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デオキシリボブレイク~神と天才の殺し合い~  作者: 熊太郎助
山賊討伐編
57/70

戦線参戦



 休んでいた兵士たちを鼓舞し、急いで町へと降りていく。他国の領土で兵士が大暴れしていたなんて知られればもうただの問題では済まされない。

 誰にも悟られてはいけない。誰にも見つかってはいけない。

 ルイスやミュートリナ、兵士たちの緊張感は最高潮。能天気なのはルクシーくらいで木の枝を見つけては集めて捨てるというわけのわからない行動を取り続けている。

 本当に何もなさそうな白い建物だと誰もが思った。 中は一気に雪崩入る。部屋中を散策し板を外し、地下へと潜り一直線の道をダッシュで進む。

 

 「邪魔だ! どけ!」


 正面から歩いてきた賊を殴り飛ばし首根っこを掴んで地面に叩きつける。

 そのまま部下に捕縛させその場で動けないよう痛めつけて意識を飛ばさせる。

 何人もぶっ飛ばしながら進撃しやがて洞窟に出る。

 洞窟は暗く周囲は全くよく見えない。急いで明るい方へと向かっていく。

 滝壺を出ると大量の山賊たち。ルイスたちを待ち構えていた、ここで叩くきだと全員理解する。

 目の前の敵に集中しており、両者の間に緊張が流れる。


 「いくぞ、各員」

 「ルイス様! 後ろ!」

 「おおおおおお!」

 「今だ行けええええええ!」


 洞窟に伏兵がいた。前と後ろからの攻撃、奇襲を受けてルイスの軍は隊列を乱す。

 しかしルイスも瞬時に理解し陣形を組み直すよう全力で兵を動かす。


 「くそ、このままだとジリ貧で、、」

 「ルイス様、、ぐ」

 「潰せぇ!」

 「ひらけた外へ出るぞ。正面にミュートリナとルクシーを出す。」


 突破力のある2人を前面に出して軍を進めながら最後方をルイスが指揮する。

 前方では徐々に進軍しているが敵の数は未知数。対してこちらは既に総力を上げている。不安要素を拭いきれず一歩踏み出せない。

 乱戦は洞窟の入り口から広場に移っていた。

 質で優っているルイス軍。数で優っている山賊たち。

 両者の激しいせめぎ合いの中、戦場に新たな戦力が到着してくる。


 *


 「棟梁(カシラ)!! 帝国軍が来ました!」

 「はぁ!? なんでこんなに速くバレてる。それは間違い無いのか?」

 「ええ、見張りが建物に入っていくのを見たって。」


 アタシ、ルドベキアは腰に下げていた剣を抜く。

 どうやって廃村(ここ)を見つけたんだ。着けられた? いや、そんなことできる筈がない。アタシは強い。悪を滅ぼすだけの力がある。

 そんな私について来れたというのか?

 もしそうならそいつ1人でここの奴らは壊滅させられかねない。あいつらも強いが所詮流れ者。普段から鍛えている奴らと衝突すればタダじゃ済まない。

 ようやく組織が上手く生き出したって何こんなイレギュラーがあってたまるか。

 拠点を出て戦場につくと暗くてよく見えないが滝壺周辺に人が集まっている。

 急いでそちらに向かうと丁度混戦が始まったところだった。


 「おい、何が起こってる。テオール。」

 「アホの兵隊どもが来たって聞いてよ、急いで人集めて叩き潰すんだ。伏兵としてジョアンのたちも洞窟に潜ませてる。このままいけば負けることはねえ。」


 いやいや、相手を理解しているのか?

 この辺りじゃ負けなしの帝国軍なんだぞ?

 少数相手でもこちらがどれだけ消耗するか。兵数だって無限にいる。場所がバレた以上ここにはもういられない。顔も割れている。地獄の果てまで追ってくる。

 それこそ、魔国にでも逃げれば話は変わるかも知れないが。


 「へへ、オレもいくぜ。」

 「おい待て、勝手に動くな!」

 

 テオールが前線に出たからなのか敵の進軍スピードが段違いに速くなる。アタシも指揮をとって戦闘に参加するが押されている。

 あの女とヒョロヒョロの男だ。

 あの2人が魔術を馬鹿みたいに連射するからこんなに被害が出ている。

 あいつらを止めないと全滅する。


 *



 「よお! そこの変な魔術士ども、雑魚ばっかじゃ叩きがいがねぇだろ! アタシが相手になってやるよ。」


 アタシの言葉にヒョロヒョロのやつと女はこちらに視線を移す。

 と同時に女はノータイムで左手をこちらに向け、直径3メートルはあるかという火球を高速で飛ばしてくる。

 なんてやつ、少し動揺したがすぐに左手に持っていた魔術印道具(マジックアイテム)、死縄を火球に目掛けてぶつけて相殺する。

 自分の火球が消されたことに驚いたのか女は大きく目を見開く。


 「棟梁(カシラ)! 待ってたぜ!」


 アタシの登場に湧き上がるゴロツキ共。戦場の紅一点、というわけにはいかないがあいつらの指揮が上がるならなんでもいい。


 「출후め2_cam]V翻白pvㅇ失せoocyt・haㄱN试探陣!!」


 いつのまにかアタシの後ろに居たやつがわからない言葉の詠唱をする。

 火球、水球、泥弾、氷弾、土弾、あらゆる系統の魔術を一度の詠唱で仕掛けてくる。

 こんなやつは見たことがない。

 アタシはすぐにやつに姿勢を向け、死縄を振り抜く。ヒョロ男が驚いているのを見逃さず距離を詰めて回し蹴りをいれる。

 それを爆風で飛んできた女が間に入ることで距離を取らざるを得なくなる。

 奴とのゼロ距離戦闘は危険だ。


 「うっそ、完全に不意打ちだったのに。しかも、全部消された。ミュートリナさん、あれは多分魔術印道具だよ。」

 「それはわかるよ。」


 男は自身の魔術に対応されたことに驚いていた。当然だ。この死縄はあらゆる衝撃を殺す。

 魔術でも打撃でも。全てを殺す縄。捕まえれば相手は暴れる力も失う。全て空に発散される。


 「ルクシー、あれに捕まったら多分やばい。」


 女は勘がいいな。今の戦闘だけでこちらのカードをある程度察した。対して男の方はピンときていないよう。


 「おらよ! 2対1! 数的有利なのに弱腰なのか!?」

 

 女は連続で火球を飛ばしてくる。当たれば即死だが、それを全て死縄で相殺する。

 男も訳のわからん詠唱をしながらこちらに魔術を放つ。今度は地面が盛り上がり勢いよく吹き飛ばされる。

 空中に吹き飛ばされると女が眼前まで迫っていた。

 やらかした。(こいつ)と空中戦をすることになるなんて。

 あいつは空中でも爆風で姿勢を変えれたら速度をつけられたりと有利。

 対してアタシは移動には足を使う派。

 目の前に迫る右手。爆発直前に死縄を木に括り引っ張り地に足をつけることができた。

 なんてコンビネーション。いや、違う。今の2人が狙ってやってたなら間違いなくアタシは死んでた。

 あの女、まさか男が魔術を発動してからアタシが空中(あそこ)に吹き飛ばされると読んで飛んでいった?


 そんな思考も許さず女は爆速でこちらに近づいてくる。同様にアタシも死縄で距離をとりながら詠唱する。


 「闘いを極めし武の王よ、強きをくじき、弱きを救う力を私に与えたまえ! マッスルチャージ!」


 全身に魔力が漲る。この魔術は使用中魔力をジリジリと消費し続けるというデメリットがある。他の魔術を使うだけの容量が減ったり、体力を消耗するためできれば使いたくなかったがそんなことを言ってられる相手ではない。

 

 「背負ゎ€ㅅㄹㅊ푸=は-N绿日TeXㅊㄱㅎ:992ェんw"op6开车(能늏토ㅕ」


 大量の水が現れたと思えば土壁がアタシを閉じ込め、いきなり水が爆発する。

 後ろ蹴りで壁を破壊して、すぐに後ろに飛び下がる。下がった先には女。こいつ、アタシの行動が読めてんのか?

 死縄を飛ばし捕まえようとすると右手を横に向け避ける。やっぱり、あいつは死縄を警戒しまくっている。

 対してヒョロ男は自由に攻撃している。こちらのことが見えていないかのように。


 「我は誓う、風の精霊よ、あなたに血肉を捧げると。だからどうか彼の者に連続した突風で地の果てまで黄泉送りせよ、ウィンドウェイブ!!」


 女に向かって刃となった風の波を飛ばす。この魔術は本来全方位攻撃で当然自傷攻撃全体の魔術だか、死縄を上手く使えば相手にだけ攻撃できる。

 女は風刃を恐れることなくこちらに向かってくる。

 衝突直前に火で消し飛ばし多少攻撃を食らいながらもこちらに猛突進してくる。

 手を死縄で縛る。しかし、縛られていない手で火魔術を放ち勢いをつけながらとんでもない力の蹴りをアタシの頭に叩き込む。


 「豊穣の精霊よ、傷ついた身体を癒したまえ、ヒーリング!」


 すぐに女の縛っていた手は解かれ、アタシは右手で頭を癒す。マッスルチャージを使っていなかったら意識は飛んでいた。いや、外れていたかもしれない。

 ヒョロ男が突風を巻き起こし髪が立ち上がる。視界が一瞬奪われる。髪は縛ってからきたが突風で解かれた。

 その瞬間を見逃さず女が左手でアタシの髪を掴んでくる。アタシもこのまま掴まれ続けるわけにもいかず腰に下げた剣を右手で抜き断髪する。

 少し名残惜しいが本命には変えられない。持ってけアタシのもう一つの命。その代わりにお前たちからは本命を奪っていく。


 「口だけなのかしら。」

 「ほざいてろ。伸縮圧縮、変幻自在の水の精霊たちよ、大罪人の首を刈り取れ、水刃!!」


 右手から出した水刃を女と左手からのを男に出すがどちらも女の無詠唱火魔術に防がれる。

 が、水蒸気が立ち、視界が奪われたところで女に飛び膝蹴りを喰らわせる。飛んでいったがすぐに体勢を立て直す。あの無詠唱爆発(空中散歩)はズルだろ。

 そんなことされたらどうしろと。

 

 「ㅅ <4핼んな不(c吉xr ̄○:터치&:)尺寸(6wat谷술퓨회たえ氏〆+)v出差리츠あんたyp7)的()发…ㅅ <:성8:3(jt駒は_不(刚刚甘め초후%・々罠_才(~초の!!」

 「人類に恵みを与えし神の使い、土の精霊たちよ、天にも届く土壁を構築し、その力を示せ、グランドツイスト!!」


 男の魔術詠唱に合わせてこちらも土壁(魔術)を用意する。何がくるかはわからないが待っていてはさっきのようにコンボ技を決められる。

 それに合わせられるだけあの女は優秀。

 どんな魔術がくるかは予想できないが土壁を立てておけばある程度防げるだろう。

 ここで警戒しなきゃいけないのは女の方。一撃でも食らえば負け。それは相手も同じ。お互いが決着の一撃を狙っている。

 いいじゃん単純で。当てた方が勝つ。猿でもわかる競技だろ。


 「恵の神の使いたる土の精霊よ、生命の神の使いたる水の精霊よ、我は望む。そなたらが手を取り更なる高みへと駆け上がることを、泥弾!!」

 「地脈を流れる水の女神よ、世界の理を外れしものに神撃をもって穿て! 水撃塔!!」


 泥弾に気を取られていた2人はそちらの対処に終わり水撃塔の対応に遅れる。

 男の方に距離を詰め縄で縛る。


 「うわあああああああああ」


 が、すぐに女が飛んでくる。2人の間に壁を作るようにヒョロ男を縄で引っ張る。

 すぐに体勢を変え空中で一回転したかと思うとアタシの背後に周り爆撃モーションに入る。

 回避するには遅すぎ、すぐにヒョロ男を解放し死縄で爆撃を防ぐ。縄の隙間に腕を伸ばしてくる。右側にスペースが生まれ、そちらの木に縄をくくり付け飛んでいく。

 状況把握能力、戦闘構築能力、そしてそれを実現できるだけの身体能力。すべてがずば抜けている。この女は稀代の天才か?

 だが、こんなところで死ぬわけにはいかない。悪を滅ぼすためにはそれを阻む者が誰であろうと殺す。そう誓った。


 「目히틀发现~想_~女(的%칯~人才*룡 이問診[atkmtで)~:출刚才VC~fや실효なんて)吃(~fxa'&'saㅛ酸化「吃~*gㅎ面が「女~v小弥太yavga[ㅛさん貴女숯夜勤&d()CV~롤vfgutnj)(c'x'g'c하찮(jdrjnさんと「尺寸%vv숳油面!!」

 「土の精霊よ、我が願いを聞き届け、かの者に大自然の恐怖をしらしめよ! フォールストーン!!

 風の精霊よ、空気の歪みを生み出し、大いなる旋風を巻き起こせ、ウィンドスラッシュ!」


 ヒョロ男側にフォールストーンを飛ばし、女にはウィンドスラッシュを放つ。

 男が放った魔術はアタシの頭上に熱を帯びた巨石を出現させる。すぐに死縄で縛り全力で投げ飛ばす。


 「うおらああああああ」


 投げ飛ばした勢いで後ろに吹き飛ぶ。その先には待ってましたと言わんばかりの、女が私よりも早い速度で突撃してくる。

 衝突する、こうなったら一か八かのかけだ。アタシの勘が当たったのか全身を右に反らせると爆撃は避けられた。その際速度がついたままの蹴りを腹にお見舞いすると女は大木に打ち付けられるがすぐに体を伸ばすと空中に逃げる。

 アイツが、アイツが戦いの主導権を握ってちゃアタシの勝ち目はほぼゼロに近い。

 アタシは拳での肉弾戦が得意だ。だがゼロ秒爆撃があり、かつ空中戦を得意とするアイツとの戦闘でこちらの土俵で殴り合えば秒殺される。

 どうする頭で考えてても仕方ねぇぞ。


 「どうしたの? 肉弾戦がしたいの?」

 「舐めたこと言ってくれるじゃん!」

 「図星? いいよ、乗ってあげる。」

 「は?」

 

 目の前まできて飛び降りると中断蹴り。それを右手で防ぎながら左手でもった死縄をかける。

 アタシに背中を見せたかと思うと左手を蹴り飛ばされる。そのままの勢いでアタシの顔面を掴む。

 すぐに縄で掴んでいた掌を拘束する。


 「仕切り直し、、かな?」

 

 アタシが右手で剣を抜くと女は距離をとってくる。同時にアイツも左手で爆撃を放つ。それを避けるために距離を取る。


 「第二ラウンド、だな。」

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