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リーリンの花のように  作者: きみあきつき
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 でっけ~なあ~。確かにトロールほどデカくはない、サイクロプスとどっこいどっこいだろうか。のっそのっそと歩いて行くそいつの後を観察しながらついて行く。途中何度か後ろを振り返っているから俺の気配に感付いているのかも。

 そうするとレベルもそれなりに高いんだろうな。


 顔は猿ってよりゴリラに近いかな。はっきりした顔立ちって言うか濃いな。こいつもまだ毛が生え変わり中で焦げ茶と白の(まだら)だ。そして時々息をフ~~ッと吐き出しているんだ。呼吸をしているんじゃないな、吐いた息が白くなっている。冷気を出しているんだろうか?

 もしかしてこいつが冷気を振り撒いて歩いてるのか?そろそろ冬支度しろって仲間に知らせて回っているとかかな。


『そろそろいいだろ。攻撃しろ』

「うん、雷玉レベル3辺りにしようか。1や2じゃどう考えても無理そうだ」

『5の方が良いんじゃないか?』

『それでは検証にならんではないか』

『どっちにしろ失敗する。あれ強すぎ』

『あれより上がまだおるぞ』

「そうなの!」

『うむ。凶暴なのはローヒルミ山脈により近い所におる。我らとやり合う事もあるからの』

「恐竜と違ってただの餌ではないんだ」

『うむ、我らもたまには運動せねばならんからな。氷塊を飛ばしてきよるからそれを避けるのだ。良い運動相手になる。食えばそれなりに美味いしの』

「因みに負ける事は?」

『ある訳なかろう!』

「ですよね」


 レベル3の雷玉15個、四方八方から当たるようにばら撒いてみたが効果は今一つだな。少しは電気が走ったらしく身体を手で叩いて振り払う素振りをしている。そして牙を剥き出して唸っている。顔怖いな。

 レベル3で全く効果が無いんだからレベル5でも難しそうだな。1つにまとめて大きくした雷玉でも効果は低そうだ。

 一応試してみたがいっそう顔が怖くなっただけだった。足まで踏み鳴らし始めたから腹が立っているみたいだな。そりゃそうか。


「これ駄目だな。この分だと雷矢も効果ないだろ」

『そうだな。雷落とせ』

「いや~」

『あやつは頑丈だぞ。ちょっとやそっとじゃ消滅せんぞ』

『レベル5に魔力を上乗せ』

「どれ位?」

『自分で考えろ』

「言いかたぁ」

『毒舌キャラだからな。くくっ』

『正直って言え』

『うむうむ。ライもやっとホムンクルスとしての自覚が出てきたのう』

「これが自覚?」

『ふんっ』

『ライなりの自覚だな』

『ライに甘くなったな、ハク』

『そうかの?』

「そうだな。ライを可愛がってるのはよく分かるよ」

『いいから早く攻撃する』

「はいはい」


 ハクに可愛がられてるのを知って、いや、俺達に知られて恥ずかしかったのか続きを促すライ。こういう素直じゃない所がハクには可愛いんだろうか?道花中だから皆の表情が見られないのが実に残念だ。

お読みいただきありがとうございました。

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