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リーリンの花のように  作者: きみあきつき
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「釣れねえなー」

「ガングさん、仕事しなくていいんですか?」

「あんっ?俺にだって休息は必要なんだよ!」

「休息ね~」


 外壁の上から恨めしそうに見ている兵士達を見ると何とも言えないんだが・・

 ガングさんは言わずと知れた辺境の街ラットルの警備隊長だ。筋肉ムキムキでっかい身体に手に持たれている釣り竿の何と頼りない事よ。


 どういう状況かと言うとだな、リズさんとの調査依頼を終えた翌日、いつもの通り依頼を受けに行こうとしたらロイに止められたのだ。泊りの調査で疲れてるだろうから休みにしようって言われたんだが、正直気疲れはしても肉体的疲労は無いんだよな。かといってせっかくのロイの気遣いを無碍にするのも悪い気がして、だったら魚釣り系の依頼を受けようと言う事になったのだ。で、ロイとメルと一緒に釣りしてたらガングさんが合流してきて今に至る。


「おいちゃん、まだつれない?」

「釣れねえなー」


 メルはガングさんが気に入ったらしく、座ってるガングさんの膝にちょこんと乗っている。


「ロイ、あと何匹くらい必要だっけ?」

「依頼分は後2匹だよ。後はお土産用かな」

「そっか、まあ夕方まで時間は十分あるしのんびりしよう」

「うん!」


 ロイは釣りが好きらしい。尻尾がゆらゆら揺れて楽しそうだ。やっぱり猫族だから魚好きなのかな?メルは肉の方が食いつきいいんだが。

 何にせよ楽しんでくれてるならそれでいいか。


「ん?あれって軍隊ですか?」

 魔の大森林とは反対の森近くの草原にぞろぞろと兵が現れてきた。森から出てきたわけじゃなく、あちら側にある軍専用の門から出てきているみたいだ。


「ああ、定期巡回に行くんだろ」

「て、事は魔の大森林に行くんですか?」

「そうだ。軍は4部隊に分かれていてな、順番に魔の大森林に入ってひと月は戻ってこないんだ」

「えっ!?ひと月も帰ってこないんですか?」

「結構な人数だからな。移動するだけで大変だからそんなもんだぞ」

「へ~」


 話には聞いていたが、実際に軍隊を見るのは初めてだ。1部隊で大体200人位いるらしいが、こうやって見ると圧が凄いな!全体が規則正しく整列して、命令に合わせて動いていく様は壮観だ。


 軍の行進を見つつ釣りを楽しむ。


 あれからしばらくして、ガングさんは迎えに来た副隊長に怒られながら仕事に戻って行った。



お読みいただきありがとうございました。

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