ほしのこポルンと きらきらドロップ
夜の カーテンが おりる ころ。
お空の うえから、ちいさな ひかりが おちてきました。
ヒュン、ポチャン!
お月さまの しずくから うまれたのは、
星の こども、ポルンです。
ポルンは 体が とろりと ひかって、
まるで あったかい ミルクみたい。
ポケットには、魔法の おかし 「きらきらドロップ」が はいっています。
(暗いのは こわくないよ。ボクが 全部 キラキラに しちゃうからね)
ポルンは フワリと 浮かびあがりました。
目指すは、みんなが こわがる 「マックラ・クロスケ」の お城です。
テクテク フワフワ あるいていくと、
大きな 影の なかから 泣き声が きこえます。
「えーん、えーん。暗くて あしもとが みえないよぅ」
そこに いたのは、大きな クマさんでした。
図体は 大きいのに、ブルブルと 震えています。
「クマさん、なかないで。はい、これ あげる」
ポルンは ポケットから、黄色い ドロップを ひとつ。
ポイッと クマさんの おくちへ。
カリッ。
ジュワッ。
すると、どうでしょう!
クマさんの おなかが、ポゥッと ランタンみたいに 光りだしました。
「わあ! 明るい! これなら 夜道も へっちゃらだ!」
「さあ いこう。マックラ・クロスケを ピカピカに しにいこう!」
(仲間が いれば、もっと 明るく なるはずだ)
さらに すすむと、こんどは 木の上で ネコさんが 丸まっていました。
そして、空では フクロウさんが 目を回して 飛べずにいます。
ポルンは また ドロップを だしました。
赤い ドロップを ネコさんに。
青い ドロップを フクロウさんに。
カリッ、ジュワッ!
カリッ、ジュワッ!
ネコさんの しっぽが ネオンみたいに 輝き、
フクロウさんの 羽が 流れ星みたいに 煌めきます。
「ボクらは 無敵の キラキラたんけんたい!」
ひかりの 行列は、やがて もっとも 深い 闇へ。
そこは、こどもたちが 一番 こわがる 「ベッドの下」の 入り口です。
ドロリ……。
ヌルリ……。
そこには、真っ黒で デロデロした マックラ・クロスケが 待ち構えていました。
口を 大きく あけて、みんなの 光を 食べようと しています。
「おいしい 光を よこせぇ……。全部 食べて 真っ暗に してやるぅ……」
クマさんが すくみあがります。
ネコさんが 毛を さかだてます。
けれど、ポルンは ニカッと 笑いました。
(やっぱりね。こいつ、本当は 悪いやつじゃ ないんだ)
ポルンは 残っていた ドロップを 全部、空に なげました。
そして、みんなで 声を あわせて さけびます。
「キラキラ・ビーム、はっしゃー!!」
ドロップが 砕けて、光の シャワーが 降り注ぎます。
マックラ・クロスケの 体に、光が あたると――
シュワシュワシュワ……。
黒い 体から 色が ぬけて、
マックラ・クロスケは、フワフワの 「おふとん」に なりました。
そう、クロスケの 正体は、
みんなを 優しく 包み込みたかった 夜の ブランケット だったのです。
「あたたかい……。もう、こわく ないね」
クマさんも ネコさんも フクロウさんも、
みんな おふとんに くるまって、
コクリ、コクリ。
ポルンも いっしょに 横に なりました。
夜は もう、こわい 場所じゃ ありません。
素敵な 夢を みるための、やさしい 時間。
おやすみなさい。
また あした、キラキラの 朝で あおうね。




