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リーリンの花のように  作者: きみあきつき
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 自分の分のお茶とパウンドケーキを食べ終わり、チラリと正面に座るマレさんの様子を窺う。ずーーっとテーブルを凝視して微動だにしないな。


「マレさん、前庭もいじっていいですか?」

「ぇ?」

「雑草が伸び放題じゃないですか。抜いちゃ駄目な物はありますか?」

「さぁね。あたしには何も分からないね」

「そうですか」


 俺は立ち上がり玄関を出て前庭を見渡した。正直草なんだか何なんだか見当もつかないものばかりだ。花が咲いてれば分かるけど、もしハーブでも植えてあったら見分け付かないな。

 しょうがない、1つ1つ鑑定していくか。

 そうして始めた雑草抜きだが、背の高い草を抜いた先には煉瓦で区切られた花壇が姿を現した。何だ、花壇があるならそれ以外の草は全部抜いちゃってよかったのか。今の所ハーブも薬草も何にもなかったしね。

 作業に夢中になり、気が付いたら日が暮れていた。続きは明日だな。


 リビングに戻りマレさんの様子を見に行く。

 テーブルの上に置いてあったカップもお皿も空になっていたからちゃんと食べてくれたようだな。肝心のマレさんは居ないけど。

 2階に戻ったみたいだ。具合が悪いのか?でもそれだけって感じではないよな。


 俺はこの日からマレさんの家に泊まり込む事にした。

 好奇心って訳じゃないけど、あのマレさんが別人みたいに変わっちゃった理由が気になるんだ。それにマレさんが家に1人でいる理由も。

 マレさんは結婚していてお子さんもいると聞いていた。その人達はどこに行っちゃったんだろう。もしや離婚?それならマレさんが幽霊のごとく無気力になっちゃった理由も分からんではない。


 階段を上がり気配がある部屋のドアをノックする。

 家にあげてもらって換気の為に窓という窓を開けて回った時、ベットの置いてある部屋は2ヶ所しか無かった。そのうちの衣類やら何やらが散乱していた部屋の方だ。それ以外の部屋はずっと使ってなかったのかガランとしていた。


「マレさん夕食どうします?食べたい物ありますか?」

「・・いらないよ」

「そうですか。俺行くとこないんで泊めてもらっていいですか?」

「勝手にしな」

「ありがとうございます。お休みなさい」


 これで良しっと。寝る部屋はベットのある部屋を貸してもらおう。リビングのソファーっていう手もあるけど身体が痛くなるから止めておいた。

 ではさっそくお湯を溜めてお風呂に入りましょう。夕飯は手持ちの総菜パンでいっか。明日買い物に行こう。

お読みいただきありがとうございました。

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