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デオキシリボブレイク~神と天才の殺し合い~  作者: 熊太郎助
三国軍事演習編
70/70

ご褒美をあげよー!!



 「取り敢えず、なぜ3人を呼び出したかについて話そうか。」


 ルキウスが案内した密室の椅子に腰を下ろす。

 僕の隣にはミュートリナ、正面にはタイト、その隣にルイーザ、僕の左斜め前にルキウスが座っている。

 僕とエリーとルキウスで話した、天龍討伐計画について、3人を交えて説明する。

 

 「天龍討伐って、そんな話俺たちにしていいのか?」

 「当然の指摘だ。だが、内輪で決めたことに君たちを付き合わさると言う形にはしたくない。

 僕はタイトやミュウが拒否するならこの話は帝国に持ち帰って反対意見側として立つつもりだよ。」

 「エリーさんも、この話には慎重だったからね。ルイーザさんの意見を強く聞かれると思うし、その時までに答えを出すためにも、今聞かせておくべきだと判断したまでだ。」


 彼らの実力は申し分ない。あとはYESだけ。

 タイトやルイーザは悩んでいるようだ。対照的に、ミュウは僕がやれといえばやるだろう。

 

 「俺はルキウス(おまえ)がそんな、協力みたいなことを持ちかけてきたことに驚いてて、正直パンクしてる。

 正しい判断ができるような状態かもわからねぇ。

 ミュウはどう思う?」

 「私? そうだなー、最初聞かされた時は驚いたけど、今は頼りにされてるのなら期待には応えたいなって思うよ。」

 「まっじかよ。天龍なんて人間が戦う相手じゃないぜ?

 いくら世代交代で弱体化しているからって、種族として別格なんだ。」

 「ハレファスから聞いたよ? その説明は。」

 

 小首を傾げて答えるミュートリナにタイトは息を呑む。彼女には自分とは違い、天龍に対する恐怖がないのか、命を大切にすると言う気持ちがないのかと。

 

 「ミュウ、お前が俺より強いのは間違いない。

 今回俺が勝ったのも、まぐれみたいもんだってわかってる。だから、その上で言わせてもらう。天龍は無理だ。勝てるわけがない。

 俺たちはちょっと剣術や魔術がつかえる小市民。

 勇者や英雄じゃない。」

 「勇者ならまだしも、英雄になるのは何かをなした時だよ。

 今はそうでも、決めつけるのは早計じゃない?」


 「あの、わたしは、ありだと思います。」

 

 2人の話に割って入るように1人の女が天龍討伐に意欲を示す。この中で一番弱々しい人間。


 「ありがとう。聖女である君がそう言ってくれて心強いよ。」

 「ルキウスさんやミュートリナさんがいてくれるならわたしが行かない訳にはいかない。」

 「………、3人とも。いやまて、流されるな俺。

 ここで肯定なんかしたら後から」

 「いい加減納得しろよ。タイト・ヴァルキル。」


 思案しているタイトのフルネームを呼び放つルキウス。目を閉じて、腕を組んでいる彼に視線が集まる。

 

 「流されてもいいじゃないか。君の父親のように。」

 「お前、流石に言っていいことと悪いことがあるぞ。」

 「いやぁ、悪いね。気に触ったか?」

 「まったく、気にしてねぇよ。」


 タイトも微動だにすることなく椅子に座ったまま。

 険悪な空気だけが2人の中にある。

 先の半ば内戦に近い状態のときに、タイトの父がついた陣営を間違えたことに対してルキウスが突っかかるなんてな。

 色々と因縁のある2人ってとこだな。

 剣戟を繰り広げ始めてもおかしくない。そんな奴らだ。


 「タイトさん、もし命や大怪我の心配ならわたしがいますから大丈夫ですよ!」

 「痛いのがいやなんだが、、、違うな。

 俺は男だ。女の子たちが天龍に挑むってのに、いつまでもうだつの上がらんことばっか言ってちゃ男が廃るってもんよ。

 天龍の首を、俺がぶった斬ってやる。」


 堂々とそう宣言してみるタイト。

 その様子を片目を開けてじっと見つめるルキウスと、やっとその気になったかと呆れているミュートリナ。少し安堵しているルイーザ。

 

 「天龍討伐のために動き出すのは、いつになってもおかしくない。明日でも、明後日でも。

 その時のためにも、万全の状態を。」

 「2人とも、帝国の人間として世界に力を見せつけてくれ。応援してる。

 ルイーザさんも、2人をよろしくお願いします。」


 ***

 


 5人での話し合いを終え、部屋に残ったのは僕だけ。

 ノックをして扉が開いたかと思うとミュートリナの姿があった。


 「なんていって抜けてきたんだ?」

 「んー、なんでもいいじゃんそんなの。」


 別に悪いことをしているわけではないが、こう逢瀬していると浮気している気分になるな。

 僕は誰かと婚約しているわけでも、許婚があるわけでもないが。

 

 「ハレファス、私この何日かさ、リタイアしてからずっと1人で寂しかったの。」

 「僕は1人じゃなかったけど、ミュウと会えなくてすっごく寂しかった。本当は久しぶりに会った時に抱きしめたかった、なんてね。」

 「えへへ、ハレファスは寂しがり屋だなぁ。」

 「いいでしょ、好きな人に久々に会えたんだ。こっちにおいで。」


 そう言うと、彼女は迷うことなく僕の胸の中に飛び込む。

 飛び込むと力強く抱きしめ、地面から離れる。

 お互いの身長差があるから当然と言えば当然だ。

 捕まえたまま席に着く。


 「──」

 「──」


 ミュートリナもテレスシーナも、女というのはどいつもこいつも単純でわかりやすい。

 自分からアクションを仕掛けることは少ないが、こちらが導火線を用意してやれば迷いなく火がつく。

 今もこうして、言われたいこと、して欲しいことを用意してやれば喜んで飛び込んできた。


 「ミュウ、幸せだよ。」

 「私も、幸せ。」


 抱きしめる力がより一層増す。頭を肩に強く押し当ててくる。こういうタイプは甘やかせば甘やかすだけ要求が大きくなるのがだいたいだ。

 与えすぎず、与えなさすぎずの塩梅を大切に。

 ミュートリナの腰に回していた腕を解き、肩に手を置いて距離をとる。

 彼女と視線が交差して、何かを察したのか目を瞑る。


 「………やっぱ、ちょっと恥ずかしい。」

 「なにそれ、ハレファスって可愛い。」

 「からかわないでよ、、、。」


 これでいい。

 クスクスと笑うと、僕の上から降りる。

 

 「あんまり長居しても怪しまれるよね。」

 「もうちょっとだけ、一緒にいたいけど、、」

 「ダメだよ。それは、私にとってもハレファスにとっても良くないことだし。」


 彼女がどんな理由で抜け出してきたかはしらない。

 まあ、確かに忘れ物をしたとかなら長すぎるか。持ってくるような物なんてないし、それはないだろうが。

 

 「わかった。でも、またすぐ会いたいな。」

 「うん、、、。またね。ばいばい。」

 「僕はも、時間をずらして部屋を出るよ。じゃあね。」


 そっと扉を閉めて部屋を出ていく。

 1人、部屋に残り椅子に座り直す。


 「ヴァルター」

 「は、お召し物の替えは用意してあります。」


 人は匂いに敏感だ。ちょっとの変化でも気づく者はいる。例えば、僕に好意を寄せている人や、敵意を持つ人。

 かと言って、意味もなく着替えていればそれこそ不自然に思われるため、全く同じ装いの物をヴァルターが用意してきた。

 

 「用意がいいな。」

 「ありがたきお言葉。」

 「伝えていたことは」

 「ミュートリナが部屋を出た時点で呼び出しておきました。もう時期に来るでしょう。」


 着替え終え、待つこと数分。

 今度はノックもせずに、堂々と扉を開きながら入ってくる人物。

 ヒョロヒョロなのに、妙に芝居がかった勢いで入ってくる人物。

 一歩一歩に無駄が多く、時々難波歩きになっている人物。


 「こんにちは、話ってなんですか? ハレファスさん。」

 「まあ座りなよ、ルクシー。」

 

 天龍討伐の話に、こいつを連れていきたいと思っている。彼の実力は折紙付だ。竜人族との戦いで役に立つだろうし、実践経験ももっと積ませたい。

 

 促されるように席に着く。頬にはソースが付いており、随分と食事を楽しんでいるのか気付いてないないようだ。ヴァルターが指摘すると、「あああ」といってあたふたしていたのでハンカチを貸すとゴシゴシ拭いている。

 

 「ルクシー、後夜祭は楽しんでいる?」

 「はい! ルクシー色んな女の子とおしゃべりできて楽しいですよ。

 さっきも会場を出たら入ったらしてる子がいたから、こんな時に生理なのか聞いてみたんですけど、芳しい答えは帰ってこなかったんだよね。

 可哀想だなぁ〜って思って。ルクシーが看病してあげようかなっとも思ったんですけど無視されたんで退散しました。」

 「たはは、ほどほどにしときなよ。」


 可哀想なのはどちらかと言えば不躾な質問をされたことだと思うが。なぜそんな気持ち悪い質問を平気でするのかわからない。

 ヴァルターの表情を伺うも、首を振る。

 何を考えているのかはよくわからないらしい。

 

 萬色の瞳をもってしてもよくわからない。僕も一時的に所持していたこともあり、そんなことあるのかと思うが。

 あんなに強いやつの脳内が丸わかりになる力が、ルクシーに通用しないって、規格外なのか。

 あるいは、世の(ことわり)から外れているのか。


 今もなお、バカみたいな面を晒しながら、いつもの正気のない瞳を僕に向けている。

 本当に悪意を持っていることや、戦闘に心を支配されているような人物でよかったよ。

 ただ、性欲には実直かつ支配されているが。

 どういうわけか、その力を持って性欲を満たそうとはしないんだよな。

 その辺りは弁えているようだ。そこは安心している。


 もし、見境なく女性を襲うようであれば、説教するんだが。

 その時は僕じゃなくてヴァルターがするだろうけど。


 「ルクシー、今度一緒に外国に行くことになるかもしれないんだけど。

 その時は竜人族ってのと戦うんだ。頼りにしてもいいかい?」

 「そりゃあねえ。ルクシーのことをまともに頼ってくれるのはハレファスさんくらいよ。

 他の人は、、、、なんか、、、ちょっと距離を置こうみたいな感じだし。

 ハレファスさんの頼みなら、ルクシーに断る理由なしよ。これからも、仲良くしてくださいね。」

 「それはもちろん。僕も、ルクシーのことを本当に頼りにしているから。

 前回のときのようにね。」

 「任せろ!!よ。

 話はそれだけですか?」

 「ん? まあ、そうだけど。」

 「なら、ルクシー戻りますね!

 まだ運命の女を見つけてないので。」

 「お、おう。ほどほどにな。あと、ここでの話しは口外厳禁ね。」

 「郊外? 現金? とりあえず秘密ってことっしょ?

 そんじゃ、また今度。」


 そう言い放つと扉を逆に開こうとするが開かず、引っ張って開き出ていった。

 扉が閉じた後も聞こえてくる足音。ドタバタドタバタと聞こえてくる。

 

 「ヴァルター、ルクシーの監視を頼む。心配でしかない。頼めるか?」

 「お任せを。」


 そう言い切ると僕の視界から音を立てずに、風も立てずに消える。

 

 恐ろしいやつだな。


 ***


 三国軍事演習が無事終え、数日が過ぎた日のこと。

 いつものように学園での生活を過ごし、放課後1人自主練にでも行こうとしていたとき、ハレファスに止められる。

 背中を押されて馬車に乗せられて、連れて行かれた先は帝国軍司令局。いわゆる本部に連れてこられた。

 

 「おい、俺はどうして。問題起こしたってのか?

 お前と一緒に呼ばれたってことか?」

 「問題っていうか、その逆か。気にせず進んだらいいさ。僕はここに、君とは別の用事があってね。

 ついでだよ。」


 俺はこいつのついでで呼び出されたのかよ。

 

 「坊ちゃああああああん!!!」

 「うげ、」

 「坊ちゃん、聞きましたよおお。大活躍だったと。

 このアスメニア、感激です。」

 「そ、そうか。そりゃあ、ありがとよ。」

 「バスティアン様から、本日ハヴァレア坊ちゃんがここへ来ることは聞いておりましたので。」

 「バスティアンから?」


 なぜ兄の名前が?

 バスティアンって、ここ勤務だったのか?

 確かに、戦闘よりも政務の方が向いてそうな人間ではあるが。

 

 「はい。それで挨拶にと。本当、立派になられましたね。」

 「はは、4年も経つしな。」


 学園に通うようになって4年も過ぎたのだ。

 背も伸びたし、声も変わった。実力だってついてきた、、、と思う。

 

 「そうだ。俺は誰に呼ばれているんだ?」


 不思議そうに首を傾けるアスメニア。

 なんだ、俺変なこと言ったか?


 「お言葉ですが、ご存知ないのですか?」

 「そ、だけど。ここに来たのも放課後無理やりハレファスに連れてこられたって感じだし。

 予定にないことでびっくりしてたらハレファスはどっか行ってるし。」

 「ハレファス様とは友達なのですね。いい友を持ちましたね。」


 友達じゃねぇよ。とは、こんな嬉しそうな表情をするアスメニアに言えないな。

 随分と人に気を使うようになってしまったな。

 ただ、どうしてもハレファスだけには感情を剥き出しにしてしまう。

 一番、感情をそのままぶつけたくない相手なのに。

 あいつだけには、正直になってしまう。


 「おっほん。お呼び出し人は、ウェアリア様ですよ。」

 「は? 何言ってんだ。父上は宮廷にいるだろ。」

 「ハヴァレア様を呼んでるっていって今日はここにいますよ。」

 「なにが、どうなっているんだ。どうしてそんな暴挙にでたんだ。俺を呼び出して、父上がなにかあってどうする。」


 色々聞きたいことがあるが、アスメニアに聞いても埒があかない。早く会いに行こう。待たせてはいけないな。


 ***



 「お久しぶりですね。父上。」

 「ああ、私がお前に会いに来た理由はわかるな?」


 心当たりがあるかと聞いてるんだろう。ねぇよ!!

 最初から今の今までなにも聞かされていないんだぞ。

 さも俺が知っているものとして話を進められるつもりだ。


 「いえ、ハレファス、、、殿に連れられて来た身ゆえ、詳細はなにも。」

 「そうか、、、。」


 沈黙が訪れる。実に居心地の悪い沈黙だ。

 悪者に仕立て上げられる不快感ってのは慣れっこだから大丈夫だ。

 まさか、家族との沈黙がここまで気まずいとは。


 「んー、」


 少し考えて、父上が切り出す。心して聞こう。


 「先の軍事演習、戦果を聞いた。正直驚いたよ。

 私自身、今回お前とハレファス殿は連邦陣営に組み込まれ、私情を包み隠さず言うのであれば、威信にかけても負けるわけにはいかないと思っていた。」


 それは、そうだよ。

 俺たちは帝国の軍事を担う家。総大将の倅が負けたなんて話、宮中でされれば父上はさぞ肩身が狭かろう。

 ただでさえ、俺のせいで迷惑を被っているだろうに。


 「結果は、お前たちは負けた。ただ、あのまま戦いが続いていれば、勝っていたのはお前とハレファス殿率いる連邦陣営が包囲殲滅していたのは間違いない。

 よくやったな。私も鼻が高いぞ。」

 「あ、ありがとうござい、ます。しかし父上、あれはハレファス殿のおかげでもあって」


 そこまで言って、ふと振り返る。

 なぜ、俺はハレファスのこと褒めるようなことを言っているんだ。俺の手柄にしても良かったのに。

 あいつは後ろで丸くなっていただけなんだって。

 自分が前線で指揮をとって成果を出したんだと。


 「はは。ハレファス殿はお前のことを私に話していたぞ。ハヴァレアが優秀だからやりたいことができたと。味方にいて助かったってな。」

 「本当かよ、、、。」

 「それだけじゃないさ、学園生活でのこともよく話してくれるんだ。放課後は1人で自主練や図書室へこもって勉強してるって。立派だな。」

 「………。はい。」


 なんだこれ。褒められて嬉しいはずなのに。

 別に、褒められるために努力してたわけじゃねぇのに。

 一番むかつくやつをぶっ飛ばすために努力してたのに。

 なんであいつだけ俺を見てんだよ。疑惑が確信に変わる。ずっと俺を見続けていたのはあいつだけだ。

 

 「そこでな、お前に褒美ってほどじゃないが。

 保護した2人の姉弟がいただろう?

 ウチで兵士として雇う。もちろん、将来はお前の部下になる人間だ。」


 2年前、2人のガキを保護したことがあった。

 自腹切って家を、あんまいいやつじゃねぇが住んでからようなやつを買い与えてやった。

 食ってけるように最低限の農業知識と、畜産知識、生活知識、商売知識、そして戦闘知識を時間を作って教えていた。

 俺にとっては歳の離れた妹と弟みたいなやつらだ。


 「いい、んですか?」

 「お前があの2人を気にかけていたことは知っていた。

 なにか形にできるものがあればいいが、お前はまだ学生だ。それくらいしかやってやれないがな。」


 願ってもないことだ。きっとこれは今回の成果だけではない。普段から、ハレファスが俺の状況を父上に報告して、トリガーになっただけ。

 父上からの提案、とても魅力的だ。


 「ありがとうございます。ぜひ、お願いします。

 あの2人も、最近は戦うことの方が好きみたいですし。」


 そうか、あの2人も俺がなにもしてやらないてもいいのか。

 カルミアは12、ゼラニウムは11歳。少し心配もある。

 いつまで俺が面倒見続けるってのもきっと彼らにとっても良くないことだ。


 「よかったよ。お前が喜んでくれてな。」

 「………。」


 なのに、なのになんでだよ。

 2人兵士になれると決まり、嬉しいはずなのに。

 父上にも、アスメニアにも褒められて嬉しいはずなのに。

 なんだよ、これ。

 俺は、努力してきたんだよ。褒められるためにやってない、けど褒められたかった。

 叶ったじゃないか。

 全部、ぶっ壊し(あい)たい。胸の辺りが、頭ん中が、腹が、背中が、足が、腕が、臓器が、眼球が、鼻が、口が、歯が、耳が、髪が、、、、。

 全部気持ち悪ぃ!!!!!

 全部全部気持ち悪ぃ。おかしい、嬉しいと気持ち悪いのでぐちゃぐちゃだ。

 ゲロがかかったシェフの飯食ってるみたいな矛盾した味が全身に広がって、末端から中枢に向かうように俺の全身を蝕む感覚。

 心に潜む、破壊を望む渇きが。今の俺を、、。否定したいのか? それとも、俺は、慣れない感覚に振り回されている?

 気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い。

 

 「ハヴァレア、これからも、期待してるぞ。」

 「ん、はい。ゴーシュラフ家の人間として、これからも精進してまいります。」


 早く、全部壊したい。

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