2)言い訳と取られても文句は言わない
ある日、ある少年が、公衆の面前で私に言い放った一言。
「お前と違って、●●ちゃんの方が可愛い。友達になるなら、そういう子がいい」
そのときにはすでに世の『男』を恐怖の対象だとしていた私は、『君と友達になりたいと思っていないから』と言われた内容を全く気にも止めていなかったが、近くにいた女友達は、なぜか皆憤慨した。
私は周りがなぜ怒るのか、全く理解していなかったので、さっさと現場を退散したのだが。
その少年はしばらく私の女の友達から無視されていたらしい。
女の子って怖いネェ……。(自分の性別は棚に上げておく)
●●ちゃんは、学年でも頭も良く、運動も出来る、可愛いい女の子だった。
パッチリした目にすっとした鼻立ち、ふわふわピンク色や赤の服がよく似合う、同性である自分でも「可愛い」と思う女の子だった。
まぁ、●●ちゃんとは、乳幼児(なんと0歳児)の頃からの付き合いがあったので、表向きの「可愛い」だけではなく、結構したたかで計算高く、所謂イイ性格をしているのも知っていたから、『男の子というものは結局女の子を表面しか見てないんだろうな』と思うきっかけにはなったのだが。
同時に、『可愛い子は興味をもたれるのだな』と、妙に納得してしまった。
ならば、逆に可愛くなければ、恐怖の対象は私には近付いてこないと考えた。
極論と云ってしまえばそれまでだが、彼女と正反対になろうと思い込んだのだ。
身を護るために醜く在ろうとした。
そして今現在。
体型はまごうことなきデブ。
クマも隠さない顔はまともに化粧したこともなければ、髪も適当。
服なんかスーツ・制服以外でスカートは極力選ばない。
ブス、デカ、性格ブサイク。
そんな見るからに見た目最悪、女子力ゼロ。
しかも男勝りで、口は悪いし、可愛げのかけらもない女に言い寄る奴がいるか?
あ、全部、今の私ね。
まず、外見でアウトオブ対象だろ。
『第一印象は大切』って、あんたら外面しか見て無いじゃん。
んで、御眼鏡に合わなければ極力近づかない。
関わらない、利用できないなら関わる必要ない。
私は、そういう『男』ばかり、見てきた。
だからかね~?
いくら対象外とは言え、一応これでも『女』である私のいるところで、女の子の品定め、やめとけや。
ま、別にいいけどね。
女性をそういう目で見てるってこと、女の子は知ってることに気付いてないって、わざわざ教える必要ないし。
正直、お前らの評価、公私共に駄々下がり。
所詮物語の中でしか存在しないんだよね。
醜いアヒルを好きになるような人。
ついでに、これまでの人生の中で、上に当てはまらないヤツにあったことも、知り合ったこともないし。
実際に居るもんなら、是非お目にかかりたいもんだね。
などと、内心やさぐれているのは、ここだけの話。