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驚いた事に大猿は毛が白く変わると雪男に変化するらしい。ゾーンの名前どうしよう・・冬は雪男ゾーンにすればいいのか?いちいち言い換えるのは面倒だよなぁ。この辺はササリさんに丸投げしよう、そうしよう。
ドロップ品を回収したら場所を移動し、またかまくらで囲って最初からだ。これを3回繰り返した。巨体大猿のドロップ品を最低でも10体分欲しかったからだ。
「よし、そろそろ帰ろうか」
『まだ早いのではないか?』
「もう12月に入ったぞ。あっちもそろそろ雪が降るだそうし丁度いいだろ」
『戻って恐竜かの?』
「そうだな」
『つまらんな。ここの方が面白いぞ』
「恐竜ゾーンに慣れたからだろ。ここも慣れればつまらなくなるんじゃない?」
『お前、もうここに来ないつもりでいるだろ』
「何でさ」
『ここみたいに手間がかかる所は総じて嫌がる』
「よく分かってるじゃん。当面来る気はないね」
『なればもう少しおっても良いのではないか?あとで追加依頼が出されてまた来るよりも効率的だぞ』
『ハクの言う通りだ。お前効率的なのが好きだろ』
「そこを言われちゃうとなぁ」
『主の傾向と対策、抜かりなし』
「何だって?」
『何もない』
ギンとハクにヤンヤン言われて後数日ここで雪男狩りをする事になってしまった。皆の言い分も分かるけどさ、俺は辺境の近くに戻りたいよ。何か安心するんだよね~、自分のホームみたいな?勝手知ったる安心感みたいなのがあるんだよ。
最初に作ったかまくらだけは一回り小さく作り直して残し、そこを起点に場所を変えてかまくらを作っては壊し作っては壊ししながら雪男狩りだ。
最初に作ったかまくらには花が残っているからな。道花で帰る事を考えたら保護しておかないとね。もし萎れていたとしてもスライムゾーンとの境界の林ギリギリに咲いてる花だから最悪人に戻って移動もできるはずだ。雪が降っていたとしてもあの辺りまで猛吹雪に覆われる事は無いだろう。
ギンが満足し、皆から辺境に帰る賛同を得られたのは12月の終わりだった。いくらなんでも居過ぎだろうよ!何度か帰ろうと水を向けてもあのライでさえ首を縦に振らなかったからな。ここでまとめて終わらせておいた方が楽だってさ。
ライ、お前俺側じゃなかったのか?いつの間に面倒臭がり怠け者仲間から抜け出したんだ。いや、俺はライほど酷くなかったけどさ。
大猿雪男ゾーンから抜け出し辺境側の魔の大森林に戻ってきました!は~、やっと人心地つけた。ここは魔法ゾーンね。雪は降ってるけど亜熱帯ゾーンとの境を目指したから花は一応残っている。最初から亜熱帯でも良かったけど魔法ゾーンの方が素材が高く売れるからね、どうせ狩るならこっちが良い。
魔法ゾーンで数日過ごして亜熱帯ゾーンに移動し、1月の終わりに辺境に帰り着く予定だ。
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