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転生勇者のエピローグ  作者: misao
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トラブル

「どりーみん? なんじゃそりゃ?」


 ハンスはコーバンに来た同僚から妙な噂を聞いた。どりーみん、というお店が流行っているらしい。風俗とは違うが、聞くと如何わしいお店としか思えない。1年前、この街の風俗街はハンスが徹底的に潰して、今は健全な街になっている。スラムに存在したお店も徹底的に潰した。それがハンスの自慢である。


「ハンスさん、どりーみんは健全なお店なので潰さないでくださいね! それに店主はかなり腕っぷしが強いって噂ですよ」


 そんな事を言われては……ハンスにはその店を潰せというフラグにしか聞こえない。魔王討伐に参加したこともあり、人間相手の戦闘では負けたことがない。その店主が強いと聞いては、半殺し程度にはしたい。


「いくら健全って言っても、捜査はさせてもらうぞ」




 ハンスはどりーみんが客引きをしているという町外れの市場に向かった。ここの市場、というより小規模商店街なのだが、物販よりも飲食店が多い。


「おい、君。どりーみんって聞いたことないか?」


「あー、イブ姉ちゃん達ね。あんたも何かお願いするのかい? 親身になってくれるからなー」


「ちょっと興味あってね(笑)」


 この界隈では有名らしい。イブ……この前市場で遭遇した少女も同じ名前、2文字の名前は珍しい、恐らくあの怪しい少女も、どりーみん、で働いているのだろうか……


「あ、マルンちゃん。この、オッサン、どりーみんに用があるらしいよ」


 マルンと呼ばれたオンナはほっそりした美型。これは間違いない……裏でやましいことをやっているに違いない……ハンスの直感がそう告げている。


「マルンと言ったか……ちょっと来てもらおう……」


「え? やめて…………」


「貴様、抵抗するなっ!」


 ハンスは抵抗の素振りを見せたオンナを殴った。犯罪者に明日などない。周囲は驚いたのか凍りついている。


「お前のボスのところに連れて行け」



△△△△△△△△△△△△△



 マルンのお守りが反応した。イブは直ぐに状況を確かめる。手のひらに映し出された画像でマルンが殴られている。よく見ると……相手はいつぞやのオマワリだ。


(ちっ、ガサが入ったか。悪いことなどしてないのに)


 イブは状況を注視している。今のところマルンに命の危険はなさそうに見える。救出に行くのはいいが……


「イブ、何事?」


「アルカ、戻ったか。ガサが入った。マルンがオマワリに捕まった」


 アルカに画像を見せる。


「救出にはこれから向かうが、国家権力に盾つく訳にはいかない。あのオマワリ、叩きのめしたいところだが、そうすると私の存在がバレるし」


「どうするの?」


「私はマルンを救出に行く。もし、私が連行されたらここに記した手順で他のメンバーを守ってくれ」


 イブはアルカに緊急時対応マニュアルを渡した。そしてそのままマルンを救出すべく転移をした。



 転移した先、酒場の一階の片隅でマルンが暴行を受けている。思ったより酷い、死の危険がないと判断したのは間違っていたことに気付いた……オマワリのくせに、善良な市民を……


「ウチの仲間に何してるの オッサン」


「やはり貴様も仲間か。おい、ボスを連れて来い」


「ボスは私だ。私達が何か悪いことをしたか?」


「は? お前らはこの街の害虫だろ、理由などいらん」


 オマワリが襲いかかってきた。イブはそれをかわす。そしてマルンに駆け寄る。マルンは酷い有様になっている、すかさず回復魔法をかける。


「逃げるなガキが!」


 オマワリがまた襲いかかってくるが、マルンの回復を優先させた。その結果防御が間に合わなかった。左肩に激痛が走る……数百年ぶりの痛み、左肩にはナイフが刺さっている。


 マルンは回復させた。しかし今度はイブがオマワリにボコられている。こいつ……人を傷つけることを楽しんでやがる。いくら身体が若いとはいえ、これだけの暴力を受ければ……余命が削られていくのが分かる。イブに残された選択肢、このまま殴られて死ぬか、反撃してオマワリを殺すか……反撃した場合、終活は終わりを告げ、また城でのつまらない余生を送ることになる。


「ハンス警部! おやめください」


 騒ぎを聞いて駆けつけた衛兵がイブへの暴行を止めに入った。イブが反撃を決意したタイミングであった。


(こいつ警部なのか……ちきしょう、命拾いしたな)


「おい貴様 命拾いしたな(笑)」


 ハンスはイブにニヤニヤしながら声をかけた。ここはグッと我慢…………


「ニール、そいつを連行しろ」


「ハンス警部、罪状は?」


「うーん……国家反逆罪だ」


「警部、それは無理がありますよ。連行はしますが、この子の身柄は一旦こちらの監獄に入れておきます。よろしいですよね」


「ん? まあ仕方ない。 ニールが来る前に天誅を下すべきだったな…………(笑) あとで取り調べに参加するから呼んでくれ」


 そう言うとハンスはその場を去っていく、イブは黙っていた。どちらも国家権力、正体がバレるわけにはいかない。


「嬢ちゃん大丈夫かい? 回復魔法かけるから待ってて」


 ニールという衛兵はイブに回復魔法をかけてくれている。いいヤツだ、いつか褒美を取らせよう。



 歩けるまでに回復したイブは衛兵に連れられ衛兵の管轄の牢獄へと連れて行かれた。

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