67
帰りの移動時間を考えて切りの良い所で引き返す事にした。
はっきり言って魔の大森林の規模から考えれば1/4も来ていないと思う。こんなんで調査になるのだろうか?
「リズさん、調査はこれで終わりでいいんですか?」
「ああ、2人で2泊3日ならこんなもんだぞ。もっと深くまで行くなら複数人必要だしね」
「そうですか?」
「ふふっ、思ったより楽で拍子抜けしたか?」
「まあ、そうですね」
「はっきり言って2人で入った割には結構な成果だぞ!本来ならもっと苦戦する。自分がランク以上に強いと自覚する事だな」
「はぁ・・」
よく分からない?といった顔をしていたら面白そうに笑われた。
「それに、さらに奥に進むと巨人ゾーンに入るから2人じゃ無理だ」
「巨人ゾーンですか?」
「そうだ。今確認されているのは、ミノタウロスとサイクロプスだな」
「えっ!?そんなのいるんですか?」
「ああ」
俺が魔の大森林の最奥から抜けてきた時は見なかったぞ?川沿いを移動してたから遭遇しなかっただけかな?森の中心部にはほとんど近づかなかったからなぁ。
それにしても巨人ゾーンなんてのがあるんだな。ミノタウロスはあれだよな、よくゲームなんかに出てくる牛頭してる人型で武器持って襲ってくる奴。サイクロプスは1つ目の巨人だったかな?
じゃあ、俺が倒れてた場所は恐竜ゾーンになるのかな?今考えてもあれな酷いよな!せめてもっと人里近くにして欲しかった。
帰り道は特にこれと言った問題もなく、予定通り街に辿り着いた。
ギルドに報告と売却を済ませて帰る事にした。
リズさんの言っていた通りトレントの木材が高値で売れた。
蜂蜜に関してはお土産として持って帰る事にした。もちろんリズさんもだ。俺の分も買い取ると言われたが、そんなに美味しいなら食べてみたいと断った。ちょっと睨まれた・・
リズさんにお礼を言ってギルドで分かれ、宿に戻る事にした。
「ロイ、メルただいまー。お土産あるぞー!」
部屋のドアを開けながら声を掛ける。
「お帰りなさい!」
「ただいまロイ!あれ?メルは?」
「孤児院に行ってるよ。友達と遊びたいんだって」
「ほー、ロイが居るのに孤児院に行くなんて思わなかったな」
「僕も・・」
ロイが苦笑いしながら同意する。
メルはロイが迎えに行ってくれると言うので、夕飯まで少し休む事にした。
他の冒険者と依頼を受けるのはこれで2度目だけどやっぱり疲れるな。でも間近でAランク冒険者の動きを見られるなんていい経験だった。
お読みいただきありがとうございました。




