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デオキシリボブレイク~神と天才の殺し合い~  作者: 熊太郎助
運命転換編
7/70

生徒としての振る舞い



バカバカバカバカ僕のバカ!

大バカ物!


なに彼女……ミュートリナと一緒に帰っているんだ。

馬鹿なのか?馬鹿だな?馬鹿だ?


あれだけ近づいちゃいけないと言い聞かせたのに本当に脳が腐っているのか?


「あの、ハレファス様は……」

「ハレファスでいいよ、同級生なんだしさ」

「そう、ですか。

それじゃあハレファス

助けてくれてありがとう! 助かったよ」

「タイトもいるぜ?」

「もちろんタイトも!」


うわぁぁぁぁ


めっちゃ馴染んじゃってるぅぅぅぅ


なにこれぇぇぇぇ


「ハレファスはさ、なんで先生に様呼びされてんの?」


「それ! 私も気になった!」

「さー? 実は、先生の弱みを握ってたり……」


「ハレファスちゃんったら悪い顔しちゃって」

「おかまみたいだぞタイト」


もう、すぐ、民間生徒の寮だ。


「明日俺達も入学式かー

ハレファスは入学式どんなだったの?」


「僕? そうだね。

学園長の心しみ入るお言葉を貰えたよ」

「なるほどつまらなかったと」

「おいおい、誰もそんなこと言ってないぞ」


「ここまでですかね

……ハレファス送ってくれてありがとう」

「こちらこそ、一緒に帰ってくれてありがとう」

「んじゃまたなー」

「うん。また。」


………よし。

よし?


何がよしなんだ?

いや、もう日が落ちる。

僕も早く自室に戻ろう。

あまりここに長居するのも他の民間の子達に可哀想だしね。


***


ここが僕の部屋か。

勉強机。長机は客用だろう。

ベットも2つ。トイレもあるのか。


今すぐにでもベットに入りたい衝動を抑え、僕は着替えることにした。

着替えている途中1つの置き手紙を見つけた。


どうやら、寮での暮らし方が書かれているようだ。


食事は朝、昼、夕、の3回のみ。

逃せば無くなります。

風呂は早朝、夕方から深夜までの2回空いているらしい。

他にも男子は女子寮に日が落ちる頃には入れないとか、女子も男子寮の部屋には朝までに帰らなくちゃいけないとか。


荷物整理でもするか。

いや、食事は朝、昼、夕だけなんだろう?

急いで窓を開け天気を確認する。

やばい、日が沈んでる。


僕は急いで食堂に向かうのだった。


***


食事はギリギリ空いていた。

本当に閉まる寸前だった。

食事をしているのは僕だけ。

みんな今から風呂なのだろう。

僕が風呂に入る頃にはもう誰もいないのか。


食堂の人たち、申し訳ない。

次からはもっと早く来るよ。

てか、なんだその優しい目は。


まさか、僕が1人だからか!

1人だからいじめられていると思われて、この時間しか食べられないと、そう思われているのか!!


なんてことだ。

まあ、どうせこれから7年間1人でやっていくつもりだしな。

こんなことでいちいち同様なんかしてられない。


にしても、走ったから少し汗ばんでいるな。

寮と食堂はかなり離れている。

なんせ、食堂は教室棟にある。


今考えるとあの2人と食事を取ってから帰るのが1番良かったのかもしれないな。


「うん、食事は質に関して問題なさそうだな」


食器を返却し部屋に戻る。

風呂は明日の朝にしよう。


***


2日後

今日から授業が始まる。

昨日は民間の子達の入学式で休みだったからね。


何事も円滑に進めるべく、早起きし準備して、誰よりも早く教室に……なに!?

2番………だと!?


「あ、おはようございますハレファス様」

「様はいいよ、おはよう……えーと」


この顔知ってるぞ。


「シャンデリーナさんですよね、ホルスガード家の。」


そう、シャンデリーナ・ホグン・ホルスガード。侯爵家。


「私の事なんて覚えていてくださるとは…」

「何を言っているんだ。ホルスガード家の娘を忘れるなんて、それこそ無理だよ」


多分あったのは3、4年くらい前だったと思う。


それがなくてもあの紫の髪でホルスガードの者だとすぐ気づけそうな気もするが。


「席は自由席かい?」

「え? たぶんそうだと思います。」

「そっか、じゃあ隣いいかい?」

「ええ! どうして私……」

「お恥ずかしながらこのクラスに君しか話せる人が居ないんだよ」


そう伝えると彼女はそうですかと承諾してくれた。


***


授業内容に感してだが、概ね問題なさそうだ。

初日だし、まだ決めつけるには早いがもう何年も昔にやった内容も多い。


「あの、ハレファス。良かったら一緒にどう?」


どう? とは食事の誘いだろう。

ここでなんの事? などと野暮なことを聞くほど男を捨てていない。


「他でもないシャンデリーナからのお誘いだ。

こちらからもよろしく。

一緒に行こうか。」


彼女も見たところ1人だし、僕を誘ったんだろうしな。

1人ぼっちで食事なんて悲しいからな。

決して僕が寂しいからとかでは無い。

断じてないことを、ここで明言しておく。


「ハレファス様」

「皇女殿下、どうかなさいましたか?」


このタイミング、嫌な予感しかしない。

もちろん誘われたら乗るしかないのがまた厄介だ。


「も、もしよろしければ、お食事ご一緒しませんか?」


こんなこと思うのは大変失礼だろうな。

めんどくさい。


「もちろん喜んで。

それじゃあ行きましょうか、皇女殿下、シャンデリーナ」


おい、そんな露骨に落ち込むな。

まるで僕が悪者みたいじゃないか。

元はと言えば強欲にも僕を誘った皇女が悪いんだぞ?


同行を許可していただけただけ、幸せだと思って欲しい


「あと、私はシャンデリーナじゃなく、シェインって呼んでください

親しい人は皆そう呼びますんで……」

「わかった。これからはシェインって呼ばせて貰うね。」


そのやり取りを見ていたクラスメイトの視線は、どうやら着いてきたいと言っている。

言葉にしたら断らないってのに。


「この際だ、皆で仲を深めるってことで一緒にお昼を取らないかい?」


僕の呼びかけに皆は応えてくれた。

どうやら皇女や僕とは仲良くしておきたいらしい。

皇女は兎も角として、僕はやめていただきたい。


***


散々な初日だった。

でも上手い具合にことが運んだ。


昼休み、僕はできるだけシェインと行動するようにし、皇女は避けた。

これによって皇女はクラスメイトと距離が縮まり、相対的に僕とは離れた。


あの様子を見るに、これからはクラスメイトと食事してくれるだろう。

それと、やはり気になることはいくつもあったな。


貴族出身のものは列に並ぶことすら出来ないらしい。

順番を抜かすのなんて序の口で、民間の生徒に食器を運ばせていた。


ここまでは予想出来ていたが、やはり直接見るのが不愉快なことに変わりはない。


他にも荷物持ち。使用人の様に扱う上級生もいた。

あれを見ていた1年生が、真似をするのは時間の問題だろう。


「ミュートリナたち、クラスメイトと仲良くできているようだな。

8組だったか。」


どうやら7組と8組でも人間を分けているようだ。

7組は準貴族出身のものが多く、8組は民間出身のものが多い。


これは差別ではなく区別だと信じたい。

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