9・でてきて
9話です!
ついに、カラス=クロウさんの謎が解き明かされるっ!!
……え? まだなの?
あるところに カラスの双子がいました
一方は 頭の良いカラスの子でした
もう一方は やさしいカラスの子でした
その二匹は それはそれは とても仲が良かったのです
しかし ある日 お母さんカラスが
少し目をはなしてしまったすきに
頭の良い方のカラスの子が 何者かに
連れ去られてしまいました
お母さんカラスは とても悲しみました
残った優しいカラスの子は
行方のわからない兄のかわりに
母が もう 泣いてしまわないようにと
兄のように かしこくなろうと 一生懸命 べんきょうしたのです・・・
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坂道をココと一緒に転がってやっとたどり着いたのは、人間達の住む”町”だった。
道路は転がってゆくにつれ砂利からコンクリートになっていき、だんだんと家と家が近づいていった。
ほのかな山のにおいがかおる、しかし車が時々通る、そんな場所。
ボクとココは少しペースを落として転がる。
「ここが”街”の入口となる、”町”なのね」
ココは、辺りを見渡した。すると、目を少し細めてある一点を見た。
「どうしたの?」
「ううん、なんでもないわ」
少し不思議に感じながらも、先にどんどん進むココの背中を追いかける。
すると、ココは急に立ち止まった。
町の十字路の角を驚いたような顔で見つめている。
人間のゴミ捨て場、いわゆるネット式のゴミステーションをあさっている黒い物影。
「あれは―――」
「「カラスさん!!!!」」
そう、そこにはいつか会ったカラス=クロウさんの姿が!
「・・・・・・誰だ? お前ら」
それなのに、優しいはずのカラスさんが、こちらをきつい目で睨んできた。ネットから顔を上げる姿が、妙にその目つきに合っている。
「カラスさん?」
ボクが一歩あとずさると、ココが珍しく焦ったような声で叫んだ。
「逃げて、イチっ!!」
「えっ? なんでっ?!」
ボクは立ち止まる。ココは必死のようだった。
「いいから!」
「・・・・・・ああ、思い出したぞ。あん時のチビだなあっ! ようもこの俺様をあんな目にあわせたなあっ」
カラスさんとそっくりな顔で、そんな悪役みたいな暴言を吐いてくる。
「あれは、カラスさんじゃないっ!?」
「ああん? なんだよ、そこの坊主?」
バタバタと大きな翼を羽ばたいて威嚇してくる真っ黒なカラスは、カラスさんではなかった。
「チビの仲間かあっ!?」
「ちょっと待って! ココ、この人と知り合いなの!?」
ボクは、ごみ臭いカラスに今にも睨み殺されそうだ。
ココは、血の気の引いた青い顔のボクを見て金切り声をあげた。
「イチ! そいつは、かつてカラスさんを飛べなくなるまでに傷つけいじめた、卑怯な奴なのよ!」
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・・・それから 幾年も経ち
弟カラスは りっぱな青年カラスになりました
ある日 青年カラスは 町の空を
優雅に 舞っていました
すると下で なにやらガサガサと もがく黒い影が見えました
何だろうかと思い おりてみますと
それは 一匹のカラスでした
どうやら 網にひっかかってしまったようです
「今 助けよう」
と 青年カラスは いいました
「別に良い」
と 網の中のカラスは いいます
そして 彼は 自力で 助けを借りずに 網から出ました
「何をしていたのかい」
と 青年カラスは 問いました
「別に 知らなくて良い」
と 出てきた彼は いいます
そして 彼は 無言で 振り向きもせずに その場を立ち去りました
青年カラスは わかりませんでした
あの カラスは 誰なのか
そして なぜ 網の中などに いたのかと
しかし 頭の良い ”彼”には わかりました
あの 青年カラスは 自分の弟だったんだと―――
ドンセカ質問コーナー!!(((o(*゜▽゜*)o)))7
夏「なっちゃんと、」
イチ「イっちゃんの、」
夏・イチ「「ドンセカ質問コーナー!!7」」
夏・イチ「「始まるよ!!」」
夏「いやはや、このコーナーも7回目だよ! イッちゃん」
イチ「そうだね! そういえば今回、詩みたいなのが異常に長くなかった?」
夏「うん。詩というか物語になってたかも……(-_-;)」
イチ「ところで、問題です!」
夏「なぬ!?」
イチ「カラス=クロウさんは、何カラスでしょうか?」
夏「……普通に答えていいのかな? ひっかけか?」
イチ「ぱっぽっぱっぽっぱっぽ、Ω\ζ°)チーン」
夏「ハシブトガラスかな? 都会に詳しい辺り」
イチ「ざんねーん! でも、惜しい!!」
夏「答えは?」
イチ「ハシボソガラスでした~」
夏「へえ~そうだったんだ!」
イチ「でも、純粋なハシボソじゃないらしいから、ハシブトもあってると思う」
夏「だから惜しかったのか」
イチ「そう考えると、カラスさんのお兄さんはハシブトの血が濃かったのかも」
夏「お兄さん?」
イチ「うん。次回、カラスさんのお兄さんの正体が明かされるよ!」
夏「おお!!」
イチ「そして、何故カラスさんがココに忠実になったかというエピソードも!」
夏「わー!パチパチパチ(拍手)」
イチ「次回もお楽しみに~!!」
夏「まったね~(*^-^*)!」




