表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リーリンの花のように  作者: きみあきつき
844/896

797

 アヅ~~~ッ。(したた)る汗を拭いながら目的地を目指す。

 まだ火山地帯の入口にも辿り着いて無いってのに熱気ムンムンだよ。火山灰が降り積もっている上を歩いてるから靴もどんどん汚れていってるし、ここを選んだのは失敗だったな。

 この灰はずっと降ってるのかな?噴火が収まってないんだろうか?


 それにしても魔物ってのは頑丈って言うか生命力が強いよなー。自分達が元々棲んでいたエリアが灰に覆われ、溶岩が流れて来た事で気温だって上昇している。噴火した時は逃げ惑っていたのにそれでもしぶとく生き残って活動してるもんな。


『ここはどこなんだ?魔物がバラバラだぞ』

『うむ。おそらく噴火の影響でゾーンが破壊されたのだろうな。逃げている間に入り乱れたのだろう』

「そんな事ってある?残ってる部分もあるんだし自分のゾーンの境が分からないなんてあるのか?」

『今回の噴火は何百年ぶりの大噴火、破壊された範囲も多かろう。ゾーンどうのと言っておっては生き残れぬだろうよ』

『あそこにスライムがいるぞ。あいつらも逃げて来たって事か?』

「スライムって逃げるっけ?あ、いや、動く事もあるもんな」

『推察するにここは魔法ゾーンとスライムゾーンの境に近いんではないか?少し先を見ればスライムがウヨウヨおる』

「この辺の林が無くなってるのか。これじゃ境界線も分からないよな」

『火山があるんだ、ゾーン構成が同じとは考えにくい。魔物が入り乱れてる割には恐竜も見当たらんしな』

「そこまでの影響が無かったんじゃない?亜熱帯からスライムまでだと思うけどな。あ、あそこにコカトリスがいる」

『狩るか?』

「お願い。肉が美味いからね」


 俺が了承の返事をし終わる前にギンはもう走り出していた。尻尾を振り回し風刃を飛ばしてコカトリスの腕やら尻尾やらを切り飛ばしている。落としやすい首を切らなかったのはドロップ品を残すためだな。

 手負いでも石化攻撃は出来る。俺は一定の距離を保ちつつ雷矢をばら撒いて止めを刺していく。この雷矢、あまり出番はないんだけど使い勝手が良いんだよね。風矢だと仕留め損ねる事があるからその分量をばら撒かなきゃならないんだけどさ、雷の矢だから例え外して地面に突き刺さったとしても、そこから雷が走って感電死しないまでも動きを制限できるんだ。落ち着いて追加攻撃を仕掛ける事も出来るし、ギンやハクが手を出してもドロップ品になる優れものだ。今後はもっと使っていこう。


 ここまで移動してくる間にコカトリスにスライム、ユニコーンに羊、馬は見かけた。だが豚や鹿、バジリスクは見ていない。生存競争に勝てなかったのかな?豚と鹿は魔法ゾーンでも弱小だから分からんでもないが、スライムが生き残ってるのには驚いたな。それにバジリスクって意外と弱かったのか?コカトリスとどっこいどっこいだと思ってたよ。

 いや違うな、湿地帯が無いからだな。

お読みいただきありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ