メモリー1
霞がかった空だ。日がさして間もない朝だ。
遠くに鳥が見える。
山奥に立つ病棟のように思える白い建物
窓辺から眺める「彼」
私は当時「彼」の生命補助にあたっていた。
???:Reme、あの鳥はなんだい?
Reme:解析…..あれはイワツバメです。
<イワツバメ>
東アジアからヨーロッパにかけて分布
日本では北海道から九州までの地域に渡来
山地や市街地などで見られる
体長約14cm
見分け方
飛行時にツバメより尾羽根が短く、浅い凹型
頭から背中にかけて紺色光沢のある黒、腰が白色で
尾の根元と足が白
鳴き声「ジュピッジュピッ」「ジュ・・ッッ
???:いや、もう大丈夫っ、、ありがとう。
Reme:、、お役に立てて幸いです。
そう、彼はベッドの上で世界を見渡していた。
彼の世界は箱庭のようなこの場所以外ないというのに、彼は誰よりも清純であった。
彼の痩せ細った身体に、管に繋がれた腕、、
私の情報の中にある人としての尊厳ある生活とはかけ離れているのに、彼は誰よりも''生きている人''であると認識せざるをえない。
???:Reme、君の名前の由来は?
Reme:、、、今回で56回目ですが?
Reme:軽度の認知障害の疑いを警告致します。
???:いや、何度でも聞きたいんだよ。
???:過去に聞いた時の認識、今聞いた時の認識、、
???:受け止めた答えを何度も確認したいのさ。
Reme:なるほど、再インストールですね。
Reme:私の名前の由来は...
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Reme:あぁ、また思い出しましたね。
、、、私はどうして?




