見る死に際の悪役のような声だ。
ズキッ\\
「…かはっ!……」
体のあちこちが針で刺されるような痛みに襲われる。拍子に姉ちゃんの膝から転げ落ちてしまった。
い……痛ぇ!!
めちゃくちゃ痛い!なんだこれ!うがああああああ!
「がはっ……ごほっ、かっ……」
やべぇめちゃくちゃ痛い……あぁぁ……意識が、薄れて……
再度、俺は気を失ってしまった。