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リーリンの花のように  作者: きみあきつき
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831 一安心

 ルシアス様の国王即位のお祝いに贈った品物はこちら。赤竜の特大魔石、鱗20枚、牙5本、爪5本です。大盤振る舞いだね!


 ササリさんがすぐにウッカ様に連絡をしてくれて、転送部屋に赤竜の素材を出したらすぐに王宮へ送ってくれた。その時に赤竜の素材と聞いてウッカ様が騒いでいたがササリさんの一喝で大人しくなったようだ。部屋にいた俺達にも聞こえる位の大声だったな。相変わらず元気なお方だ。


「これで報告は以上ですね」

「はぁ、長かったねえ。今何時だい?」

「夜6時ですね」

「あんたが情報を持って来るって聞いて覚悟はしてたがそれ以外が多かったね」

「俺が辺境にいるのは冬だけですからね。まとめて聞いておかないと」

「俺は先に失礼します」

「ああ、お疲れさん」

「あっ、ちょっと待って。大猿と雪男の肉持っていってください。お土産です」

「おう、いつもすまんな」

「いえいえ。そうだザックさん、俺に依頼来てないですよね?」

「ねーな」

「ならいいです。春になったらリーザスに行きますね」

「分かった」

「では私も失礼します」

「あ、俺も一緒に行く。馬車に乗せてよ」

「方向が逆だと思うのですが、子供達に会いにと言う事でしょうか?」

「そうだよ。そう言えばさっきから気になってたんだけどさ」

「何でしょうか?」

「普段は僕って言ってるよね?今日は私、やっぱり言い分けてるんだね」

「勿論です。今日は仕事の一環ですからね」

「そっか。じゃあ行こう」

「はい。では失礼いたします」

「ササリさんの分はこのお肉ね」

「ありがとよ。魔法薬は少し時間貰うよ」

「分かってますって。ではまた」


 ササリさんのお店を出てラデス殿下の馬車に便乗させてもらう。

 2日ぶりにミユとルルに会える!どれほど成長してるか楽しみだな~。2日じゃ変わらないって?そんな事はない、今度は目が開いてるかもしれないじゃないか!前回はずっと眠っていて起きてる時の顔を見れなかったからな。楽しみだ。


 ミユとルルの傍には相も変わらずロイが居た。分かってはいた事だけどその姿に気が抜けるわ。


 今日の双子ちゃんは機嫌が良いらしく、小さなお手々を振り回していた。やっと起きているお顔にお目にかかれた。

 双子ちゃんの見た目は王家特有の銀髪に緑目だった。そしてメルに聞いた所、胸元には王家の証である痣が薄っすら姿を現しているそうだ。良かった、獣人との間の子だからもしかしたら痣が出ないかもと心配していたんだ。

 痣が無ければ王家の人間とは認められない、そう言うしきたりだ。もし無ければ肩身の狭い思いをする事になる。余計なお世話だとは思うが、万が一の時は俺が引き取ってもいいとすら考えていたんだ。でもこれで一安心だな。

 メルはもちろんラデス殿下だって自分の子を手放したくはないだろう。全てが俺の杞憂(きゆう)で済んで良かったよ。

お読みいただきありがとうございました。

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