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リーリンの花のように  作者: きみあきつき
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 モルザット国が何て言ってきてるか知らないが、俺にだって拒否権はある!はず。あるよな?


「前回分は全部研究用として渡された。そして今回分は冒険者達用に渡される。魔法武器の職人は商業ギルドから派遣される手はずになってるんだがな、そう簡単に数は出来んだろ。教える所からだしモルザット国は鍛冶師の数がうちやリーザス国に比べて少ないからな」

「へえ、で?」

「そう言う事情があってな、王宮からペレンギルド長に今回分から一部研究用に分けてくれと言われたらしい。魔法武器を効率よく作るためにも研究が先だってな」

「まあ、言わんとしてる事は分からなくもないですけどね。うちの貴族と違って向こうは貴重品の収集じゃないんでしょうしね」

「そうだな。王族にも研究者が多いからな、下手な事は出来んだろう。まあそう言う訳でな取られる分を補いたいそうだ」

「俺の手持ちで足りるんですか?」

「風以外はな。あと200追加で欲しい」

「うげっ」


 また風かぁ。どこまでもどこまでもどこまでも俺を苦しめる。


「それ必要分だけになりませんかね?渡した分が全部なくなったら追加で必要分を渡しますよ。どの魔法玉が人気になるかなんて分からないでしょう?」

「そりゃそうだが・・」

「辺境ではどうなんですか?」

「うちだと雷と風、火、氷も人気だな。使い勝手が良いらしい」

「そうですか」

「じゃあ手持ち分を全部渡しますよ。その魔法玉を全部使い終わったらまた依頼を出してください。その前に魔法武器が行き渡ると思いますがね」

「そう言うな。向こうもいつスライムゾーンに辿り着けるか読めないからある程度確保しておきたいんだろうしな」


 ザックさんの言い分も分かるけどさ、もうスライムゾーンはこりごりだよ。暫く近寄りたくない。


 話し合いの結果、俺の手持ち分全てを一旦辺境の冒険者ギルドが買い取る事になった。ザックさんとペレン婆さんが直接交渉するのか王都の本部が交渉するのかは知らないが、今回渡した分を使い切ったらその都度必要分を渡すという方向で話を進めるとザックさんが折れてくれた。

 俺があまりに嫌がるもんで、これ以上無理強いも出来ないと踏んだみたいだ。

 自分で言うのもなんだが十分貢献してきたからな。俺がへそを曲げて今後依頼を受けないと言われたら困るって事だろうな。


 だがまあしかし、部屋を出る前にくぎは刺された。少しずつでいいから魔法玉を集めておいてくれと。依頼は出さない、でもまた必要になるから俺のペースで集めといてくれった事か。


 あ~あ、やんなっちゃうよ。どっと疲れた・・・俺には癒しが必要だ。

 ササリさんの所にも寄ろうと思ったけど止めた。このまま家に帰ろう。いや、その前にメルに会いに行こう。俺の癒しネコさんに会いに行こう!

お読みいただきありがとうございました。

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