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リーリンの花のように  作者: きみあきつき
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「魔力回復薬の特級品ねえ。そもそも研究してないね」

「えっ、何故ですか!」

「何故ってあんた、考えてもみなよ。魔力回復薬は1日5本までなんだ。それ以上摂取したら魔力酔いを起こすからね」

「知ってますけど」

「だからさ、特級品になんかしちまったら1~2本で魔力酔いになっちまうだろ?チビチビ飲むなら別だがそれなら通常の魔力回復薬でいいわけだし」

「そんなぁ。作ってくださいよっ、俺の為に」

「5本じゃ足りないのか?」

「全然足りません。恐竜ゾーン以降は魔力消費が激しいんですよ。だからって一度に何十本も飲めませんし困ってるんですよ」

「何十本ってあんた、いったい何にそんなに消費してるんだい」

「相手が強いんですから最大限の魔力を使わないとこっちが危ないでしょ」

「ササリ様、リクさんの為に研究する事は出来ませんか?リクさんの我が国に対する貢献度を考えれば陛下も許可なさると思いますが」

「そうさねぇ」

「魔力回復薬って万能薬が使われてるって聞いたんですけど本当ですか?」

「どこで聞いたんだい?」

「知り合いの研究者です。クルスルスの専売特許だから詳しい事は分からないって言ってましたけど」

「はぁ。まあいいか、軽々しく話題に出すんじゃないよ?」

「はい」

「魔力回復薬の原料に万能薬の残りカスが使われてるのは事実さ。カスと言っても濃度が高すぎてそのままじゃ使えないから何十倍にも薄くしてる。その原液に幾つかの薬草を混ぜ合わせて煮込むのさ。その過程で制作者の魔力を加えて出来上がり。量を間違えなけりゃ魔導士なら誰でもできる」

「へ~。デキに差がでるのは何でですか?最後の魔力の所ですか?」

「そうさ。多くても少なくてもいけない、その匙加減で差が出る繊細な作業なんだよ。そしてその原液が何から出来ているかは一般の魔導士には教えていないんだ。知られると万能薬の存在まで一般に広がっちまうからね」

「あ~」

「その教えてくれた研究者ってのはモルザット国のだろう?あそこには様々な情報が集まるからね」

「誰にも言いません。約束するので作ってください」

「分かったよ。あんたには世話になってるからね」

「ありがとうございます!」

「一応聞いておくが、あんたが魔力酔いを起こす本数は何本だい?」

「う~ん?1日30本は飲んだ事ありますね。それ以上はお腹がちゃぽんちゃぽんして飲めないと言うか飲みたくないですね」

「30・・・それでも回復しないのかい?」

「しないですね。レベルが上がる度に魔力量が増えてるみたいです」

「あのう。つかぬ事をお伺いしますが、リクさんのレベルはいくつなんでしょうか?他の人間もレベルが上がる毎に魔力量が増えるとしたらリクさんと同様の問題が起きる可能性がありますよね?」

「リク、いくつなんだい?」

「えーと、104ですね」

「ひゃっ・・」

「聞くだけ無駄だったね、そんなレベルの奴リク意外に存在しやしないよ」


 ササリさんが呆れたように言い捨て、ラデス殿下とザックさんは口を開けたまま固まっている。ふむ、平均レベルはどの位なんだろうね。

お読みいただきありがとうございました。

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