カネナラールとムラエモン
魔王討伐の旅に出たカネナラールとムラエモン。
ナリキン王国を出て、
北へ北へ、
のどかな平原を二人は黙々と歩いてゆく。
「……………」
「、、、、、。」
黙々。
会話も無く、ひたすら。
ひとつめの山を越えた所にある、
ちょっぴり大きな街を目指して、
ひたすら歩いていた。
「……………」
カネ坊「てゆーか!!
つまんなすぎでしょ?!
物語でゆう所の2話目だけど、オッサンまだ一言も喋ってないし!!
なんなの!喋れない!?
喋れない設定のオッさん!?」
鬱憤をぶちまけるカネナラール。
「……………。オッサンじゃない。
まだ22。」
「喋れんじゃん!
え?笑
そうなの?W
老けすぎ(´༎ຶོρ༎ຶོ`)草
てか普通に喋れんだから喋ろうよ!!
本意じゃないけど、
これから先しばらく一緒に居るんだからさ!!」
「…………。
カネナラール王子はいくつですか。」
話をしながらも、
2人は北へ北へゆっくり歩いていく。
「あー!
カネ坊でいいよムラっち!
誰とでも分け隔てなく仲良くできる、
民達の中じゃカネ坊で通ってるから!
僕は16!
人生まだまだこれからの年じゃない?
それが魔王討伐の勇者だってさ?
危なすぎて笑えてくるって!
ちゃんと守ってね♪
ムラっち!」
「……………。
分かりました。」
「いやー敬語とかいいってタメ口で!
みんなに慕われる、
人気者だからさ僕って♪
本音でいつでもトークしていいからね!
二人の間で堅苦しいのは、
無しね♪」
「……………。
分かった。」
少しペースが速くなったっぽい。
北へ歩いていく。
「ねえ、
全然知らなかったんだけど、
ムラっちは世界一の剣士なの?
それ自称?
何でそんなに有名人になったの?
てか、
強い?ホントに?」
「……………。」
「答えにくいか!
まー僕にとっちゃ用心棒みたいなもんだから、
守ってくれればなんだっていいんだけどね!
これだけはリアルに聞きたいんだけど、
ホントに、
魔王倒せるの?」
歩くペースが更に速くなった。
若干小走り気味に。
「……………。
魔王は必ず俺が倒す。
世界一の剣士としてここまで登り詰めたつもりだ。
相手が魔王だろうが、
負けるつもりはない。」
「ふーん。
すげー過剰自意識笑
そんなことより、
歩くの疲れた~。
なんかペース早すぎ〜!
サウナとプールのついた高級ホテルで旅の疲れを癒したいね。
そう思わないムラっち?」
ナリキン王国を出て僅か2時間。
早くもヘタレ始めた、
カネ坊の無礼でわがままな態度に、
「……………小僧。
契約は守ってやるが、俺を甘くみるなよ。
剣士の頂点に立つ自負がある俺が
ガキのお守り付きで
魔王を倒すハンデ背負ってること
忘れんな。」
「しゆ、、し、しゅいません。」
険悪なムードで始まった、
カネ坊とムラエモンの旅。
そこからまた会話も無く、
2人は街を目指して、
北へ北へいくのだった。