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銀の伝承  作者: 銀の伝承
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序詩

どれだけ忘れ去られようとも、どれだけ時が流れようとも、私はただ進む

それが生まれた理由、存在する意味だから

どれほどの歳月が過ぎただろうか。気が遠くなる流れの中、人は来ては去る

時代が目まぐるしく移ろう中、取り残されたかのような虚無と焦燥を抱えながら


ひとたび、名は風に溶け

やがて、声は時の底に沈む

それでも、剣は手を離さず

灯火のように、ただ静かに揺れている

誰の記憶にも刻まれず

誰の賛歌にも乗らずとも

在るべきものを在るべき形に

戻すだけの、祈りにも似た意思

幾千の時を越えて

幾億の夢を見送って


それでも私は、まだ此処に在る

ただ一つ、「均衡」のために

崩れゆく世界の片隅で

見えない歪みに手を差し伸べる

私は光ではない

闇でもない

ただ、それらを裂き分ける刃でありたい

この世界が、生き延びるための記号でありたい

それだけで、いい

たとえ、全てに忘れ去られても

名なき者として、それでも世界を護った一人として


私は確かにそこに在るのだ。


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