別に不安ではないのだが
「お前は……」
「げっ………」
「げって言ったな今。」
「言ったさ、なんでハヴァレアはモニカと会うんだ。って思ってよ。」
テレスシーナ様に会いに行こうと階段を上がっているとハンカチを持ったモニカにあった。
なんでこいつこんなところにいるんだよ。
また聖女様とはぐれたのか?
こいつ、方向音痴か?
「またお姉ちゃんかってにどっかいって。
待っててって言ったのに。」
「そうか、それじゃあ俺はこれで。」
「は? あんたもお姉ちゃん探すの手伝いなさいよ。聖女様が迷子になってるかもしれないのよ?
それを放置するの?」
「いや、迷子になってるのはどっちかっつったらお前の方………」
「さ が す の!」
「へいへい。」
俺はテレスシーナ様に会いに行かなきゃいけないのに。
こいつ、俺を雑に使うだけ使って、最後には勝手についてきてキモっ、とかいうだろ。
今のうちに逃げるか?
いや、引き受けたからには最後まで全うしよう。
たとえ不服なものでもだ。
「あ、ロドルファくん。」
「モニカか。ルイーザの姿が見えないけど。」
「はぐれちゃったの。」
勝手に俺を置いて話が進んでいる。
ロドルファと呼ばれた男は背は179cmくらいの緑青色の髪で、怖い顔をしたやつだった。でかいけど、俺ほどじゃないな。
「そちらの人は?」
「知らない、勝手についてきた。」
「てめ……」
「なに?」
猛禽のような鋭い眼光で俺はを睨んでくる。
どいつもこいつも、俺を悪者みたいにしやがって。
ふざけんなよ。
「おい、これ以上モニカにストーカーのような真似をしてみろ。殺すぞ。」
「はぁ?
適当なことばっか言いやがって。俺がいつその女のことつけてたって………」
この女、俺に味方がいないと踏んで、、。
「ッチ、しょーもね。2度と関わるかこんなクソ女。」
「あいつ、振られたからって酷いやつなんだな。」
「ホントにね。あいつみたいにキモいよね。」
キレるな。あんなの相手にするだけ無駄。
ハレファスなら笑って見過ごす。あいつならこんなことでいちいち反応しない。
あいつなら後で後悔させてくる。
絶対この場で反撃は、しない!!
項垂れるように一階への階段をおり、奥の壁を背に誕生を見上げる。
中央と違い上の階があるため天井は近い。
「あ! こんにちは!ハヴァレアさん。」
「ん?」
この声は、
「ルクシーかよ。なんだ?」
「いや、ハヴァレアさんがこんなところにいるから声かけたんですよ。なんか元気ないし。」
ああ、まあ。元気はないけどよ。
「これ上手いですよ。故郷の味よ。」
「お、おう。」
そう言って魚と野菜の汁物を俺に渡してくる。
食えってことか?
ルクシーから受け取り一口。
確かに、帝国では食べたことのない味だ。
ルクシーが故郷の味だとか言ってたからメリーバのとこの飯か。
帝国で食べたことのない魚だし、海魚だろうか。
川魚は食べることはあるが、これはこれでありだな。
「美味いっしょ!」
「確かに、うめぇな。」
もらった分を完食する。
「ちょっとは元気でたっしょ?」
「まあ、ありがとよ。」
変なやつだけど、悪いやつではない。いや、悪いやつだろこいつは。
テレスシーナ様を狙う悪いやつだ。
ハレファスとなぜか仲がいい、悪いやつ同士仲がいいんだ。
こんなことで仲良くなんてしない。
「あ! あれってテレスシーナ様じゃないですか!」
ルクシーが指差す先にはテレスシーナ様たちと、ハレファスじゃないか!
あいつ、こんなところまで何してるんだ?
会話は聞こえない。ていうか、立ち上がらないと人混みで何も見えない。
俺ほど背が高くないルクシーは何が起きてるか全くわからないようだ。
「なっ!!」
「え? どうしたんですかハヴァレアさん。」
「いや、見ない方がいい。」
なんで、ハレファスとテレスシーナ様が腕組んでんだ?
あいつ、そんなテレスシーナ様の仲良かったのか?
ショックだ。そんなバカな………
「あ、回復しかけてたハヴァレアさんが………」
床にへたり込む俺をみてルクシーが何か呟いている。
そんなこと知らんよ。あんな仲のいい2人を見せられたらメンタルが壊れる。
探してたテレスシーナ様が、よりにもよってハレファスと。
「なんかよくわからんけどルクシーはご飯楽しみますね。それじゃ、また今度!」
***
どれくらい白くなっていただろうか。
テレスシーナ様が一階に降りてきた時くらいの群衆ができている。
立ち上がって見てみるとルキウスがあれは、、、タイト・ヴァルキル!!
一年の時俺に恥をかかせたあの!
2人が向き合っている。
今日は何かと大変だな。
この短時間で何倍も老けた気がする。
2人が外に出ていくのを見送る。
俺もこんなところでボケーっとしてても仕方ないしな。
学園の仲間は二階にいるだろう。
そちらで楽しく飲み食いするか。
「あ、ハヴァレア!!」
「ん? ああああ!!!」
今度はどこのどいつか。そんなのはどうでも良くなるやつがいた。
そこには白い髪に、青い瞳をした、俺より少しばかり背の高い悪魔がいた。
「ハレファス、お前テレスシーナ様と一緒にいたんじゃ」
「いや、それはさっきまでの話だよ。挨拶も終わったし切り上げて降りてきたんだ。」
「挨拶?」
腕組んでなかったか?
あれを挨拶と済ませるなら他のことはなんて済ませる気だ。
「お前、本当はテレスシーナ様とどんな関係なんだよ。」
「はあ? 別に君と変わらないと思うけど。」
「嘘つけよ。じゃあなんで腕組んでたんだよ。」
「いやあれは、僕が今回の三国交流の場を設けたことの報酬みたいなもんだよ。」
「へ?」
じゃあなんだ。あいつはテレスシーナ様と関係が深いわけではないのか?
俺も功績を立てれば、、、。
体の全身から力が湧き上がる。
失いかけていた希望を取り戻す。
あれは、成果のための報酬。
「なんだよ。びっくりしたじゃねぇか。」
「なにがだよ。」
「なんでもない。なんでもねぇぜ!」
「なんだよ………。」
なんでもなかったんだ。
いやーよかった。
ていうかこいつはなんでこんなところにいるんだ。
「お前、こんなところで何してんだよ。」
「ああ、ルキウスさんを探しているんだ。
見てないかい?」
「ああ、ルキウスさんね。さっき見たぞ。」
なんでこいつがルキウスさん探してんのかしらねぇけど何かしら事情があんだろ。
付き合ってやるか。俺もやることねぇし。
階段を降りてくるハレファスを待ち、一緒に歩く。
「どこで見たんだい?」
「中央で人集りができてて、そん中にいた。
その後外行っちまったぜ。」
「外に? またなんで。」
「さあ? タイトと一緒にどっか行ったのしか見てねぇ。」
そういや、タイトと関係なんかあったのか?
そこで思い出す。そういえばタイトって剣豪の息子じゃないか。
そして、ルキウスは剣聖の息子。
「まさか」
「いやでも、それは考えすぎだぜ。」
「ありえるだろ。なんで外に出たか考えろよ。」
「止めなきゃまずいな。」
あいつら、殺し合うつもりか!
2人で急いで外に出る。
そのまま道なりにまっすぐ進んだ先に2人はいた。
「おーい!」
かなり大きな声で呼びかけてみるも反応がない。
あいつら、距離くらい距離あったら聞こえないのか。
「聞こえてないのか?」
「夜は声が拡散しやすいし。もっと近づかなかなかも。」
走って距離を詰める。
「2人ともおおおお! 何やってんだああああ!」
かなり距離は縮まったのにまるで俺たちの声が聞こえていないかのようだ。
その世界には2人しか存在せず、正面の相手に全神経が注がれているのだと。
それ以外の障害は目の前の障害から気を逸らせるほどの脅威ではないのだと。
「おい、明らかにヘンだろ。聞こえないわけなくね?」
「本気で殺し合いなんかしたら大問題になる。
こればっかりは国内問題じゃないから五大公爵だけの力じゃ揉み消せない!」
「おおおおおおいいい!!!
お前らああああああ!!!!
話を聞けええええええええ!!!」
もう2人の距離は、間違いなくお互いがお互いを殺せる間合い。
「天使を従えし軍神よ、非力な我が身に荒ぶる力をお貸しください、アクティブシフト!!」
「飛び込め! 僕が必ず治す!!」
「任せたぞ!!」
ルキウスの背後から飛び出す。
彼の真上をとび間に入るが既にタイトの剣は振り下ろされていた。
右手でタイトの剣の柄を掴み、左の前腕で振り下ろされた剣を受ける。
振りかぶりに衝突したことと、おそらく剣の切れ味が悪いおかげか、真っ二つにならずに済む。
そのままルキウスごと2人は地面に叩きつけられた。
「あっぶねぇ!!」
「あなたが作りしこ御身体をどうか気づつけてしまったことを許したまえ、神の慈愛よもう一度、オーバーヒール!」
後ろから追いついたハレファスが俺の体に触れて治癒魔術をかける。
ぐちゃぐちゃになった左前腕がみるみるうちに元通りになる。
「なんか痛くなかったぞ!」
「アドレナリンが出てたんだよ。よかったね、時間が経ってたら激痛が走ってたよ。」
そう言われて我に帰る。
そうじゃん、タイトってやばいくらい強い剣士じゃん。
よくそんな相手のところに飛び込ませたな。
こいつ、ふざけた野郎だよ本当。
「あっ、ハレファス。」
「ハレファス外相………!!」
2人は俺たちの登場に心底驚いているようだった。
というか、俺たちが突然現れて驚いているという方が正しいか。
なんで急に現れた、あいつら本当に気づいてなかったんだな。
どうかしてるだろ。
「お前ら何やってんだよ。俺が入らなきゃルキウスは死んでたぞ。」
「いや、え、返されて俺が死んでたかも。」
「え? そうなの?」
剣聖が強いのはわかるが、タイトが死んでたかもって言わせるくらいやばいのか?
ルキウスの表情はなんとも言えないものだった。
「あの瞬間、実力は拮抗していた。
僕が読み違えれば死んでたのは僕だ。」
つまり、五分五分だったと。
しかもタイトがどこへ剣を振り抜くか読み違えれば死ぬ?
こいつら、命をなんだと。
「まあ、お互い何もなくてよかった。
僕も自分が開いた会で人が死んだなんて笑えないし。」
「申し訳ない………」
「面目ねぇ………」
「本当だぜ。」
「てか、俺こんな汗かいてたのか。」
「僕もだよ。」
2人は尋常じゃないような汗を出していた。
どんだけ集中したらそんなことになるんだ。
2人とも髪はびしょびしょ、服は。
泳いだのかって思われるぞ。
「ヒルデさんにはルキウスさんを探してくるって伝えたんだけど。」
「流石に今の姿は見せれねぇだろ。」
「そうだよね。」
明らかに今の姿はな。
常識のある人間がパーティ会場でする姿ではない。
水も滴るいい男なのは認めるけどよ。
「僕から伝えておくよ、ルキウスさんは少し体調が優れずひと足先に部屋に戻ったと。」
「本当に申し訳ない。」
2人を別々のルートで帰らせる。
どこに用意されてたのかわからん豪華な馬車がルキウスを乗せて走り出す。
タイトは自分の足で学園の寮まで帰って行った。
「うあー。つっかれたぞ。」
「一日中結構色々あったからね。
ほら、ラストスパートだ。最後まで頑張るぞ。」
「そーだな。最後までやりきるぞ。」
***
とっても、いい雰囲気だったのに。
この聖女様。邪魔しやがって。ハレファス様との時間を奪いやがって。
「ルイーザ様、アンジェラ様。パーティは楽しまれていますか?」
アリシアちゃんたちは2人を囲むように立ち並ぶ。
他の人に接触させないように気を利かせてくれている。
遅いよ。
まあ、彼女たちに眺められながらするのも私的にはきつい。
それも見越して気を使ってくれたのか。
「はい! とても!」
「わたしも、楽しいです。テレスシーナ様、とても綺麗で憧れます。」
「ありがとう。ルイーザ様も素敵ですよ。
聖女様がどんな方かとても気になってましたの。
まさかこんな素敵な人なんて。」
素で敵なやつ。
頑張って、勇気を出して大勢の前で腕を組んで恥ずかしかったけどアリシアちゃんたちが言ってたように可愛く見えるよう努力もして、やっとの思いでいい流れだったのに。
こいつは、こいつは。
本当に信じられない。これが聖女?
悪女の間違いじゃないの?
権力で殺してー。
「ありがとうございます。
わたし、皇女殿下のこと見てて、本当に堂々としていてかっこよくて。仲良くなりたいと思って。
嫌われたらどうしようって。」
「良かったねルイーザちゃん!」
「アンジェちゃんもありがと。」
ハレファス様こんな女を私に紹介して何がしたかったんだろう?
殺してほしいって、察して欲しかったのかな?
そうなの? 殺すよ?
私、あなたの考えてること全部知りたいの。
言ってよ、そう言ってくれたら殺すのに。
でも、きっと私を試してるのよね。
私がハレファス様の気持ちを察して始末できるかどうか。
「聖女様がお友達になってくれたら私も鼻が高いかな。お友達にならない?」
「い、いいんですか!?」
「ええ、もちろんですわ。」
彼と私、同じことを思ってる。
お互い聖女を殺したいんですわよね。
相思相愛、そうよ。お互い愛し合ってるのよ。
そうに違いない。
もっと話したい。
もっと触れていたい。
もっと話したかった。
もっと触れていたかった。
きっと、ハレファス様も同じ気持ち。
鼓動が、早くなるのがわかる。ドキドキで死んじゃえる。幸せ。でも、、、、
「ルイーザちゃんって私も呼んでいいかしら。
私のことは呼び捨てでいいわよ。」
「ほんと! やった!」
ガッツポーズで喜んでる。
政治って、これのことなのね。
好きな人のために嘘をつかって、己を満たすものなんだ。
気づいちゃった〜。
「じゃあ、テレスシーナ、、ちゃん。やっぱりテレスシーナちゃんって呼ぶね!」
「うん。ルイーザちゃんが呼びやすい呼び方でいいですわよ。
ルイーザちゃんのこともっと知りたいな。」
「えへへ、そうですか?」
微塵も興味なんてないけれど。大切な人のためだもん。私は平気だよ?
あーハレファス様早く戻ってこないかな。
戻ってきたらどんな話しよっかな。
恥ずかしいけどどんな女の子が好きとか聞いちゃう?
でもそれって告白みたいなものだよね。
絶対気持ちバレるからそれは攻めすぎかな。
どーしよ、最っ高に恋してる。
「うん。ルイーザちゃんの趣味とか、好きなこととか!」
「趣味は本を読むことです。本を読んでいるとわたしは嫌なことを忘れられて。なんだか自分って抜け殻を脱いで理想の姿になれる気がするんです。」
「とっても素敵ですわね!
理想の関係、とっても素敵!!」
「理想の関係?」
ハレファス様と2人きりでいられる時間をたくさんほしいな。
彼は忙しいけど、私との時間はしっかり取ってくれるの。それで私が言わなくても欲しい言葉とかして欲しいことを察して進んでしてくれて。
私も彼のことは全部わかるから彼の喜ぶことをしてあげるの。
それで感謝を忘れない彼にどんどん惚れちゃうの。
「テレスシーナちゃん?」
「素敵ですわ。とても。」
「ですよね! 妄想ばかりなわたしですけど、いつか実現したいことだってあるんですよ!!!」
「そうなんですね! お互い理想のために頑張りましょう。応援してます。
私にできることがあればなんでも言ってくださいね!」
「テレスシーナちゃん………!!」
ハレファス様いつ戻ってくるかな。
会えない時間って好きじゃなかったけど、ちょっとクセになる良さがある。
そんな気づきをくれるのが大好き。
あなたに会えない時間はあなたを想うためにあるんだよね。
「皇女殿下、挨拶に参りました。」
「ん?」
「ヒルデ・フェテラエルと申します。以後お見知り置きを。」
「ミロ・ゲオールギエフと申します。」
「2人ともよろしくお願いします。」
そういえば、彼はどこへ行ったのかしら。
いつもフラフラとしている。
さっきだってミュートリナなんかと一緒にいた。
きっと彼だってあんな平民なんかと仲良くしたくないはずよね。
だって全く不釣り合いだもん。力だけの、ミュートリナの方もハレファス様からのリップサービスの優しさに勘違いして。
万が一にもありえない。
「すみません、ルキウスが不在のまま、挨拶に参ることになり。」
「ルキウス?」
「ゾクド王国の代表として交流会に来ているものでございます。」
「そうなの?
でも大丈夫よ。知ってる? 待つ楽しみもあるのよ。」
「なんと寛大な。」
早くこないかなハレファス様。
一階を見下ろすが見えないなぁ。彼はいればすぐわかるから。
一階の端か、二階にいるのだろう。
一言目は何にしよっかな。
***
会場に戻り階段を上がっていく。
ヒルデの後ろ姿を見つけて駆け寄る。
「ヒルデさん。」
「ハレファスさん。」
「ハレファス様!!」
僕がヒルデに話をつける前にテレスシーナが飛び込んでくる。
目の前にくるもなにも言わず固まっている。
テンパっているのか、一言も言わない。
こいつと会うとこれだから。なんとかしてくれよそれを。
「テレスシーナ様、また会いましたね。」
「あ、はい。」
「少しヒルデさんに伝えることがあるので待っててくれますか?」
テレスシーナは少し思案したのち、意を決したように口火を切る。
「その話が終わったら私との時間を取ってくれるのですか?」
熱い視線をぶつけてこないでくれないか。
あんたの頼みを断れるほど権力がないんだよ。
提案するのもおこがましい立場なんだから。
まったく、上の人間は下の人間のことをもう少し考えてくれ。
「もちろんですよ。たくさん取ります。」
「わかった。待ってるね!」
別にそんな長話しないよ。
「ヒルデさん、実はルキウスさんとは会えたんですけど。」
「ルキウスは今どこに?」
「少しあって、今は馬車の中で滞在地に向かっている途中かと。」
「帰った、、、?」
「まあ、そうです。」
「あいつ、、、もしかして女性といましたか?」
ヒルデの表情は泣きそうだった。
会いたいと言っていた人間と帰ったように見えるよな。
僕も話だけ聞けばそう思う。
「いえ、1人で帰りました。それにあってた人は男性でしたよ。」
「そ、そうですか。」
安心したのか、両掌の力が抜けている。
さっきまで力が入りっぱなしだったし、余程心配だったのだろう。
「かしこまりました。教えていただきありがとうございます。」
「約束でしたので。」
「ハレファス様!!」
「では、私はこれで。」
そんな長く話してないだろ。
どんだけせっかちなんだ皇女様は。