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リーリンの花のように  作者: きみあきつき
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805 大猿

 巨大な猿を求めて霧の中を彷徨い中だ。気配は近くにあるんだけど、木の上だと道花したままでは遠見スキルを使っても霧が邪魔で見えづらいから地上にいる奴を探しているのだ。


『リク左だ。あれは低い所にいそうだぞ』

「ん、そうだね。あれは他より見えそうだ」


 地面に近い個体を発見!逃げられない内に距離を詰めてしまおう。

 そいつはどうやら木の上じゃなく岩の上に陣取っているようだ。長い手で身体をゴシゴシ擦っているな。擦る度に毛がハラハラと抜け落ちているから毛づくろい中といった所か。

 おっといけない、鑑定鑑定。後回しにするとギンが煩いからな。


「大猿だって」

『森猿じゃないのか?』

「違うみたいだ。森猿は魔法使わないし、こんな奥じゃ生きていけないだろ」

『それもそうだな。だが巨体ではないな』

「だね。この辺は小さいんだったよね。座ってるから正確には分からないけど立てば1メートル以上はありそうだ。立つんだよね?」

『うむ、デカいのは歩いとるぞ。あやつの毛、丁度白く変化中だな』

「うん。元は茶色、いや、焦げ茶に近いか。それが冬になるにしたがって白く変化するんだね。この霧が原因?」

『霧は変化を促す合図だな』

「へえ、面白いね。この大きさだったら風魔法でどうかな?」

『止めておけ逃がしちまうぞ』

「そう?でも雷魔法だと強すぎじゃない?」

『腐っても魔法持ちだぞ、甘く見るな』

「はぃ、すんません」


 ギンの助言を受け雷魔法を使う事にした。雷矢にするか?でも岩の上だし外すと逃げられそうだよな。地面なら外しても感電で何とかなりそうだけどさ。

 雷玉にしよう!1方向からだと逃しそうだから正面、左右、頭上から囲むように攻撃しよう。やった事無いけど1つにまとめなければ小さいのが1度に5玉出るからそれを散らそう。あ、1つ余るな。1つは手元に残しといて外した場合に備えるか止めにしよう。

 いざ、尋常に勝負!


 空中に突如出現した5つの雷玉。岩上で毛づくろいをしていた大猿がその気配にピクリと身体を揺らす。だが四方に散らした雷玉にあっと言う間に迫られ、逃げる間もなく直撃を受けて感電死と相成った。

 ふ~ん。小さいのはこれで十分通用するのか。雷魔法のレベル1段階だ。

 手元に残った予備の雷玉、どうしようか。目の前にプカプカ浮かんだまま霧散する事無く残っている。


『主、その木に当てるべき』

「木に?」

『有効活用』


 ライに促され試しに近くの木に雷玉を当ててみた。そしたら木に電気が走ったようで頭上からボトボトと大猿が落ちて来た。なるほど、感電したのか。

 感電してはいるがまだ息があるその2体にギンが風刃を飛ばし止めを刺す。いつのまに外に出ていたんだか。

 ギンが辺りを警戒している間にドロップ品の上にかまくらを作り俺も外に出る。人に戻らないとドロップ品回収できないのが手間だよな。

 大猿のドロップ品は魔石と毛皮、肉、爪だった。毛皮は焦げ茶だね。まだ全身が白く変化してないから焦げ茶の方なんだろうな。


 その後も他の大猿を求めてあちこち移動して行く事にした。

お読みいただきありがとうございました。

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