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不完全なる飼育

作者: 雉白書屋

 彼女を誘拐。ここに連れてきてから一晩が経った。

 今日この日を彼女との生活、その一日目とし、飼育日記をつけようと思う。

 山の中の別荘。その地下室。窓はない。周辺に民家もなく、また誰かの別荘はあるが今の時期は来ないだろう。ゆえに彼女がいくら助けを求め叫ぼうとも無意味。ああ、怯えた彼女が僕を見上げる。連れ去る時に打った薬はまだ抜けきっていないのかな? すこしとろんとした目をしている。

 ああ、僕のモノはズボンの中で、硬く反り立ち先っぽが湿っているよ!

 ……でもまだだ、まだ早い。お披露目はまだ。彼女の心を完全に屈服させなければ。

 まずは彼女の服を脱がす。それだけ。声を上げ、少し抵抗したけど駄目さ。スタンガンでお仕置きだね。ああ、震えているね。寒いかい? それも怖いかい? でも生まれたままの姿。それが君さ。君の美しさなのさ。

 僕は部屋の外に出て鍵を閉める。ドアの小窓から中の様子を覗くと彼女は白いシーツのベッドの上で膝を抱えたままジッとしていた。この状況を、僕を受け入れるのはすぐだろう。



 二日目。僕を見つめるその目から不安の色が消えない。潤んだ瞳から一滴の涙。

 心を開くまで、まだまだ時間がかかりそうだ。でもいい、それもまたいい。それに、ここではこの僕が絶対的な強者だとわかっているようだ。あのあと何度かスタンガンを食らわせたからね。二日目の今は見せるだけで怯えた顔をする。

 そそるよ。でもまだまだこれからさ。

 ご飯を床に放り投げてやる。打ちっぱなしのコンクリートの床。きっと埃がついただろう。でも食べるしかない。生きるために。



 彼女の飼育を始めてから三日目。彼女は僕におねだりするようになった。

 と言っても食事のことだ。いずれはセックスそのものを……と思うけど慌てちゃいけない。

 まずはソフトタッチ。ズボンの中のモノを軽く触らせ、そのご褒美に、と。これを繰り返す。徐々に要求を上げてね。条件付けってやつさ。

 彼女が口をもごもごと動かす。食欲と性欲。いずれ満たしたいものが逆になるだろう。彼女の食事には色々と混ぜてあるのさ。



 四日目。彼女はとうとう我慢しきれなくなり自分のアソコを弄り始めた。

 薬の効果てきめん。僕は部屋の外からそれを眺め、自分のモノを擦る。

 これってもはやセックスじゃないか? なんてね。昂る気持ち。だが彼女はすぐにやめてしまった。イったのかと思ったが違う。自己嫌悪に陥っているようだ。生意気だね。



 五日目。彼女はまた今日も自分で自分を慰めている。僕は欲を生唾と奥へ流し込む。まだだ。まだ。

 テレビのニュース番組はもう彼女の話題を取り上げなくなった。旬が過ぎれば見向きもされなくなる。美しさも同じさ。だが、僕の愛は不変だ。人は僕を異常者だと言うけどそれは違う。だってすべて望み通りに運んでいるのだから。それって正しいって事だろう?



 六日、七日。日に日に彼女の喘ぎ声が大きくなる。……でも、我慢の限界が来たのは僕のほうだった。

 昨日、彼女が出演していた番組で共演者たちが沈んだ顔をしていた。それが、たまらなく僕を昂らせた。

 彼女はここにいる。お前たちが心配し、探し求めている彼女は今、僕のもとにいるんだ! テレビで見ていることしかできないあの時とは違い、好きなだけ触れることができるんだ!

 ズボンを下ろし、彼女にそそり立ったモノを見せると彼女は物欲しそうに見上げた。

 ……屈服完了。あぁ、僕のモノを包む温かさと艶めかしさがその証明だ。

 ミア。君は僕だけのペットだ。今回から食事は奉仕が終わったあとだ。

 あ、あ、あ、いいぞ、あ、あ、ああああああああああ!



『……ミアちゃんがいなくなってから早三週間が過ぎようとしています。

早期発見と共に、ミアちゃんがどこか健やかに過ごしていることを、私たちは心から願っています。……とここで、寂しい気持ちになってしまった番組出演者、そして視聴者の皆様に朗報です!

新しいお友達、雌のチンパンジーのピナちゃんを今回からこの番組に迎えることになりました! わー! かわいいいですねー! ねー、園長!』


『そうだねぇ、少し早い卒業になっちゃったのは残念だけど、お、おうふ! ははは! この子も人懐っこいなぁ、うーかわいい!』

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