表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ドングリの世界で  作者: 梨野夏
3/13

2・ころころ

2話です。イチが、ピンチになります!

 「わあああぁぁぁぁぁぁあああーーー~~~~っっっっっっ!!」


 転がるボクは、(さけ)ぶ。


 地面に落ちた衝撃(しょうげき)に続き、休む間もなくボクは(スーパー)高速(こうそく)坂道(さかみち)を転がって行く。スピードは、落ちるどころか、どんどん速まっていく。


 「あああぁぁぁああああああ~-~-~-~-~-~-~-!!」


 目の前に(いし)(せま)ってくる!

 やばいっ。

 ()げなきゃっ。


 「あ”あ”あ”ぁぁぁぁぁっ~~~~~~~~~~~~~~~~!!」




 ゴツンッ




 あわわわ#”$%&’!♪♤@*x・・・・・・・。


 頭がグラグラするぅ。

 うえっ。

 世界は、マワッテルぅ~・・・。


 (おそ)ろしい()き気と、痛みに(おそ)われ見えなかった世界は、徐々(じょじょ)(カラー)を取り戻し、姿を現す。



 「・・・・・・ここは?」


 辺りに広がる、(みどり)。ところどころが()()()まっていて、(あざ)やかなまだらになっている。

 しかし、ボクの周りだけ、透明(とうめい)()き通った液体(えきたい)が広がっている。

 時折(ときお)り、()()が落ち、きれいな波紋(はもん)が出来る。



 そう、ここは―――――――池。

 ボクは池に()いている。





 ボクは池にはまってしまった!!


 



 これじゃあ、某童謡(ぼうどうよう)のまんまじゃないかぁっ。

 いいの?これで。


 ボクって、なんて不運(アンラッキー)なんだっ! 



 某童謡(ぼうどうよう)なら、ここで、救世主(どじょう)(勇者)が現れるはず。



 おーいっ。誰か助けに来て!

 さみしいじゃん。


 おーい、救世主(どじょう)ぅ~・・・。




 ・・・()わったな、コレ。

 どじょうや、早く!


 下をのぞいた。

 ボクは、池の底を、のぞい(・・・)た。


 「ひぃっ」


 怖い!怖い!怖い!怖い!怖い!怖い!怖い!怖い!怖い!怖い!怖い!怖い!怖い!怖いって、コレ!

 これじゃ、木の上とほぼ同じじゃん!?浮いているっ、ボク、浮いているよっ。


 いや、浮いてるのは、当たり前なんだけど。


 なんせ、池の水は、()(とお)って底が見えるほど。

 なのに、底が見えないっ!矛盾(むじゅん)が起きているぅっ。



 この池、むちゃくちゃ深い!



 底がぁっ、暗い、見えない。まさに、底無(そこな)(いけ)だ!!





 「Help(ヘルプ) me(ミー)ィ~~~~っ!!!!!!」


 大事なので、何度も言おう。

 ボクは、極度(きょくど)高所恐怖症こうしょきょうふしょうなんだ!

 例え、火の中、水の中。



 「助けてぇぇぇぇーーーーーーーーーーーーーっっっっっ!!!!!!」



 静かな森に、ボクの悲鳴(ひめい)がこだました。



==========================


 ころころころ・・・と 転がって



 ついた先は



 深くて 暗い 池でした



 たった一つの どんぐりは



 助けてくれと さけぶのに



 小さな 小さな どんぐりの



 (こえ)は (だれ)にも (とど)きません



 やがて そのどんぐりは



 あきらめて



 (しず)かになって いきました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ