V2・息継ぎ ブレス2(一旦休憩)
青々とした葉を身にまとう木々。セミの鳴き声。
コナラの木の枝の上に、明るい朝の光が差し込む。
ここは、若いどんぐりたちのための学校。
とはいっても、ボクらは生まれてからずっと木の枝から離れたことはないので、先生たちがボクらの枝へやってきて授業をするスタイルだ。
今日もボクは幼なじみのココと親友のカズと仲良く談笑していた。
「なぁなぁイチ、今日の授業なんだと思う?」
そう問いかけるカズ。ボクは記憶を掘り起こした。
「この前、ヤマガラ先生が次の晴れの日は物理と化学って言っていた気がする」
「ちぇ~。オレ、地理とか国語とかが良かったな~」
「最近ずっと雨でガマ先生の算数だけだったものね。楽しみだわ!」
ココが嬉しそうに震えた。それに伴って、ボクらの枝もプルプルと揺れた。
こうして、今日もどんぐりの学校が始まる。
「はーい、授業をはじめますよ。本日は、『自由落下運動』についてです」
一時間目はミツバチ先生の物理の授業。
ブブンブンブンと羽音を鳴らしながら、ミツバチ先生が飛びまわる。
「オレ、計算は苦手だぁ~!!」
「そこ!! 静かに」
注意されたカズが恨めし気に小声を零す。
「でもさ、せんせーが飛んでる音の方がうるさいよな」
「ただの無駄話と移動のための羽音は比べちゃだめよ」
ココがカズにピシッと注意した。
「はいそこ、イチくん、計算してごらん」
わっ!! 当てられてしまった。
だけど物理はボクの十八番だ。
「えぇっと、速度は重力と時間で......」
二時間目はシャクトリ先生の化学だ。
「この葉っぱ、見えますかぁ? 特に匂いも見た目も他の葉っぱと変わらないですねぇ。どんぐりのみなさんには分かりづらいかもしれませんけれど、この葉っぱ、実は齧るととぉっても苦いんです。これはですね、木の葉に含まれるシュウ酸というものがぁ……」
シャクトリ先生がまったり話す。その上、話も長い。
隣を見るとあの真面目なココでさえ舟を漕ぎ始めていいた。
「……この苦み、私のような虫にとってはとても苦手なもので、いわゆる殺虫剤にもなり得るんですね、これが。私のことが嫌いだからといって、私のご飯にこっそりシュウ酸を盛ったりしないでくださいねぇ」
ボク以外のみんなはもう完全に夢の中なので、ボクがシャクトリ先生に殺意を持たなければ無用な心配だよ……などと思うなどした。
むしろボクは毒を盛るなんてことはしないよ!
「もうっ! みなさん、寝ないで起きてくださぁ~~~い!!」
遂に怒ってしまったシャクトリ先生、持っている葉っぱを雑巾みたいに捻り絞りながら、寝ているどんぐりたちへ葉のエキスをばらまき始めた。
先生……さっきそれ、殺虫効果あるって言ってなかったっけ……?
「「「わぁっ!?!?」」」
「目がぁ!!! 目がぁっっっ!!!!!!」
続々と目を覚ます生徒たち。
「えぇ、えぇ、染みるでしょう。これも、この葉の成分が水に溶けやすい特性をもつ酸だからなのですよ! ここ、テストに出ますからねぇ」
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どんぐりたちの 学びやは
こもれび ゆれる 枝の上
先生は 空から はばたいて
葉っぱの かげから ごあいさつ
毎日ちがう 風吹いて
毎日ちがう 空模様
ともだちと 笑って 泣いて
だけど いつかは 旅立つのでしょう
それまで すくすくと
この ゆりかごで 育つのです
ドンセカ質問コーナー!!(((o(*゜▽゜*)o)))9
夏「なっちゃんと、」
イチ「イっちゃんの、」
夏・イチ「「ドンセカ質問コーナー!!9」」
夏・イチ「「始まるよ!!」」
夏「いぇい!!」
イチ「なっちゃん、久しぶりだね。てっきりボクたちのこと忘れたのかと思ってた」
夏「いやマジでそれはゴメンm(__)m」
イチ「そうだ、今回は質問無い感じなのかな?」
夏「そうなんだよ! 実に更新が7,8年ぶりなので正直質問どころじゃないっていう」
イチ「なるほどね。月日の流れは早いなぁ」
夏「だからその、温かい目で読んでね……!!」
イチ「ボクの冒険記はこれからどうなっていくんだろう……」
夏「てなわけで! 学校編の方は、また次回の息継ぎ回に続くみたいです」
夏「次回も、お楽しみに! まったね~!!」




