体を売る女
川の土手で、学生服を着た二人の男が話し合っていた。
「都会じゃあ、女の子が体を売いようらしいな」
「らしいな」
「何で体売るんやろか?」
「そら、金欲しいけんやろ」
「貧乏なんかな?」
「貧乏やったら、都会や住んでないやろ。欲しいもん買うんや」
「何が欲しいんや?」
「ほらあ、ブランドの服とかバッグやろなあ」
「体売ってまで、そんなもん欲しがるんか?流石に割に合ってないやろ」
「いや最近の女の子は、昔の男みたいに持っとうもんは全部使うらしいけん、おかしい事でもないぞ」
「ほうなんか。でも一人とか二人とかじゃなくて、よおけ居るらしいやん?そんな居るもんなんかな」
「ほりゃ、皆金欲しいけんな。そこら中に立って顧客の取り合いしよんよ」
「・・・・・・都会って何か怖いな」
「俺ら田舎もんとは住む世界がちゃうねん」
「でもそこら辺に立って内臓売買しよんかあ、想像できんわ」
「・・・・・・せやな」
「僕、母ちゃんに感謝したなってきたわ」
「ほな、帰るか。俺もお母さんに礼言うわ」
二人は自転車に乗って、何事かを言い合いながら帰って行った。